光学2倍ズーム付き3.2Mピクセルカメラ、2.4インチのモバイルASV液晶、そしてGSM/W-CDMAのデュアルモードに加え、Bluetooth、赤外線通信ポートも装備。テレビ閲覧やFeliCaなどの“新しい機能”は備えないが、スペックの高さでは他の追随を許さない、ハイエンド携帯電話が「Vodafone 903SH」だ。
ポイントをシャープに聞いた。
「こだわりはレンズ。まずレンズから見直して5群6枚、うちガラス5枚を使いました」。こう話してくれたのは、シャープで903SHの商品企画に携わった馬場木綿子氏だ。
携帯のカメラといえば画素数ばかりがクローズアップされるが、高解像度化にともなってレンズのクオリティが必要とされるのは案外見逃されがちなポイント。903SHでは、まずレンズの枚数が前機種「902SH」の5群5枚からさらに増えている。
標準時(ワイド) | 光学ズーム時(テレ) | |
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F値 | F2.8 | F4.0 |
フォーカス | 10センチ〜∞ | 50センチ〜∞ |
実際に撮影した画像は、荻窪氏による記事を待ってもらうとして、ここではスペックと体感的な内容をお伝えしたい。まずCCDはシャープ製のフレームインターライントランスファ方式。CCDは光源に向けたときに縦線が写ってしまうスミア現象が欠点だといわれているが、この方式のCCDはスミアを抑えられる。サイズは1/2.5インチだ。
撮影時のレスポンスも向上した。最大サイズの1536×2048ピクセル/画質ハイクオリティで撮影したとき、約10秒。XGA(1024×768ピクセル)/画質ノーマルの場合約4秒だ。画像処理にグラフィックスチップ「T4G」を使っており、これが高速化に貢献しているのだという。ちなみに、回転2軸ヒンジを生かして、液晶を反転させてたたむと自動的にカメラが起動するように設定することもできる。起動時間は約3秒とこちらも高速だ。
「今は903SHをカメラ代わりに使っているんです」と馬場氏。カメラ代わりに携帯を使うには、画質だけでなく起動や保存の速度、操作性が重要。このあたりを十分に気をつけて開発された903SHは、カメラ付き携帯の“1つの完成型”だろう。
デザインには「高級車、高級時計をイメージした。全方位デザインを目指した」と馬場氏。液晶側の表面はピアノ調の光沢、バッテリー側の裏面は革風のシボ加工がなされている。上下が斜めに切り落とされた、クサビ状の形状も面白い。「ヒンジ部には、アンテナとカメラが入っていて、どうしても出っ張ってしまう。これをデザインの一部にしたい」(馬場氏)という意図で、この形状が生まれた。
コネクタカバーも、よく見ると凝っている。miniSD、イヤホンマイク、充電(シリアル端子)の3つにカバーが付いているが、いずれも硬質なカバーが柔らかいゴムで本体に取り付けてある。使い込んでも、変色なし、ビラビラなし、バネも使っていないので外れることもなし、というわけだ。
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