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ACCESSの大石氏(写真は6月のBREW 2005 Conferenceで撮影) |
既報のとおり、ACCESSは9月9日、Palm OSを開発する米PalmSourceを買収、事実上子会社化すると発表した。PalmSourceの株式100%を、約358億円で取得する予定。
PalmSourceは、Palm OSや携帯電話向けOSを開発・ライセンス提供しているソフトウェアメーカー。一方ACCESSは、組み込み向けブラウザ「NetFront」で知られる企業だ。なぜ買収に踏み切ったのか、その理由をACCESSマーケティング本部の大石清恭本部長に聞いた。
ITmedia まずは、買収の経緯を教えてください。どちらが声をかけて、いつから交渉を始めたのですか。
大石 本格的にこうした話し合いを始めたのは今年の7月からだ。もともとACCESSとPalmは、3年ぐらい前からPaml OS上で動くACCESSのエンジンをライセンスするなど、ビジネス上の付き合いはあった。こちらから「もっと協業体制を強めたい」と申し入れて、どうせなら1つになってしまえばいいのでは――という話になった。
ITmedia 協業体制を強めたいと思った理由は何ですか。買収によりどんな効果が得られると考えたのでしょうか。
大石 携帯事業に関しては、我々はキャリア、メーカーとも「入り込めている」(良好な関係を築いている)という評価をもらっている。一方Palmには、リッチなアプリケーションという資産がある。携帯アプリケーションもリッチになりつつあり、携帯のアドレス帳をサーバと同期させる時代になった。こうしたアプリ開発は、Palmはお手のもの。我々と組めば、補完関係が築けると考えた。
Palmでキーワードになるのは、「デベロッパーコミュニティ」だと考えている。これは周りが見ている以上に、大きなベネフィットとして効いてくる。もう1つ買収のメリットを挙げるなら、Palmは中国のChina MobileSoftを買収していること(2004年12月9日の記事参照)。中国に250人のスタッフを抱えているのが魅力で、中国の比較的安価なリソースを、いかに活用してR&Dを行うかがポイントだと思っている。
ITmedia リッチアプリケーション、という話が出ましたが、携帯をPDA化させた端末向けにソフトウェアプラットフォームを提供するということですか。最近では固定通信と携帯電話の融合、いわゆるFMC(Fixed Mobile Convergence)が進むといわれており、その一貫として「ミニPCのような携帯」も登場すると言われています。
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