ユニークで便利。携帯電話をとりまくアイテム・サービス韓国携帯事情(2/2 ページ)

» 2005年10月13日 00時29分 公開
[佐々木朋美,ITmedia]
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コンビニだけでなく、映画館や地下鉄にも……充電サービス

 日本ではコンビニなどに設置されたセルフ充電器、「チャーボ」が有名だが、韓国でも同様の充電サービスはあらゆる場所で見かける。

 韓国のコンビニでは、セルフサービスではなくて店員が充電してくれる形となる。店員に携帯電話を渡すと、レジスペースの内側にある充電器でチャージしてくれる仕組みだ。料金は1回1000ウォン(約100円)で、受け渡しまでには30分程度かかる。

 「チャーボ」のようなセルフ充電器ももちろんあって、主に映画館などに設置されている。映画までの待ち時間などに素早く充電できるが、鍵がかけられないので盗難などの不安も若干ある。

映画館設置のセルフ充電器は、本体からバッテリーを外し充電部に差し込む形となる。さまざまな形状のバッテリーに対応できるよう、充電部は左右伸縮自在となっており、下のつまみを手動でスライドしバッテリーの充電端子に合わせる。

 最近では地下鉄内にセルフ充電器も設置されるようになった。これは9月初旬から無料試験サービスが行われている「METRO-X」という充電器で、現在、地下鉄2号線の一部の車両で利用可能となっている。

 充電するにはバッテリーを本体から外し、METRO-Xの下部にあるバッテリー挿入口に直接はめ込まなければならない。その後、上部にある交通カード接触部にカードを当てると、交通カード内の電子マネーで決済できるようになる。

 METRO-XのメーカーであるOdicorpのShim Geepeel氏は「現在は2号線に70台ほど設置していますが、今年12月までには1〜3号線の全車両で利用できるようにしたいです」と話す。

 OdicorpではMETRO-Xを単なる充電器ではなく、画面に広告や地域情報、また個人メッセージなどを表示できる情報端末として活用用途を広げたい考えだという。また来年頃には香港でのサービスも視野に入れ、現在準備を進めている。香港でも現地の交通カード「オクトパスカード」で決済できる仕組みとする。

 OdicorpのShim Geepeel氏は「韓国のユーザは1日平均7〜8回充電をするという調査結果も出ているほど携帯電話をよく使います。より多くのユーザが充電できるよう、METRO-Xは韓国内で販売されている95%程度の携帯電話には対応しています」という。

METRO-Xで充電をしようとしているところ

 ところでこうしたサービスを提供するには、バッテリーのコネクタ形状が統一されているほうがいい。韓国では充電ケーブルのコネクタは規格統一化されているものの、バッテリー自体の充電端子の位置はメーカごとにばらばらという状態だ。携帯電話のデザインが多様化する中、バッテリーの形状もそれに合わせるため統一されにくいというのがその理由のようだ。

 それでもケーブルを介するよりも速いということで、多くの充電サービスはバッテリーを外して直接充電する方法が取られている。そのため充電器は、さまざまなバッテリーに合わせられるよう充電端子の位置を自在に移動できる作りとなっている。

 先の映画館設置の充電器は手動で端子の位置を合わせる仕組みとなるが、METRO-Xは自動的に合わせてくれるほか、充電に要する時間は10分と、充電時間を大きく減らしているのも特徴だ。

コネクタは24ピンで統一されているものの、バッテリーの接触部は統一されていない


佐々木朋美

 プログラマーを経た後、雑誌、ネットなどでITを中心に執筆するライターに転身。現在、韓国はソウルにて活動中で、韓国に関する記事も多々。IT以外にも経済や女性誌関連記事も執筆するほか翻訳も行っている。

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