携帯も固定も“これ1つ”でワイヤレス──「Voyager 510SL」を試す(2/3 ページ)

» 2005年11月02日 20時39分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 ではベースユニットと携帯電話2台を組み合せて使う場合はどうだろう。この場合でもベースユニットが特別扱いになるわけではない。例えば外出中に携帯電話2台と接続(待ち受け)状態のまま、ベースユニットの置いてあるオフィスに戻っても、そのままではベースユニットとヘッドセットは接続されない。ただしベースユニットはヘッドセット部が接続状態でない場合、ベースユニット側から定期的に接続を試みる。従ってヘッドセットと1台の携帯電話との接続を切断すれば、1〜2分後にはヘッドセットに接続され、ベースユニットに接続された固定電話でのヘッドセット利用も可能になる。

 PCも含めて利用する場合でも基本的な考え方は同じだ。ヘッドセットがほかのBluetooth機器2台と接続(待ち受け)中だと、PCとは接続できず、“ベースユニットとPC”“携帯電話とPC”といった組み合せなら利用できる。

 注意が必要なのは、PCのBluetooth機能の場合、基本的には“待ち受け”という考え方がなく、“接続=通話中”になる点だ。つまりPCがヘッドセットを常に使えるように占有するには、常に通話中にしておく必要がある。しかしそれではヘッドセットのバッテリー消費が大きくなる。

 ヘッドセットがPCを含めて2台以上のBluetooth機器とピアリングしていなければ特に問題はない。しかし、そうでない場合には“ヘッドセットはベースユニットのみ接続中で、いつでもPCで使えると思っていたものの、実はカバンの中の携帯電話とも接続中でPCとは接続できなかった”という事態が起こる可能性もある。このあたりの挙動は、事前に確かめてから利用したほうがいいだろう。

固定電話とだけ、携帯電話とだけ、といった使い方の場合、使い勝手は一般的なヘッドセットと同じだ。「コールコントロールボタン」の操作で着話や終話操作が可能で、携帯電話の場合リダイヤル操作なども可能。ヘッドセット側でどれだけの操作が可能かは携帯電話側の機能にも依存するが、ハンズフリープロファイルをサポートする携帯電話の場合、大抵最後に発信した相手先へのリダイヤル機能は利用できる場合が多い。

「ヘッドセット」自体の実力は

 ヘッドセット単体としての魅力も大きい。デザインは耳掛け型で、重さや体積のかさむ部分が耳の裏側にくるように配置されている。そもそも17グラムと軽量であるのに加え、軽く耳を挟みこんで支えるような形のため、重さを感じさせない。マイクブーム部(口に向かって伸びるマイク部の呼称)は、左右どちらの耳にも装着できるよう180度回転する仕組み。マイクブーム部の角度も適切な位置への調整が可能だ。

 マイクブームを90度捻ると板状に近い形になる携帯しやすいデザイン。単体で充電に利用できるACアダプタもコンパクトだ

 製品には3種類のイヤーピースと、マイク部分のカバーも付属。イヤーピースはほぼ真円でサイズの異なる2種類とさらに縦長な円形の1種が用意され、耳の形に合わせて取り替えられる。筆者は平均的なサイズのインナーイヤーヘッドフォンを長時間利用すると耳が痛くなるのだが、Voyager 510の小形のイヤーピースを試したところ、丸1日装着していてもまったく痛みを感じなかった。

 形状の異なる3種類のイヤーピース、マイクカバーも付属。マイクカバーは風切り音の削減にも効果がありそうだ。マイクブームの根元の部分にも集音部があるのが分かる

 マイクにノイズキャンセル機能が付いているのもポイントだ。ブーム部の先端以外にブーム部の根元にも集音部を備え(多分こちらが無指向性)、2カ所で集音して片方でしか拾わなかった音を除去することでノイズを軽減させていると思われる。携帯電話のノイズキャンセルマイクもほぼ同じ構造だ。ノイズキャンセル仕様のBluetoothヘッドセットは選択肢が少ないだけに貴重な存在で、単体のBluetoothヘッドセットしても魅力を感じる人は多いだろう。

 主に発着信操作を行う「コールコントロールボタン」は、イヤーピース部分の表側にある。装着すると背面になる部分に音量調整のアップダウンボタンと、電源兼ミュートボタンを装備。電源のオン/オフは長押し操作なのでミュートと操作を間違える可能性は低い。またミュート中は30秒おきにブザー音を鳴らすことで注意を喚起してくれる。

 ヘッドセットのボタン配置。コールコントロールボタンはM2500のマイクブーム先端寄りよりもさっと手が届く

 Bluetoothは、ほかの2.4GHz帯を使用する無線機器との干渉に強いver 1.2に準拠しており、ハンズフリーとヘッドセットの両プロファイルをサポートする。ハンズフリープロファイルによる接続時には、コールコントロールボタンの操作で「通話中のヘッドセットから携帯電話および固定電話機への通話切り替え」「着信拒否」「リダイヤル」といった操作を行える。受話音量も大きめに確保されており、Bluetoothヘッドセットとしての基本機能に大きな不満はない。

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