香港「3Gプリペイド」はここまでできる〜実際に買ってみた(2/2 ページ)

» 2005年11月22日 21時50分 公開
[山根康宏,ITmedia]
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 このうち国際電話は「+(001)発信」と「1968発信」の2つがあるが、1968で発信すると例えば日本の固定回線へはオフピーク時0.99香港ドル(約15円)/分と格安になる。また国際テレビ電話は+発信のみ対応。日本の3G携帯にテレビ電話をかける場合は、+のあとに日本の国番号81、そのあとに090(または080)の頭のゼロを取った相手の携帯番号を入力すればよい。

日本の知人へ夕方にテレビ電話をかけてみた

 国際ローミングにも対応しているため、3GのプリペイドSIMカードを入れたU8138はほかの国でも利用できる。もちろん日本ローミングにも対応しているから、このまま日本へ持ち込んで利用できることになる。

料金は月額制で割安

 端末にSIMロックはかかっておらず、Hutchison専用端末ではない。したがってほかの香港事業者のSIMカード、さらにはボーダフォンのUSIMカードやドコモのFOMAカードを挿入しても、現地で国際ローミング利用端末として使える。

右上はFOMAカードを入れてHutchison3G(3HK)、右下はボーダフォン3GのUSIMカードを入れてCSLの電波を拾っているところ。なお音声通話、SMS、テレビ電話は設定不要でそのまま利用できる

 通話料金は割安。インセンティブ販売がないため、端末は端末、料金は料金と課金体系が分離されていることと、さらに香港の通信事業者間での競争もあるためにプリペイドながらも手軽な料金体系になっている。以下が料金表だ。

 面白いのはプリペイドながら月額基本料金制となっていること。利用開始するとプリペイドの残高からすぐに28+2.5ドルが引かれ、これで月額料金に含まれる無料利用分、つまり100分間の音声通話や10本の動画コンテンツなどが無料で利用できる。超過分は別途課金され、その都度残高から引かれていく。使い続けていくと残高が減るため、リチャージバウチャーで残高を追加すればよい。利用開始日のちょうど1カ月後に、再び基本料金が引かれる。

コンテンツはビデオ配信が主流

 コンテンツ利用は日本でいうところの「iモードキー」のように、Hutchisonのコンテンツにアクセスするための「トライアングルキー」があり、これを押すと即Hutchisonのポータルサイトへ接続可能だ。最初に表示されるポータル画面はテキストメニューではなく、写真やイラストの入ったグラフィカルなスクロールメニューとなる。

(左)ポータル画面の「TodayOn3」。画面上の真ん中、青枠で囲まれたアイコンが「グリッドメニュー」で、ここを押すと右のグリッドメニュー「3Grid」の画面となる
ポータル画面を下にスクロールさせていくと、音楽クリップやニュースのビデオ配信、着メロやゲームの案内などが画面一杯に表示される。希望の画面をクリックすれば、ビデオのストリーミングやゲームダウンロードの画面に移動する。英語学習やLiveTVなどはビデオ配信ならではのコンテンツ

 課金方法は、コンテンツ単位。ビデオのストリーミング閲覧やゲームのダウンロードにはパケット料金はかからず、「ストリーミング何分」「ビデオ1本」のように、コンテンツそのものだけに課金されるのだ。また最新の音楽ビデオクリップなどは「コンテンツ1本+追加料金」というものもあって、ダウンロード前に「M+$3」のように表示される。これはプリペイドに限らず、同社のポストペイド契約回線でも同様の課金方法だ。

コンテンツによっては画面にこのような表示があり、追加料金が必要になる

 コンテンツの中には「月額課金」のものもあるが、これもプリペイドでも利用可能だ。単純に残高から毎月その月額分が引かれるだけとなる。ちなみにポータルサイト「TodayOn3」や「3Grid」から各メニューを閲覧する場合もパケット料金はかからない。利用者はパケット料金は一切気にする必要なくコンテンツを利用できる。パケット料金がかかるのはノートPCやPDAと携帯電話をつなぎ、データ通信で利用した場合のみだ。

プリペイド=低機能ではない

 実際に利用してみるとHutchisonの3Gプリペイドは、基本料金があることとサービスがポストペイド契約回線と遜色ないことから、単純に「料金支払いを前払い=プリペイドにしたもの」と感じる。プリペイドということで契約回線とサービス内容に差をつけるているわけではなく、むしろ毎月の利用頻度が少ないユーザーでも手軽に3Gサービスを利用できるようにするためのプリペイド方式といえそうだ。

 これは通信事業者側にしてみても、利用頻度の少ないユーザーの管理をする必要がなくなる。残金がなくなれば回線を停止すればいいため、料金回収の手間も省けるだろう。ちなみに残高がなくなった時点から約1週間程度で電話番号停止となるそうだ。短期渡航者などは、たとえば1週間程度の滞在であればその後は放置しておけばよく、使い捨て感覚で利用できる。

 プリペイドというと日本ではネガティブな印象もあるが、海外ではイタリアのように「携帯料金はプリペイドで払うことがあたりまえ」の国もある。香港Hutchisonの3Gプリペイドのように、契約せずに海外からの渡航者も現地でフルサービスを受けられることはメリットがあるだろう。個人的には、できれば安価に購入できる端末も用意してほしいところだった。

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