国際都市香港は海外からの渡航者が多く、2003年の年間訪問者数は1554万人(香港政府観光局調べ)。香港の人口は約680万人なので、実に人口の約2倍の渡航者を受け入れていることになる。
香港の通信事業者はGSM方式やCDMA方式を採用しており、世界各国からのローミング受け入れを行っており、海外からの訪問者向けにはプリペイドSIMカードも各種販売している。その中から、特徴的な、ちょっと面白いプリペイドSIMカードをいくつかご紹介しよう。なお金額はいずれも2004年8月現在のもの。
たった400円(HK$28)で購入可能なプリペイドSIMカードがある。香港のケータイ専門店では定価のプリペイドSIMカードを格安販売していることがあるが、これはそうした類のSIMではなく、通信事業者がれっきとした定価で販売しているもの。香港のどこで買ってもこの値段で買える。トランジットや日帰りなどの短期滞在者向けとして売られているのだが、こんなに安ければ使う予定がなくとも「ひとまず1枚」と気軽に買ってしまえる価格だ。
香港の大仏やビクトリアピークのケーブルカーの写真がパッケージに印刷されているCSLの「香港遊」。まさに観光客向けの商品だ。中には海洋公園のクーポンや、GSM端末レンタル割引券も入っている。価格も安く、ケータイ好きな人のお土産にいかがだろう?
CSLが販売する一般タイプのプリペイドSIMカードは、申し込み不要でダイヤルアップによるデータ通信も可能。他社のプリペイドSIMカードにはないメリットだ(香港内のみ、9600bps)。しかも専用ダイヤル179-111にかければプロバイダ不要でネット接続可能。緊急時のデータ通信用にも便利だ。
通常、プリペイドSIMカードではパケット通信(GPRS)やWAPによるコンテンツサイトへのアクセスはできないが、SmarToneが発売している「智爽通(PayGo)」は、契約回線と同等にパケット通信が可能。
GPRSやWAPの設定をすればご覧のようにコンテンツサイトの閲覧や、MMS(GSM版の写メール)もできる。本来は契約回線扱いで、料金の支払いがプリペイド方式というもの。毎月の基本料金(HK$50、約720円)がかかるが、この基本料金分はまるまる無料通話分に充てられる。国際ローミングも可能で、実は日本でも利用できる。
中国の中国聯通(China Unicom)のシンセンが発行している「深港如意通」は、1枚のSIMカードに中国の電話番号と香港の電話番号、2つの番号が入っており、中国全土と香港のどちらでも使える。
両方の番号で待ち受け可能で、中国内で香港の番号でも着信できるし、香港内で中国の電話番号でも着信できる。香港と中国の往来の激しいユーザー向けで、香港・中国華南地区へよく来る出張者には便利がられている。香港内でも購入が可能。
ややマニアック。香港の若手アイドル専用コンテンツにアクセスするためのプリペイドSIMカードがNew World Mobilityの「星Mobile」。毎月料金がかかるが、アイドル好きには手放せない1枚かも。
中国のCDMAはR-UIM(リムーバブル・ユーザー・アイデンティティ・モジュール)カード化が進んでいる。中国のCDMAユーザーが香港を訪問した時のために──と用意されているのがこのCDMA用プリペイドUIMカード。R-UIMカード対応のCDMA端末で利用できる(6月7日の記事参照)。
地下鉄(MTR)の尖沙咀(Tsim Sha Tsui)駅構内には、Hutchison TelecomのプリペイドSIMカード自販機がある。便利なようで、香港はコンビニでもプリペイドSIMカードが買えるのであまりメリットはないかもしれない。
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