海外でケータイを買ってみよう(実践編)夏休み企画(1/3 ページ)

» 2004年08月06日 21時41分 公開
[山根康宏,ITmedia]

 前回の「基礎知識編」では、海外の端末を買うにあたっての注意点などを解説した。次は、いよいよ具体的な購入手続きを確認していこう。

香港でGSM携帯を買ってみる

 海外でも携帯電話が普及している国は多いが、中でも香港は、普及率が世界トップクラス。それだけ、人々が気軽に携帯を買ったり使ったりしている。香港はまた、アジアの中ではタイと並んで、外国人が携帯電話を買いやすい環境(後述)にあるといえる。端末にSIMロック(8月5日の記事参照)もかかっていないため、気に入った端末を自由に買える。

 前回説明した通り、海外のGSM携帯は「ユーザー情報(電話番号)そのものであるSIMカード」と、「端末」が分離されている。すなわち、端末だけ買ってきてもそれはただの箱。SIMカードを挿入することで、初めて通話やショートメッセージなどの送受信をすることが可能になる。

 海外では、旅行者などが簡単に購入できるプリペイドタイプのSIMカードが売られている。このプリペイドSIMカードは、日本の「プリペイド携帯」とは概念がちょっと違う。GSM端末を買ってきてプリペイドSIMカードを挿入すれば、その端末がプリペイドとして使えるのだ。すなわち“プリペイド専用端末”というものはなく、端末そのものは通常契約用のものとなる。

photo 香港のプリペイドSIMカードの例。SIMカードは、日本のFOMAカードやVGS(Vodafone Global Standard)のUSIMカードと同様

 香港では、プリペイドSIMカードは身分証明書不要で誰でも気軽に購入できる。価格は、含まれている通話時間でいろいろだが、100香港ドル前後(=約1450円)のものが多い。有効期限は180日。残高が少なくなったり、有効期限が迫ってきたりした場合は、リチャージカードを購入すれば通話残高と有効期限を補充できる。

キャリアのショップは気軽

 香港で携帯を買う場合、もっとも気軽なのは通信キャリアのショップだ。日本のドコモショップ、auショップのように、香港の街中にもあちこちに通信キャリアのショップが目立つ。規模も大小さまざま、場所によってはライバル同士が隣接して店を構えている。

photo (上)One2Free(CSL)とPEOPLES、2つの通信キャリアのショップが隣に並んでいるのも香港ではよくある光景。(下)以前はOrangeだったHutchison Telecomのショップはすべて「3」ショップになっている。

 通信キャリアのショップならば、その場で端末とプリペイドSIMカードを同時に買えるというメリットがある。もちろん、片方だけを買うことも可能。自分はすでに他社のプリペイドSIMカードを持っているから、端末だけ買いたいと言っても嫌な顔はされない。その逆に、ほかのGSM圏から渡航してきた外国人などは、気軽にプリペイドSIMカードだけを買っていくこともある。

photo SmarToneショップ店頭。入り口右に大きなショーケースがあり、端末がずらりと並んでいる
photo ショーケースの目玉は、日本も香港も変わらず最新端末。道行く人の目を惹きつけている。

メーカーショップや家電店で端末を購入

 端末メーカーによる、自社端末の販売店もある。

photo (左)NOKIAショップ(右)SonyEricssonショップ

 メーカーショップは、なんといっても販売スタッフの知識が豊富な点が魅力。最新端末の細かいスペックや、端末の設定でわからないことなども詳しく教えてもらえる。周辺機器やアクセサリ類の在庫も豊富だ。また、カスタマーセンターを併設しているショップも多い。

 家電店でも、端末を購入できる。日本と違って、まさに端末そのものを「家電品」として購入することが可能だ。繁華街ならたいてい大手の家電チェーン店が見つかるし、店内へも気軽に入りやすい。

photo 香港各地には、大手家電チェーン店がある。左のFortressと右のBroadwayは、特に支店の数が多い。

街中の携帯専門ショップ

 香港の街中に一番多いのが、この携帯専門店だ。街のあちこちに必ずあり、店の雰囲気もいろいろ。立派な店構えのところもあれば、屋台に毛の生えたような小規模な店もある。

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