数字を押して「NATE」などのボタンを押すと、ダイレクトに特定のWebサイトを表示できる「WINC」サービス |
韓国政府情報通信部傘下の通信委員会は、「NATE」「Magic n」「ez-i」などのインターネット接続ボタンを押すと自動的に自社サイトに接続されるといった行為が不公正だとし、キャリア3社に課徴金を課すとともに不正行為を改めるよう、つまりユーザが自由に初期画面を設定できるような仕組みに変えるよう命令している。
この命令によって、いつからユーザが自由に携帯電話のポータルサイトを選べるようになるかは未定だが、モバイルインターネットでも入り口の座をキープしようと、ポータル間の水面下の競争は始まっているようだ。
そうした動きの1つと考えられるのが、韓国今年11月に開始されたダイレクトで携帯サイトにアクセスできるサービス「WINC」だ。これは、ポータルサイトのNaverをSK Telecom(以下、SKT)のインターネットサービス「NATE」で表示する場合、[3][6][9]のキーと、NATE接続キーを押せば携帯版Naverを表示できるという、日本でいうEZwebの「カンタンアクセス」のようなサービスだ。まだ開始から1カ月ほどしか経っていないため、認知度や普及度の上昇は今後の課題だが、日本以上にクローズドだった韓国のモバイルインターネットのオープン化を進めるサービスの1つとしても、注目に値する。
キャリアは今、ケーブルでインターネットに接続できる自宅などのPCと、ワイヤレスでインターネットにつながる携帯電話の双方を連動させた「有・無線統合」型サービスの提供に熱心だ。
実例としてSKTのサービスを見てみると、人気ミニホームページサービス「Cyworld」やポータルサイトの「NATE」、映画や公演のチケット予約サービスの「Cizzle」、音楽配信サービス「MelON」など、主なサービスはすべて、PCと携帯電話の両方で利用できるようになっている。
しかもPCと携帯電話、別個で利用できるというのではなく、PCと携帯電話間でデータをやり取りできるなど、連動しているのがポイントだ。こうすることでSKグループが提供するコンテンツ全体の利用促進にもつながっている。
同様のサービスはKTFやLG Telecomも行っているが、キャリアがこうしたサービスに熱心なのには理由がある。
現在、韓国政府はあらゆるデバイスがインターネットにつながるユビキタス社会「u-Korea」を目指し、インフラやデバイス、コンテンツの整備を着々と進めているが、キャリアをはじめそのグループ会社は、それに対応するコンテンツやインフラ、デバイスなどを網羅しユビキタス時代をリードする企業に飛躍しようとしているのだ。
「有・無線統合」サービスを競って提供するキャリアの構想は壮大であり、視線はすでに未来に置かれている。
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