702iDは「単なる表層的デザインケータイではない」〜ドコモ増田氏

» 2006年01月17日 20時28分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 auが先行していた“デザインケータイ”の分野に、NTTドコモが切り込んでいる。ドコモは1月17日、デザイン重視の「702iDシリーズ」3機種を発表した。昨年の「P701iD」に続きクリエイターが開発に関わったコラボレーション端末で、こだわりのフォルムを実現している。

 ドコモが702iDシリーズで目指したのは何なのか、そして今後70xシリーズはどういう路線になっていくのか。ドコモのマルチメディアサービス部主査、増田智子氏がコンセプトを説明した。

Photo ドコモの増田氏

2年以上かけた“労作”

 デザイナーコラボのP701iDは、成功を収めた――。それがドコモの認識だ。これに勢いを得て、新たにデザイン重視路線の端末をリリースする。

 ただし、702iDの開発自体は「2年以上前に開発がスタートした」と増田氏は明かす。「この場でご紹介できる日が来るのを、永く待ち望んでいた。かなり早い段階からプロジェクト(の存在)をお知らせすることも考えたが、発売ぎりぎりまで公開してこなかった」

 開発プラットフォームが熟成されてきているPDC端末では、短期間で新機種を開発することも多い。FOMAの場合はもう少し時間がかかり、1年以上前から開発に着手することも普通だが、それでも2年がかりというのは期間として非常に長いほうだ。試行錯誤の末、コンセプトをよく練った労作といえるだろう。

 増田氏は、ドコモのデザインケータイは「色や形状の美しさ、新しさなどの“表層的なもの”に留まらない」と強調する。「機能との一体感を重視している。個性を分かりやすく、伝えやすくすることがデザインの役割」

 増田氏はドコモが生活ケータイを標榜していることにも触れ、この理念とデザインを融合させることが大事だと説く。FeliCa対応となったF702iDを例にとり、「F702iDは美しい。そういう中にFeliCaを入れる。美しいとはどういうことか、クリエイターと話してきたし、デザインと機能を融合させることを目的にしたプロジェクトにしたいと考えてきた」とアピールした。

 この“デザイン重視でなく、使い勝手もよい”というスタンスは、端末の販売目標からもうかがえる。ドコモのプロダクト部長永田清人氏は、「とんがっていて(=極めて特徴的で)10万台売れればいい……とか、そういうこと考えているわけではない」と話す。

 「ミリオンセラーまでいくものを開発していきたい。これは、すべての機種についてそうだ。100万台に届く、もしくはオーバーするものを考えている」

902iと702iとの棲み分けは?

 702iシリーズに「702iD」というデザイン端末が複数登場したことで、今後気になるのは「70xシリーズはデザインケータイ」という位置づけになるのかどうかだ。これまで90xシリーズはハイエンド、70xシリーズはローエンドという位置づけだったが、ドコモの製品ラインアップを見るとこの単純な構図が当てはまりにくくなっている。

 増田氏は「902iシリーズは、プレミアム感を追及している。702iでは自分なりのこだわりで選びたいユーザー向けの、コンセプトあるシリーズ」と話す。永田氏はこれをもっとかみくだいて、次のように説明する。

 「70xシリーズのベースにあるのは、小型軽量化。(小型軽量化することで)デザインの自由度も生まれるし、特徴ある機能をプラスアルファするためにも小型軽量化は重要だ。さまざまな工夫をこらしてバリエーションを増やし、ユーザーそれぞれのライフスタイル、ニーズにあった端末を提供したい」

 今後デザイン重視のiDシリーズが次々登場するかどうかについて、関係者は一様に未定だと話す。「すべてがそうではない。(一律に)やるとかやらないとかではなく……必要なものだけやっていきたい」(永田氏)

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