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» 2006年03月06日 08時00分 公開

MediaFLO Day:Qualcomm CEO、「先進的な日本市場には常に注目している」 (2/3)

[園部修,ITmedia]

チップセットへの統合は十分な市場ができてから

 MediaFLO機能は、現在チップセットに2つのチップを追加する形で実装している。しかし、コストダウンや端末の小型化を考えると、同社が提供しているチップセットに統合してしまう方が有利にも思える。この点は「MediaFLOをサポートする端末のボリュームが増えれば対応を考える」と話すにとどめた。

 現状では、世界各地で異なる方式の放送が行われているうえ、すべての端末が放送を受信できる必要はない。そのため、さまざまな放送方式に対応したチップを、チップセットとは別に顧客に提供していく方向で考えているという。MediaFLOだけをサポートしていくというわけではなく、DVB-HISDB-T(ワンセグ)などの規格にも、需要に応じて対応していく。

 「特定の機能をチップセットに統合するのは、世界戦略を考えたときあまりメリットがあるとは思えない。別チップになっている方が個々の方式に対応しやすく、開発も容易という側面もある」 もちろん、有力な規格が出てきて、多くの顧客がその機能を必要とするようになれば、MSMチップセットへの統合を考えると話す。

 基本的に、米Qualcommとしては顧客が必要とするものをサポートしていくという方針だ。例えば、MSMチップセットにDVB-H対応チップを接続することも可能だし、ISDB-Tチップ接続することもできる。ジェイコブス氏は「最近はW-CDMAとDVB-Hがセットで展開されていく、という論調もあるが、そんなことはないと考えている」という。なぜなら米QualcommではCDMA2000 1xのチップセットだけでなく、W-CDMAのチップセットも開発しており、MediaFLOの機能を持ったW-CDMA端末も当然開発できるからだ。

 なおジェイコブス氏は、機能を統合すること自体は非常に簡単だと補足した。既にあるコアをチップセットのコアにくっつけるだけなので、手間はほとんどかからないという。

先進的な日本はQualcommにとって重要な市場

 MediaFLOについての質問に答えたあと、ジェイコブス氏は米Qualcommにとっての日本市場の重要性についても触れた。氏は「日本は常に新アプリ、新サービスなどが登場する市場として、重要なマーケットだと思っており、注意深く観察している。通信事業者とは密接にコミュニケーションをとっている」と話す。

 非常に高機能なハイエンド端末が人気を集め、世界でもまれな市場といわれる日本だが、特にハイエンド向けチップに搭載する機能については「日本市場でどのような機能が求められているか、という点が重要な要素になっている」という。日本と韓国の市場は先進的なサービスを提供しているほか、ユーザーも新しい機能に高い関心を持っていることから、重要な市場と位置付けている。

 日本におけるMediaFLOの提供については、電波法や放送法による外資の出資規制があるために主導権を持って事業を進めることはできない。つまり、米国のように自前で周波数を購入し、サービス提供会社を作るといったことは不可能だ。そのためKDDIと企画会社を設立し、事業化の可能性を模索している(2005年12月22日の記事参照)。サービスを開始するに当たっては、大前提となる周波数の獲得も必要で、クアルコムジャパンは「2007年のを目標にしている」というものの、その実現性は不透明だ。

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