KDDIは3月24日付けで、同社Webサイトと同一の画面を表示させる偽サイトが確認されたとし、注意を呼びかけた。
KDDIのサイトのURLは「http://www.kddi.com/」だが、今回発見された偽サイトのアドレスは「http://wwwkddi.com」で、wwwとkddiの間にあるピリオドが抜けている。偽Webサイトはフレーム中にKDDIサイトの内容を表示させ、まったく同一のコンテンツを見せる仕組みだ。
KDDIでは取引先からの通報によって偽サイトの存在を把握。海外の事業者経由で当該サイトの閉鎖を依頼しているが、3月27日19時時点でもアクセスは可能な状態にある。KDDIでは、「トップページへのアクセス時にはアドレスを確認し、けっしてピリオドなしの『http://wwwkddi.com』にはアクセスしないよう」呼びかけている。
今のところ偽サイトは、フレーム中にKDDIサイトの内容を表示させるだけであり、IDやパスワードなどの情報を詐取する仕組みまでは確認されていない。しかし、Webページが明らかなフィッシングサイトに書き換えられたり、もっと悪意あるコンテンツを仕込まれる可能性は否定できないため、アクセスしないほうが適切だ。
なお同じく3月24日には、ネット専業証券のカブドットコム証券が、同社Webサイトを似せた偽Webサイトが存在するとし顧客に注意を呼びかけた。
カブドットコム証券を装った偽サイトの場合も、正式なWebサイトが「http://kabu.com」となっているのに対し、「http://wwwkabu.com」という具合にwwwとkabuとの間のピリオドを抜いたドメイン名を用いている。
wwwkabu.comのサイトは既にアクセス不可能な状態になっているが、カブドットコム証券では、トップページへのアクセス時に表示されているアドレスを確認するとともに、取り引きページにログインする際は、URLの先頭文字列がhttpsとなっており、SSLによる暗号化がなされていることを確認するよう注意を呼びかけている。
フィッシング詐欺の古典的な手口の1つに、ユーザーの「入力ミス」を当て込み、人気のあるWebサイトとよく似たドメイン名を取得し、フィッシングサイトを設置するという方法がある。一連の偽サイトも、そうしたTypo(入力ミス)を悪用するものと推測される。
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