ストレート型FOMA「SO902i」を試す──ユーザーインタフェース「SO902i」レビュー(1)

» 2006年03月28日 23時03分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 「SO902i」(記事一覧参照)は、国内向けのソニー・エリクソン端末としては初のSymbian OS採用機となる。ソニー・エリクソンは3G携帯の開発にあたってシャープと協業することを発表しており(2004年11月の記事参照)、プラットフォームとしてはドコモと富士通が開発したものを利用するとしていた(2004年11月の記事参照)

 先行した「SH902i」(記事一覧参照)と似たソフトウェアかと思っていたが、製品版のSO902iを使ってみると、独自色の強いユーザーインタフェースに仕上がっていた。メールやアドレス帳など、それぞれの機能に入り込んでしまうとSymibian OSだと思わせる部分も多いが、メニュー構成は「premini-II」(2005年1月の記事参照)に近い。

Photo 画面下部に表示されるキーガイド。待受画面ではこのキーガイドを非表示にも設定できる(左)。メニューデザインは、同じSymibian OSを搭載した「F902i」「D902i」「SH902i」とは異なり、premini-IIに近い(右)
  • 各種キーの短押しと長押しに割り当てられた機能
各種キー 短押し 長押し
左ソフトキー メールショートカットメニュー iモード問い合わせ
右ソフトキー iモードメニュー iアプリ一覧
上キー データBOX -
下キー アドレス帳 FOMAカードアドレス帳
右キー 発信履歴 -
左キー 着信履歴 -
決定キー 画面アイコン選択 -
MENUキー メニュー -
ich/Myキー iチャネル マイセレクト
側面カメラキー - カメラ起動(静止画)
側面マナーキー マナーモード設定 マナーモードON/OFF
側面メモキー 伝言メモメニュー 伝言メモON/OFF
側面プッシュトークキー - プッシュトークアドfレス帳
- ICカードロック
- ドライブモード

preminiユーザーを意識したユーザーインタフェース

 メニューの呼び出しは、premini-IIやSH902iのような決定キーではなく、マルチタスクボタンを兼ねる専用のメニューボタン(左下ソフトキー)で行う。メニューボタンを押すと、さまざまな機能を利用している最中でも多くのシーンでメニュー画面を呼び出すことができ、新たなタスクを開始できる仕組みだ。同じSymibian OSのF902iやD902i、SH902iが、マルチタスク用に専用ボタンを用意しているのに比べて、操作は自然で分かりやすい。

 またタスクの切り替え機能もメニューの最上段に用意され、メニュー呼び出し直後に上キーを押せば左右キーでタスクを選択できる。これはなかなか良く考えられたユーザーインタフェースだ。

Photo iアプリ実行中の画面。キーガイドに「MENU」が表示され、待受画面からたどるのと同じ操作でメニューを呼び出せる
Photo タスク切り替えは、メニュー最上段のアイコンを指定して行う。「メニュー」→「上方向キー」の2ステップで呼び出せるので、専用ボタンがなくても不便さは感じない。タスクを終了せずに待受画面に戻るには「待受画面」のアイコンを選択すればいい。この画面は「待受画面」「iモード」「電卓」「メール閲覧」「メール作成」の5つのタスクが動作しているところ
Photo 動作中のタスクは、待受画面ではアイコンで確認できる。決定キーを押してアイコンを選択し、再度センターキーを押すとタスク切り替え画面を呼び出せる

 操作系で気になったのはクリアキーの扱いだ。メニュー操作や機能選択時には基本的には1つ前の階層に戻る機能を持っているが、例外があるのだ。「メニュー」キーからメニューを呼び出し、メニューから直接、または2階層目のメニューから機能を呼び出した場合、クリアキーではメニューに戻れない。例えば「メニュー」→「メール」→「メールBOX」と選択するとメールBOXの一覧が表示されるが、ここでクリアキーを押すと待受画面に戻ってしまう。

 生活ツールも同じで、「メニュー」→「生活ツール」→「スケジュール」でスケジュール機能を呼び出し、ここでクリアキーを押すとやはり待受画面に戻ってしまう。慣れてしまえば問題ないのだろうが、操作していて違和感を感じる部分でもある。

 こうした挙動になるのは、マルチタスク機能の実装に伴い、メニューがタスク管理機能も兼ねていることが原因のように思える。メニューを2重起動してしまうと都合が悪いので、メニューから呼び出した機能からはメニューには戻れないようにしているようだ。

 ちなみにメールの場合、「メール」キーを押して「メールショートカット」メニューからメニュー機能を利用する場合、必ずクリアキーで「メールショットカット」メニューまで戻ることができ、「メニュー」キーからメール機能を呼び出すよりも操作は分かりやすい。メール機能は「メール」キーで呼び出す人も多く、さほど不便は感じないかもしれない。ただクリアキーの挙動に関してはもう少しスマートにしてほしかったところだ。

 マルチタスクの自由度は比較的高く、例えばiモードアクセス、メール作成/メール参照、テキストメモ入力/参照などの機能を同時に起動できる。カメラ利用中でもiモード、メールはもちろん、iアプリすら起動でき、iアプリを起動したまま「メニュー」ボタンからカメラ機能を起動することも可能だ。

 カメラ利用中にメールが着信すると、メールアイコンが表示される。急ぎのメールが届くのを待っているような場合でも、カメラを起動したまま(撮影設定などを保持したまま)受信メールを閲覧して、そのまま返信できる。

 異なる機能同士だが、マルチタスクの組合せとして利用できないのがiモード(サイトアクセス)とiアプリだった。

 マルチタスクは原則として同一機能の複数起動には対応していない。メール参照中にさらにメールボックスを呼び出すことはできるが、新規に呼び出した方のメールのみが参照可能になる。マルチタスク動作中に待受画面に戻ると、「未終了機能あり」のアイコンが表示され、センターキーでタスク選択を呼び出すことも可能。特定のメールをすぐ呼び出せる状態にしておきたい時などに便利だ。ただしメールではメールBOXと送信メールは別機能扱いで、同時に起動できる。複数のメールから引用しつつ、メールを作成することも可能だ。

  • マルチタスクで利用可能な機能一覧
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