ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズのストレート型FOMA「SO902i」(記事一覧参照)のレビュー第4弾では、音楽プレーヤー機能を見ていく。
→ストレート型FOMA「SO902i」を試す──ユーザーインタフェース
→ストレート型FOMA「SO902i」を試す──メール・日本語入力
→ストレート型FOMA「SO902i」を試す──基本スペックと外観
SO902iは、901iシリーズから標準機能となった、ノンセキュアAAC形式の音楽データの再生に対応している。ソニー・エリクソン端末はPDC端末で、音楽プレーヤー機能に注力していたメーカーであり、SO902iの音楽機能に期待するユーザーも多いだろう。
「Premini II」シリーズ(2005年5月の記事参照)などのPDC端末では、マジックゲート対応のメモリースティックDuoに保存したATRAC3フォーマットの音楽データを再生できた。オンライン音楽配信サービス「Mora」で購入した楽曲の再生も可能であるなど、充実した音楽プレーヤー機能を備えていた。
SO902iも音楽ファイルをメモリースティックDuoに保存する点は共通だが、再生可能なフォーマットはノンセキュアAACフォーマットに変更された。SO902i用の音楽データはアップルコンピュータのジュークボックスソフト「iTunes」で作成でき、音楽CDやMP3からのインポートも可能な点はPremini IIと共通だ。しかし、音楽ファイルの転送は手動で行う必要があり、iTunesでダウンロード購入した音楽ファイルは再生できない。ノンセキュアAACファイルの扱いは、いわゆる映像なしのiモーションという扱いになる。
音楽ファイルはメモリースティックDuoの「\mobile\docomo\movie\」フォルダ内に保存する。サブフォルダを作成してアルバム単位で楽曲を保存し、フォルダ単位で再生することもできる。なお保存の際には、拡張子を「.m4a」から「.3gp」に変更する必要がある。iTunesから直接ドラッグ&ドロップするだけでは再生できない点には注意が必要だ。
再生は「メニュー」→「エンタテインメント」→「メモリースティック」で呼び出せる。一覧はリスト形式のほか、4または9画面に切り替えられる。音楽再生ではリスト形式の表示が便利だ。ファイル名もそのまま反映されるので、ファイル名=楽曲名であれば、楽曲名での一覧ができる。そのままファイルを選択して決定キーを押すと1曲のみの再生となるが、「機能」→「連続再生」を選べばフォルダ内の楽曲の連続再生が可能だ。
音楽再生機能には課題もある。まず楽曲ファイルの並びが降順のみで、一覧での曲の並びが逆になってしまうのが気になる。一覧の並び替え機能は備えているが、すべて降順であり、例えば先頭にトラック番号を付加した楽曲名にしておいても、トラック番号順に並べることができないのだ。撮影した動画などの場合、より新しいものを先に並べる(降順で並べる)のが一般的なのでこの影響かとも思われるが、これでは音楽再生機能をあまりに軽視しすぎていると思われても仕方ない。バグであれば改善が期待できるが、仕様だとすると少々残念だ。
なお楽曲ファイルのコピーを逆順に行うことで、日付順にソートをすると正しい曲順にできるツールも既に公開されている。
バックグラウンド再生に対応していないのも難点の1つ。メールを閲覧しながら音楽を聞くといった使い方はできない。さらにレジューム再生(前回停止位置からの再生)にも未対応だ。もっともレジューム再生はプレーヤーを起動したままにしておけばよく、マルチタスクの操作性が良いので、プレーヤーを起動したままでもさほど不便には感じない。
2GバイトのメモリースティックDuoにも対応しているだけに残念だが、ほかの902iシリーズに比べると音楽再生機能は“おまけ程度”ととらえた方がよさそうだ。
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