画面が精細になれば、当然写真だけでなく文字の表現力も格段に高くなる。高い解像度を生かすためにポイント数の高い(多くのドットを利用する精細な)フォントを用意しており、QVGAと同等の文字数を表示する設定にすれば、より美しい表示が可能だ。
また、小さな文字を表示してもつぶれてしまう心配がないので、1画面により多くの情報を表示することもできる。画面の文字は、メニュー/リスト表示では小/中/大の3つ、文字入力とメール本文表示、ウェブ閲覧時は最小/小/中/大/最大の5つの設定が用意されており、さらにそれぞれの大きさで細い/普通/太いの3種類の太さが選べる。
例えばボーダフォンライブ!のホーム画面を最小サイズのフォントで表示すると、主要な項目がほぼ1画面に収まってしまう。下にスクロールする手間が減るため、従来のQVGA画面より少ないボタン操作で素早く項目を選べる。
ちなみにフルブラウザの「jigブラウザ」は、4月18日現在904SHには対応しておらず、VGAの画面をフル活用してPC用のWebサイトを閲覧することはできない。904SHが対応機種リストに含まれていないため、ダウンロードもできない状態だ。一刻も早く904SH、そしてVGAへの対応をしてもらいたいところだ。
さて、画面の解像度が4倍になり、表示が美しくなって、対応アプリケーションも順調に増えているわけだが、肝心の操作性はどうだろうか。
今まで一般的だったQVGA(240×320ピクセル)と比べ、VGA(480×640ピクセル)になるとチップが描画しなくてはならないグラフィックスデータは約4倍に増える。単純に考えても従来の4倍のグラフィックスメモリが必要になるし、処理能力もずっと高いものが要求される。
しかし、動作は903SHと比較しても見劣りすることはない。ボーダフォンライブ!へのアクセスはフォントサイズを小さくしていてもストレスがなく、公式サイトの表示にかかる時間はむしろ速いくらいだ。
試しにボーダフォンライブ!から「ITmediaケータイ版」にアクセスし、画面の表示が完了するまでの時間を計測したところ、904SHは6.4秒程度、903SHでは10.7秒程度という結果が出た。ITmediaケータイ版はVGA向けに別の画像データを用意したりはしていないので、ダウンロードするデータのサイズはほぼ同じで、904SHの処理能力の高さがうかがえる。
メニューの動作も、Flashを用いた凝った動きをするものでなければ、きびきびしており快適に使える。最初にメニューを起動する際や、メニューのトップ画面に戻るときには若干待たされるが、それもいらいらするほどではない。レスポンスの速さを求めるなら、メニューの種類は慎重に選んだ方がいいだろう。
回転2軸型の端末にしては珍しく、背面に情報表示用の小さなサブディスプレイも搭載している。12×72ピクセルで全角6文字まで表示可能なモノクロ液晶には、通常はバッテリー残量と時計、電波の強度が表示されている。側面のボタンを操作すると表示を反転してバックライトを点灯する仕様で、暗所でも表示を確認できる。
なお端末を閉じた状態で、アドレス帳に登録がある電話番号やメールアドレスから着信があった場合は、サブディスプレイに名前を表示する機能も備える。不在着信やメールの数は、個別に表示しておいてくれる。
電話やメールの着信のほか、簡易留守録に要件が録音された場合や、キャスト要求、Vアプリ開始要求、測位要求などがあった場合、メールの送信失敗、アラームの動作なども個別にアイコンで表示する。動作が3種類以上あった場合は、側面の上下キーで切り替えて表示する。
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