ワンセグケータイ「W41H」に隠された秘密:開発者に聞く「W41H」(デザイン・機構編)(1/2 ページ)

» 2006年04月22日 22時00分 公開
[園部修,ITmedia]

 1月19日に発表されたauの春モデルの中で、唯一ワンセグ放送に対応しているのがここで紹介する「W41H」だ。同製品がテレビ機能を重視した端末であることは、端末を見た人には一目瞭然。このデザインが一体どうやって生まれたのか。そして、まるで小型のテレビのような形状はどうやって実現したのか。開発者に話を聞いた。

“ワンセグ対応”を際だたせるテレビスタイル

Photo カシオ日立モバイルコミュニケーションズ戦略推進グループの上島敦彦氏

 auのラインアップでは2台目のワンセグケータイとなる「W41H」の開発が始まったのは、一般的な端末の開発期間である1年よりもさらにさかのぼる2004年頃だったという。日立端末としては初めてのワンセグ対応機ということもあり、指標となる製品や端末が何もない、一からのスタートになった。

 とはいえコンセプトははっきりしていた。「W41Hは、2006年4月1日から始まるワンセグ放送や、秋に導入される番号ポータビリティーをにらみ『AVケータイの日立』というイメージを確立すべく投入した戦略モデル」と話すのは、商品企画を担当した戦略推進グループの上島敦彦氏だ。この“AVケータイ”らしさを出すために、「ワイド大画面」「他社に負けないワンセグ機能」「こだわりのデザイン」という3点を軸に据え、端末の企画を詰めた。

 もともとau春モデルのラインアップは個性派ぞろいだが、それらの中にあってもW41Hは確かな存在感を持つ。その理由は、おそらく携帯端末としては特異なスタイリングにある。W41Hは、auの春モデル中では最大の2.7インチワイド液晶を搭載していて、側面にはワンセグ放送受信用のロッドアンテナを備えている。しかも“HITACHI”のロゴが液晶ディスプレイの長辺側に横向きに印刷されており、液晶を表にして専用スタンドにセットした状態は、まるで小型のテレビのようなイメージなのだ。

 「テレビのようなボディデザインを採用することは、企画のかなり早い段階から決まっていた」と上島氏。W41Hの企画段階のコンセプトを基に、デザイナーが最初に作ったモックアップは、カラーリングや大きさこそ製品版とは若干異なっていたものの、すでにW41Hの基本形はできていた。携帯用のアンテナが内蔵式なのに、ワンセグ受信用のアンテナは外側に出ているのも、あえて“テレビらしさ”を演出するためだ。端末を横向きに置くための充電台も最初からボディに合わせてデザインした。

PhotoPhoto 左はテレビをイメージしてデザインされた初期のモックアップで、右は製品版とモックアップを並べたところ。ワイド液晶やディスプレイの左右にスピーカーを配置したようなデザイン、テレビっぽさを演出するのに一役買っているロッドアンテナ、横置き用の専用充電台などは、当初のイメージがそのまま踏襲されている

高機能端末ならではの悩み

Photo カシオ日立モバイルコミュニケーションズ開発設計本部機構設計グループチームリーダー、上杉雅樹氏

 日立初のワンセグケータイは、同時に日立のフラッグシップモデルとして、可能な限りの機能を搭載する必要もあった。限られたスペースの中に、ワンセグチューナーはもちろん、FeliCaチップや2メガピクセルカメラ、赤外線ポートなども搭載している。そのため、「機構設計にはかなり苦労した」と開発設計本部 機構設計グループ チームリーダーの上杉雅樹氏はいう。

 「まず最初に、ある程度のテレビ視聴時間を確保するため、大きなバッテリーを搭載したモックアップを作った。しかしそれは長さが109ミリもあり、許容できない大きさだった」と上杉氏。その後、長さ109ミリのボディと108ミリの液晶部の組み合わせや、全体を108ミリにしたもの、107ミリにしたもの、106ミリにしたものと、試行錯誤を繰り返して最終的に106ミリにまで小型化していった。「長さを短くすると、幅や厚さに影響が出る。どこかが極端に大きかったり小さかったりしてもよくないので、全体のバランスを考えながら調整を行った」(上杉氏)

 ボディーの底面を丸くするなど、大きな基板を搭載しつつ見た目は小さくする工夫も凝らしている。この丸い底面は、結果的に手に持ったときの握りやすさにもつながっており、エッジが角張った端末と比べてずっと持ちやすい。

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