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» 2006年05月10日 22時43分 公開

孫社長が掲げる“ボーダフォン4つの約束” (2/2)

[ITmedia]
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 他社に比べて見劣りすると指摘されてきた3G端末ラインアップ。「英Vodafoneの意向で世界仕様とか、日本のユーザーには合わないやぼったい、安っぽいのが一時出回った」(孫社長)が、日本のユーザーのニーズを反映した端末作りへ再出発する。パナソニックモバイルコミュニケーションズが参入するほか、国内メーカーが「続々と」参入を予定しているという(関連記事参照)。「端末においても優れている」キャリアを目指す。

 コンテンツ強化には、買収にも参加した国内最大手ポータルのヤフーが協力する。携帯版のYahoo!モバイルは既に月間14億ページビューを抱えており、今後は「Yahoo!オークション」などのキラーコンテンツをシームレスに利用できる仕組みを整える。

 孫社長は、携帯電話によるネット利用の未来を、閉じたネットワークだったパソコン通信からインターネットへ進化してきた歴史になぞらえてみせる。現在は「パソコン通信のようにキャリアに囲われた小さな世界」の「ある意味しょぼいコンテンツ」だが、今後はフルブラウザやHSDPAによるブロードバンド化が進むという。そこでは「ソフトバンクグループが10年蓄積してきたノウハウを徹底的に活かせる」とみる。

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 営業体制の強化では、ボーダフォンショップでYahoo!BBや「おとくライン」を取り扱うなどして総合ショップ化し、例えば「Yahoo!オークションで落札した品物の受け渡し場所など、グループ全体の窓口として強化していく」。法人営業はボーダフォンは100人体制だったが、日本テレコムの1100人を加えて一気に強化できる。

 新ブランドは「きょうの取締役会で一応の結論が出た。近いうちに発表したい」とした。

急激にかつ地道に

 4つのコミットメントは「急激にやる」が、「1年から2年で一気に改善するほど簡単ではない」「『つながりにくい』というイメージはしばらく残るだろう」と効果が出るにはある程度の時間を覚悟する。ただ、孫社長は「10年単位でみた時、解決できない問題はない」と地道に取り組む構えだ。

 収益向上の基本はパケット通信の利用拡大だ。「われわれはボイスではなくデータの会社だと思っている」。キャリア各社のARPUは2Gが6000円程度、3Gが9000円程度だが、「加重平均するとボーダフォンが一番低い。3G率が低いからだ」(孫社長)。3Gネットワークの強化と、魅力的なコンテンツの充実で定額制パケットサービスのユーザーを増やし、「結果としてデータARPUを上げる」という絵を描く。外注していたボーダフォンのバックボーンネットワークを統合するなどし、固定費削減効果も数百億円を見込む。

 「Yahoo!BB」で驚かせた“価格破壊”には今回は慎重。買収資金をノンリコースローン(非遡及型融資)として調達したため、ボーダフォンのEBITDAを低下させる策は打ちにくい事情もあると見られるが(関連記事参照)、孫社長は「価格だけで勝負するつもりはない」とし、あくまでサービスの充実と同社グループのシナジー効果で“使いたいキャリア”に育てる王道で攻める方針のようだ。

 10月には番号ポータビリティ(MNP)が始まり、NTTドコモとKDDIの草刈り場になるのではという懸念もあるが、孫社長は「やる以上は感動、興奮して頂けるものを準備する。MNPのころには具体的に用意する。期待していてほしい」と話した。

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