腕時計型端末に垣間見える“ビジネス”の難しさ:携帯+腕時計の未来を探る(4)(2/2 ページ)

» 2006年07月25日 15時50分 公開
[江戸川,ITmedia]
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 2000年10月に登場したクロノビットは、その2年後となる2002年5月に販売終了となった。補修用部品の保有期間は販売終了後、6年間は有効であるため、2008年までは修理などに対応できるはずだが、海外への展開もなく、活発な中古市場も存在しない中で、現在、日常的に使用するユーザーに出会う確率はまれだろう。

 当のセイコーエプソンは、クロノビットに対してどのような評価を持っているのだろうか。同社広報部に聞いたところ、次のような回答を得た。

 「2年弱での販売終了という結果ではあったが、ユーザーアンケートの結果から機能的なコンセプトは十分受け入れられた。実ユーザーの満足度は高かったことから、基本機能も高く評価されたと実感している。反面、環境面としては、グループウェアは十分普及していたが、携帯端末でスケジュール管理を行うニーズが(当時はまだ)少なかったこと、そして通信が行えないなどパフォーマンスも不十分であったため、広く普及するには至らなかったと評価せざるを得ない」

 つまり製品のできはよかったが、市場そのものが小さかったため、ビジネスとしてはやや残念な結果に終わった、と理解できる。ここでのポイントは“ユーザーの評価は高かった”ということ。すなわちコンセプトは十分に受け入れられたことである。

 では現在、腕時計型端末が狙える市場は拡大したのだろうか。いや携帯電話の急速な普及で、腕時計に対するニーズはさらに小さくなったのではないだろうか。同社からはBT Watchを含め、今後の腕時計型製品投入に関する明快な答えは得られていない。

“健康系”と携帯との融合に明るい兆し

 腕時計型端末の成功が難しい中で、“腕時計型”にこだわる理由はあるのだろうか。もちろんこのことは腕時計メーカーとしては譲れない点であり、「腕時計ならではのメリットがある」(セイコーインスツル、田中淳氏)と胸を張るポイントがある。それは肌に直接触れている、“常時身につけている”という点だ。

 腕時計にセンサーを内蔵することにより、装着するユーザーの生体情報を取り出すことができる。とくに健康機器などの市場で期待される技術で、携帯電話の通信機能と連携することにより、ネットワークを通じて健康管理が行えるようになる。これが実現すれば、魅力的なコンテンツとしてさまざまな分野で使われるようになるのではないだろうか。

 「100年以上の歴史を持つ腕時計。そのため腕時計で情報を得るというスタイルは評価されているし、それをプラットフォームにすることは自然な考えだ」(セイコーインスツル、広富氏)

 このコメントが示すように、腕時計メーカーは端的に市場が小さいので行わないと判断するのではなく、自分らの強みを最大限にいかしつつ次なる模索も当然考えている。今後も腕時計型端末への期待は尽きない。

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