通話料0円、メール代0円、月額利用料0円(加入月から最大2カ月)、パケット定額0円(加入月から最大2カ月)、基本料70%オフ──。この5つの「予想外割」に加わる、もう1つの“予想外”が26日朝、発表された。
最後の予想外としてソフトバンクモバイルの孫正義社長が打ち出したのが“新規/機種変更にかかわらず、新スーパーボーナスへの加入者なら、端末の持ち帰りは全て0円”という施策(10月26日の記事参照)。スーパーボーナスで端末購入時に必要だった割賦金額の頭金を0円にすると発表した。
「すべての携帯機種が0円。おそらく日本の携帯電話業界が始まって以来初めて、おそらく世界でも初めて。私たちは高い携帯電話代を安くしたかった」──。頭金0円の施策を打ち出した背景について、孫氏はこう説明する。
「携帯電話は最初に買うときに1万500円、2万5000円という高い購入費用がかかり、持ち帰りにくい状況があった」(孫氏)。VGA携帯(記事1、記事2参照)や500万画素カメラ付き携帯(9月28日の記事参照)、世界最薄携帯(9月28日の記事参照)などの新端末を投入するにあたり、初期導入時の心理的負担を軽くするのが狙いだ。
これまでにも古い端末などは0円や1円で販売されるケースは見受けられたが、それでも機種変更では2万円3万円があたりまえという状況があったと孫氏は指摘。ソフトバンクの新スーパーボーナスなら、新規も機種変更も0円で持ち帰れる点を強調した。「どこから見ても迷うことがない。新機種も機種変更も全機種0円」(孫氏)
支払期間についても11月10日から、これまでの24カ月(2年)に加え、1年と1年半のプランを導入することを発表。1回当たりの割賦金額を上げて支払期間を短くする。「1年半バージョンは、(予想外割引の基本料金である2880円に)月々数百円を上乗せして払えば(新端末が)手に入る。1年バージョンでは千数百円を上乗せして選べる。お客さんの声に合わせて真っ正面から刻々と進化させるのがソフトバンク」(同)
0円で持ち帰れる仕組みについて孫社長は、「705SH」を例に挙げて説明。新スーパーボーナスは、端末代金を24回の分割払いで支払う仕組みで、端末の分割払いの金額と同額もしくはそれに近い金額をソフトバンクが負担するものだ。705SHでは一括払いで購入すると4万5000円くらいの購入代金がかかり、24回の分割払いにすると月々の支払いは1880円になる。705SHの場合は端末の支払代金と同額の料金をソフトバンクが負担するため、ユーザーは2年間契約し続ければ最も安価なケースでは、予想外割の基本料金2880円のコスト負担で端末を入手することも可能になる。
ただしハイエンド端末では、分割払いの端末価格とソフトバンクの割引価格に差がある場合もあるため、その差額が基本料金に上乗せされるケースもあるという。例えばハイエンドのAQUOSケータイ「905SH」では、分割支払額と割引額の差額にあたる390円が基本料金に追加され、ユーザーはそれを2年間払うことになる。
なお機種変更の場合は、端末を利用した期間によってユーザーの負担額が異なるという。「例えば、ほかの機種を2年間契約していたユーザーが705SHに機種変更すると、3百数十円」(孫氏)。ただ、「2年間端末を利用し続けたユーザーはポイントが貯まっているので、それを使えば1年以上は負担分がかからないだろう」(同)とした。
「500万画素手ブレ補正・光学3倍ズームの端末もいきなり0円で始まるので、デジカメを買いに行く必要がなくなる。VGAハイエンド機種も0円、世界最薄の機種も0円から。0円大好きのソフトバンクは通話も0円」──。こう話す孫社長は、予想外割に手応えを感じているという。「お客さんには十分、買いやすくなったと思う。やってみないと分からないが、十分手応えを感じている」(同)。
ただ、1500万人全員が予想外割を使うと、ネットワークがもたないかもしれないので、徐々に来ていただきたい面もあるともコメントしている。「他社がかけ放題やメール放題をやりにくいのは、もしかしたらそういう背景もあるのかもしれない。あわてて来ないで徐々に来ていただきたいというのも若干ある」(孫社長)
最近スーパーボーナスで端末を購入し、2年間の契約期間があるユーザーに対しても、配慮すると孫社長。「将棋の駒を裏側にすると金になる、“と金”プログラムを準備していて、もうすぐ正式に発表する」(孫氏)
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