クアルコム、“Pre 802.20”をうたうFLASH-OFDMのデモを披露(2/2 ページ)

» 2006年11月01日 23時30分 公開
[園部修,ITmedia]
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静止時で2.24Mbps程度、移動時にも1.5Mbps程度のスループット

Photo 東北大学の電気通信研究所は「光通信発祥の地」だ

 今回のFLASH-OFDMのデモは、東北大学片平キャンパスの電気通信研究所(21世紀情報通信研究開発センター)、宮城県庁、それにソフトバンクテレコムの仙台ネットワークセンターに設置された3つの基地局を利用して行われた。

 東北大学に設置されたアンテナは1セクター分で繁華街に向けて設置され、ソフトバンクテレコムのアンテナは異なる周波数の3セクター、宮城県庁のアンテナはサイマルキャストでセクター分けをせず1つの大きなセルを構成している状態だ。基地局はODNのバックホールとPPPoEで直結している。

PhotoPhotoPhoto デモは3つの基地局が設置されている仙台駅西側の市街地で行われた。「BS#1」が東北大学、「BS#2」がソフトバンクテレコム、「BS#3」が宮城県庁だ(左)。実験は2GHz帯の周波数を利用している。東北大学に設置された基地局の構成は中央の写真のとおりでとてもシンプルなもの。屋内のデモはこの東北大のアンテナがある電気通信研究所の建物内で実施した(右)
PhotoPhotoPhoto 東北大学にある基地局は1セクター分で、仙台駅前の繁華街へ向けて設置されている。送信アンテナは1本だが、受信アンテナは受信ダイバーシティを活用するため2本組み込まれている(左)。基地局は空調の効いた立派な建物に収められている(中)。内部には3G携帯電話とほぼ同じシステムが収められている(右)

 利用する周波数は下りが2171.25MHz、上りが1981.25MHzで、セクターあたりの出力は最大14W。上下1.25MHzずつの帯域を使用し、理論上のスループットは下り最大3.2Mbps、上り900kbpsとなっている。

Photo デモの説明をする伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)テレコム企画開発部ネットワーク企画課課長の長谷川真一氏

 まず屋内で行ったデモでは、802.11g対応の無線LANルーターにPCカードタイプのFLASH-OFDMカードを装着してWAN側をFLASH-OFDMに設定し、PCから無線LAN経由でインターネットにアクセスしてスループットを計測した。この時は建物の中で、さらに屋上にあるアンテナの直下という、必ずしもベストな位置ではなかったが、「goo スピードテスト」を利用したダウンロード速度は2.24Mbpsを記録した。

 次にFLASH-OFDMのPCカードをノートPCに直接接続して、同様にgoo スピードテストでデータのダウンロード速度を計測したところ、2.31Mbpsをマークした。1Mbpsの動画ファイルをストリーム再生するデモも行ったが、コマ落ちすることもなく、再生するより速くバッファリングしてスムーズに再生していた。ベストな環境では、静止時で2.7Mbps程度のスループットが得られるという。

PhotoPhoto 無線LANルーターにFLASH-OFDM対応のPCカードを装着して、無線LAN経由でインターネットにアクセスしてダウンロード計測した結果が左の写真。速度は2.24Mbpsを記録した。PCにFLASH-OFDM PCカードを装着して行ったテストでは、ダウンロード速度は最大2.31Mbpsまで上がった

 その後、仙台市内を車で移動しながらインターネットに接続したり、宮城県庁局の周りを巡回している別の車とSkypeを使って動画と音声の送受信をしたり、サーバーにアクセスして動画をストリーム再生したりするデモも披露。車は幹線道路を時速50キロ前後で走りながら、複数のセクター間を移動してハンドオーバーのスムーズさとスループットの高さを実アプリケーションで実証して見せた。

PhotoPhoto 移動時のテストに使用した車。車外にアンテナを用意し、PCカードに接続してあった

 移動時のダウンロード速度は、基地局からおよそ4キロほど離れた地点においてgoo スピードテストで1.54Mbpsを記録し、Webサイトの表示にも特にストレスは感じなかった。

PhotoPhotoPhoto 走行デモを行ったコースの説明(左)。実際には時間の関係で5キロ先までは行けず、4キロほど離れた地点で折り返して戻ってきたが、十分その実力を実感できるものだった。基地局から4キロ地点を時速50キロで移動中のデータ転送速度はおよそ1.54Mbps(中)。ITmediaのWebサイトもすんなり表示される(右)
PhotoPhotoPhoto 基地局との通信状態を監視しながらSkypeを使って映像や音声を常に送り続けていたが、ハンドオーバーのタイミングでも映像や音声に乱れはなかった。FLASH-OFDMでは、基地局からの電波を2つ受信することができるため、状況によっては送信と受信で別々の基地局からの電波を使う場合もある

 川端氏は「1.25MHzでこのダウンリンク速度を実現できるのはFLASH-OFDMならでは。モバイルWiMAXが利用している10MHzよりずっと少ない帯域で同等のスループットが得られる」とその周波数効率の高さをアピールした。

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