au公式SNS「EZ GREE」スタートで、GREEはこう変わる (2/2 ページ)

» 2006年11月16日 09時26分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]
前のページへ 1|2       

携帯サービスに本格進出することで、GREEはどう変わる?

 携帯版のみで利用できるサービスを揃え、また、auの公式コンテンツとなることで、本格的な携帯向けSNSの提供に乗り出すことになるグリー。今後、グリーはどう変わっていくのだろうか。

 現在グリーの登録ユーザー数は約35万人(2006年8月の数字)だが、ほとんどがPC版をメインに利用するユーザーだ。「今回の新サービスでは、携帯“だけ”の人のためのサービスに注力した。携帯のみで利用しているユーザーはまだまだ少数派だが、今後急激に増えるだろう」と田中氏は話す。またGREEには年齢制限がないため、現在20代半ばであるユーザーの平均年齢が下がるだろう、とも予想している。

 ユーザー数の増加に加え、1人あたりのログイン回数や滞在時間の増加にも期待する。「PCの前に一日張り付いていられる人ばかりではない。一般的に、PCよりも携帯の方が頻繁に見る機会が多いはず。見やすくなることで、ログイン回数が増えるだろう」(田中氏)

 グリーでは、携帯“のみ”のユーザーの増加、また利用者の若年化に伴う対策として、ユーザーのトラブルを監視する体制を整えた。「監視システムを作り直した。24時間有人監視に近い体制になっている。とはいえ、すべての内容はチェックできないので、何かあったときにユーザーから通報する機能も付けている。PC版にもこの機能はあるが、携帯ではさらに強化している」

photo 従来の携帯向けGREEと、EZ GREEのトップメニューの比較。従来はPC用トップページをそのまま小さくしたような印象だったが、EZ GREEではずいぶん印象が変わっている
photo トラブルがあったときのための通報機能。「ただ、今のところは深刻なトラブルはほとんど起きていない」(田中氏)

“携帯ならでは”のGREEとは?

 3キャリアに携帯用サービスを提供するグリーにとって、auの公式コンテンツになることのデメリットはないのだろうか。

 「携帯事業を本格的にやるには、やはりキャリアと一緒にやらないとできない部分があると感じていた。EZニュースフラッシュに(GREEの新着情報を)表示するような機能は、公式コンテンツだからこそできること。ただし、基本的な機能は3キャリアどこでも使えるようにしていく方針なので、そんなに差をつけるつもりはない。ユーザー側から見て、使える機能や使えない機能がありすぎてはいけない」(田中氏)

 また公式コンテンツとなることには、ある狙いがあるという。「たとえば、キャリアのコンテンツに、SNS的要素である参加型サービスをどう付けるか、といった試み。(グリQのように)キャリアの公式サービスとして、Wikipediaを取り込んだというのは、おそらく初めてではないか。携帯のみのサービスを開発するに当たって意識していたのは、SNSに(他の機能を)取り込むのではなく、他の機能にSNS的要素を付けたらどうなるかという考え方。たとえば(ゲームにSNSが付くことで)一緒にゲームができる友達を作ることとか、(グリーがデコメ素材を提供することで)デコメを送れる友達を作るとか。SNSができることというのは、きっとそういうこと」(田中氏)

 モバイル専属スタッフがいるわけではなく、社内で手分けしてモバイル向けコンテンツを作っているという。携帯向け新コンテンツのうち、ゲームなどの開発は外部に委託しているが、「グリデコ」の素材は自社で製作している。PC向けSNSとして歩んできたGREEだけに、携帯向けコンテンツを開発するにあたっては、驚くことも多かったようだ。

 「デコメ素材を作るために、女子高生にリサーチしたのだが、そのときに思わぬことを言われた」と田中氏は振り返る。「素材を見せると、“地味すぎてだめ。もっと姫っぽくないと!”って怒られるんですよ。それで、姫・セレブ系というのを作りました(笑)」

女子高生に怒られて派手にした、という「グリデコ」のデコメの一例。グリデコは、デコメ/デコレーションメール用素材を無料でダウンロードできるサービスで、3キャリアの携帯で利用できる。「若い子のセンスって、実は結構2ちゃんねるっぽいんですよね。異端だと思っていたけど、実は最先端だったのかもしれない。2ちゃんねるはあなどれないなあ!と思いました」(田中氏)

関連キーワード

au | デコメール | GREE(グリー) | KDDI | SNS


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年