MNP前後のコンテンツ利用はこう変わった──KDDI竹之内剛氏:mobidec 2006(1/3 ページ)

» 2006年12月01日 22時06分 公開
[青山祐介,ITmedia]

 mobidec 2006のセミナーで「KDDIのコンテンツ事業戦略」と題し、EZwebとLISMOを中心にコンテンツビジネスについての講演を行ったKDDIのコンテンツ・メディア事業本部コンテンツ・EC本部コンテンツ推進部長、竹之内剛氏。番号ポータビリティがスタートして1カ月、コンテンツ利用への影響を交えて、改めてケータイコンテンツが、我々ユーザーの生活スタイルを変えてきていることを語った。

元ドコモユーザーは実用系、元ソフトバンクユーザーはエンタメ系

Photo KDDI コンテンツ・メディア事業本部 コンテンツ・EC本部 コンテンツ推進部長の竹之内剛氏

 竹之内氏はまず、番号ポータビリティ(MNP)開始から1カ月が過ぎたauの概況について説明した。単月シェアでは、auは2005年の7月以来16カ月連続で純増数首位をキープしており、特に2006年10月は番号ポータビリティの影響もあり、単月シェアで75%を獲得したという。またその純増の多くはWINの契約者で、すでに1000万人を超えており、「ダブル定額」や「ダブル定額ライト」といった定額サービスのユーザーは、すでに契約率が8割にも達している。

 現在、コンテンツのARPUは500円弱となっているが、ターゲット層の拡大や定額制の導入により着実に上昇している。やはりパケット通信料の定額サービスの影響はかなり大きいという。また、データARPUも順調に推移している。2004年第1四半期以降、ドコモのデータARPUが下がったことと、auの定額制導入効果でARPUが上昇したことから、2005年8月にドコモに追いついた。その後着実に上昇を続け、現在は2000円となっている。

PhotoPhoto auの純増数は2005年7月以来ずっと首位をキープ。番号ポータビリティ開始後も好調だ。WINの契約者も2006年9月に1000万人を超えた。定額制契約者も8割前後で推移している
PhotoPhoto コンテンツARPUはおよそ500円弱。ダブル定額の導入と着うたフルの開始により上昇が続いている。データARPUの高さはドコモを上回る

 auのコンテンツビジネスは拡大傾向にあり、現在は1四半期で約300億円、2006年8月には月間で100億円の売上げを達成している。auでは利用者に安心してコンテンツを購入してもらえるよう、いろいろなプラットフォームを整備し定額制を進めてきた。これによって、コンテンツの購買がどんどん増えるという好循環をもたらしている。

 ケータイコンテンツとして流通額のトップを占めてきた「着うた」や「着ムービー」は、2006年8月にその座をゲームに明け渡した。2番手となった着うた・着ムービーの流通額はほぼ横ばいで、その後には、音楽や映画といったエンタテインメント情報が続く。また、現在は4番手ながら、「着うたフル」の伸びが著しい。また、「EZブック」は流通額こそ少ないものの、現在とても伸びている分野だという。

Photo コンテンツの流通額ではゲームが首位。それに着うた・着ムービー、エンタテインメント情報、着うたフルと続く

 ここで興味深いのが、番号ポータビリティが始まって約1カ月のコンテンツの利用状況だ。番号ポータビリティでauに移ってきた利用者の動向を見ると、まずは着うたフル、ゲームといったエンタテインメント系のコンテンツを購入するユーザーが多いという。また、既存のauユーザーと番号ポータビリティで転入してきた利用者とでは、今のところ他社から移ってきた利用者の方が、コンテンツを購入する数が多いという。

 

 またKDDIでは当初、ドコモから転入してくる利用者は、音楽系コンテンツを中心に購入すると予測していたが、ふたを開けてみると「交通」「天気」といった実用系コンテンツを購入するケースが多いという。一方、ソフトバンクから転入した利用者は、ゲームや音楽といったエンタテインメント系のコンテンツを中心に購入しているそうだ。それぞれドコモ、ソフトバンクで購入していたジャンルのコンテンツを、そのまま継続的に購入しているのだと、KDDIでは分析している。

“音楽=au”というイメージが定着

 対応端末の普及に伴い、ダウンロード数も着実に増加している着うたフル。現在、対応端末はすでに1000万台を超えており、累計ダウンロード数も10月末に7800万件を超えた。また日本レコード協会の調査によると、2006年1月から9月までのCDシングルの生産枚数が6000万枚弱なのに対して、「着うたフル」のダウンロード数は5000万件弱と、CDシングルの生産枚数に迫るほど市場規模が拡大していることが分かる。CDのプレス枚数も最近は再び拡大基調にあり、それは「確実に、音楽というところでCDの販売と着うたフルがうまく連携して、シナジーを発揮している」ためだと見ている。

 2006年1月から開始した「LISMO」サービスも、au Music Player、au Music Port、そして楽曲配信サイト「LISMO Music Store」の強力なプロモーションにより、“音楽=au”のイメージが定着してきたという。事実、KDDIの調査によると、「『音楽』で最初にイメージするケータイ会社は?」という質問に対して、auを想起したユーザーは約75%。竹之内氏は「音楽=au、という感覚で捉えられている」と話す。

 また同氏は、約122億円ある日本の音楽配信市場のうち、PCは約12億円で全体の約10%しかなく、残り約90%の約109億円は着うたフルなどのモバイル配信によるものであることを紹介。音楽は携帯電話で購入する人が圧倒的に多いとした。

 さらに、auの携帯電話を購入したユーザーに対して行ったアンケートによると、「LISMOがケータイ選びのポイントとなった」と答えたユーザーは、全体の約75%にも及ぶ。中でも、選んだポイントとして「CDから取り込んだ楽曲をケータイ&PCで再生・保存できる」「ミュージックプレーヤーとしての機能が充実した」という選択肢を挙げた回答者が全体の7割前後と、ポータブルミュージックプレーヤーの消費者ニーズとも合致しており、「音楽=auという図式が、ユーザーのコンテンツ購買を担っていく」(竹之内氏)と話した。

PhotoPhotoPhoto 着うたフルは対応端末が1000万台以上あり、累計ダウンロード数は7800万を超えた。2006年1月から9月までの着うたフルのダウンロード数は、CDシングルの生産枚数が6000万枚弱に匹敵する。音楽配信市場は携帯電話がPCを大きくリード。市場では「音楽といえばau」というイメージも定着しており、LISMOは携帯選びの重要なポイントになっている

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