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» 2006年12月06日 23時12分 公開

携帯のFlashにもたらされる大きな変化──米Adobe Systemsムラーカ氏に聞く(2/2 ページ)

[原一浩(FXB),ITmedia]
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携帯端末向けにコンテンツをプッシュ配信する「FlashCast」

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ITmedia 次はドコモのiチャネルにも採用されている「FlashCast」の話をお聞きしたいと思います。携帯に、Flashコンテンツをプッシュ配信するFlashCastとはどういったものですか? Flash Liteとの違いはどういった部分にあるのでしょう。

ムラーカ氏 FlashCastはFlashの技術を使ったものですが、それ以外にも別の技術を持っているアプリケーション、またはサービスであると考えてください。一方で、Flash Liteは携帯デバイス上で稼動するクライアントソフトウェアだけであると考えていただければいいと思います。FlashCastは、クライアントソフトウェア、サーバ、そしてオーサリングツールが用意される大きなシステムになります。つまり、FlashCastはFlash Liteのエンジンが入っているアプリケーションということになります。

ITmedia FlashCastは、Flash Lite 2.0搭載端末であれば利用可能なのでしょうか。

ムラーカ氏 技術的には可能です。ただFlashCastのサービス自体は、端末メーカーやキャリアが提供するかどうかを決めなくてはなりません。現在日本で発表されているFlash Lite 2.0搭載端末は、FlashCastのサポートに必要なすべてのハードウェア的な用件を満たしていますが、サービスはキャリアが提供するものになります。ですので、ドコモ以外のキャリアへの採用も積極的に働きかけています。

ITmedia 個人がFlashCastを用いてコンテンツを配信するようなことは可能になりますか?

ムラーカ氏 コンテンツを作るプロセスは非常にシンプルですが、配信までは難しいでしょう。つまり、個人レベルでもコンテンツの作成は可能ですが、実際にチャンネルをパブリッシュ(配信)するということになりますと、キャリアとのビジネス上の関係が必要であり、配信用のサーバーのことも考えなければならないという状況になります。今ドコモさんがiチャネルをどのように作っているかということを考えていただければいいと思います。iチャンネルのコンテンツは、バンダイネットワークスやJストリームなどがコンテンツを集めてホスティングしています。

ITmedia 電波の強度、バッテリー残量などの情報を取得してFlash待受画面上に表示したり、時刻や天気、位置情報などを元に待受画面の天気や絵柄を変えたり、待受画面をタブ形式にして好きな情報を配置できたりする「アクティブホームスクリーン」もとても興味深いものです。これはすぐにでも端末に載せられる技術なのでしょうか。FlashCastとは異なるものなのですか?

ムラーカ氏 アクティブホームスクリーンとFlashCastは異なるものです。Flash LiteとFlashCastはすでにリリースしている製品ですが、アクティブホームスクリーンは、FlashCastの技術を用いることで将来携帯端末で実現できる機能です。1年後、2年後には、端末の機能は間違いなく進化しています。その頃、キャリアはおそらく単純な技術よりも、アプリケーションやサービスをより重視していると考えています。

 アクティブホームスクリーンは、FlashCastとは別のソリューションとして、キャリア向けに提供できればと考えています。おそらく来年には完成していると思いますので、その際には改めて披露させていただければと思います。また、アクティブホームスクリーンの技術は、コンテンツをバックグラウンドで収集し、サービス圏外でもコンテンツが楽しめる「On-Deviceポータル」という形で利用されるかもしれません。我々はより柔軟性のあるフレームワークを作るため、今FlashCastのリデザインを行なっています。現状のFlashCastの延長線上にアクティブホームスクリーンがあると思ってください。

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11月30日の記者説明会で示された「アクティブホームスクリーン」のデモ。待受画面が動くのはもちろん、半透過のメニューが立ち上がり、メール機能などにアクセスできるほか、メールアイコンには未読メールが何通あるかなども表示できる(撮影:FXB

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アクティブホームスクリーンを応用した「On-Deviceポータル」のデモ。コンテンツはバックグラウンドでダウンロードされており、ユーザーは待たされることなく見たい情報にすぐアクセスできる。嗜好に合わせたコンテンツ配信などにも対応する(撮影:FXB

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アクティブホームスクリーンを用いた待受画面。日本なので背景に富士山があり、当日は曇天だったので雲がたなびいている。メニューのUIは容易に変更でき、同じ内容でもユーザーに合わせて異なる見せ方をすることが可能だ(撮影:FXB

Flash Liteはディスプレイがあるデバイスに広く採用されていく

ITmedia Flash Liteは今後どうなっていくのでしょうか。携帯電話以外の、ディスプレイを持った小型のデバイスも当然ターゲットになっていくと思うのですが。

ムラーカ氏 そうですね。実際、カーナビゲーションシステムなどではUIにFlashを採用しているものもあります。プレイステーション3(PS3)やプレイステーションポータブル(PSP)などもFlashの技術を採用していますし、今後もさらにそういったデバイスは増えると考えています。我々としては、まず最初のフォーカスとして、世界で8億台が稼働しているといわれる携帯電話を選びました。次は、おそらくデジタルテレビなどだと考えています。プラズマテレビや液晶テレビ、DVDプレーヤーやDVDレコーダーなどはざっと2億5000万台から3億台の市場があります。

ITmedia PCで行ったような、Flash Liteのブランディングを行うような計画はないのですか? 多くのユーザーは、携帯電話のUIや待受にFlashが使われているとはあまり意識していないと思います。

ムラーカ氏 確かにPC上のWebコンテンツではMacromediaやFlashのブランドを展開しました。しかし、携帯端末でそれをやるつもりはありません。我々は技術を提供しますが、ユーザーのみなさんが携帯の画面がどういった技術で動いているか、といったことを知っている必要はないでしょう。あくまでもお客様のブランドでサービスを提供していただくべきだと思っています。



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