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» 2006年12月11日 20時04分 公開

高機能路線からデザイン重視へ――韓国メーカーの動きITU TELECOM WORLD 2006

携帯業界で勢いのあるSamsungとLG電子。ITU TELECOM WORLD 2006の展示は、これまでのスペック競争から、デザイン競争へと変化した。

[山根康宏,ITmedia]

 ITU TELECOM WORLD 2006の会場内で、韓国のSamsung、LG電子は並ぶように展示ブースを構え、ほかの企業を圧倒する大規模な展示を行った。これまでは展示会ごとにカメラの画質や付加機能を向上させた新モデルを発表し、端末の高機能化を推し進めてきた両社だが、今回の展示で目立ったのは機能ではなく“デザイン”だった。

photo 他社を圧倒する大型ブースを構えるSamsungとLG電子

Samsung、「Ultra Edition」シリーズの最新モデルを発表

 Samsungは、厚さ10ミリ前後の超薄型端末シリーズ「Ultra Edition」の新モデルとして、「Ultra Music(SGH-F300)」「Ultra Video(SGH-F500)」「Ultra Messaging(SGH-i600)」の3機種を展示した。実際に触ることができたのはUltra Messagingのみで、残り2機種はショーケース内でのモックアップ展示のみとなった。

 Ultra Musicは約103.5×44×9.4ミリと、10ミリを切る薄さのGSM端末。FMラジオチューナー、100Mバイトのメモリを内蔵し、microSDカードスロット(最大2Gバイト)を搭載する。BluetoothはA2DPに対応し、操作キーは音楽再生を重視したレイアウトになっている。再生可能なフォーマットはMP3/AAC/AAC+/eAAC+/WMA。搭載カメラは有効約200万画素で、USBポートを備えている。

 Ultra Musicと同等のスペックながら、ビデオ機能を強化したのがUltra Videoだ。ビデオ再生はMPEG4、DivX、WMVに対応する。サイズもUltra Musicと同等だが、液晶部分が前後に90度ずつ回転する構造を採用しており、メディアプレーヤーとしての使い勝手を向上させている。Ultra Music、Ultra Videoともに2007年1月に発売予定で、価格は未定だ。

 Ultra Messagingは、OSにWindowos Mobile 5.0 for Smartphoneを採用し、QWERTYキーボードを搭載している。GSM版として発売中の「SGH-i320」を、HSDPA/W-CDMAに対応させたもので、Push E-mailやRSSリーダー機能を備える。発売は2007年第一四半期を予定。

photo Ultra Editionシリーズの回りは、常に込み合っていた
photo Ultra Musicの外観は、携帯というよりも音楽プレーヤーそのもの。この薄さで100Mバイトの内蔵メモリや、ステレオ対応のBluetoothを搭載する

photo Ultra Videoは液晶部分が前後に90度ずつ回転する
photo Ultra Messaging(右)は、GSM版として発売中のi320(左)のHSDPA/W-CDMA対応版。前面にもカメラを搭載したほか、キーデザインなどに変更を加えている

チョコレートフォンを充実させるLG電子

 LG電子は世界的にヒットしている「チョコレートフォン」こと「Black Label」シリーズを中心に展示を行った。特に注目を浴びたのは2007年初頭に発売予定のプレミアムカラーモデル「chocolate Gold」「chocolate Platinum」の2機種。QVGA液晶や有効約200万画素カメラを搭載するなど、端末自体の機能を強化している。なおGoldモデルは、メタリックな部分に純金メッキを施した限定モデルも発売予定だという。

 3G端末のラインアップは、HSDPAに対応した「U320」も展示。香港のHutchison Telecomから発売された最新機種で、190Mバイトの内蔵メモリを備え、SIMカードは大容量のMegaSIMに対応する。端末のデザインはチョコレートフォンと同じピアノブラック調で、音楽再生用のタッチパッドをサブディスプレイ下に装備する。

photo チョコレートフォンは4色のカラーバリエーションごとにブースを分けて展示
photo プレミアムカラーの「chocolate Gold」
photo HSDPA対応の最新端末「U320」はチョコレートフォンと同じデザインを採用する

次のステップはデザイン競争

 SamsungのUltra Edition、LG電子のBlack Labelともに、両社が展示のメインに位置づけたのはデザイン重視の端末だ。高機能をうたったハイエンド端末も展示していたが、機能だけを目立たせてはおらず、薄さやカラーリングなどのデザインを前面に押し出していた。

 カメラの画質、ステレオや重低音対応などのスピーカー品質、HDD搭載など内蔵メモリ容量の増加など、両社の端末はすでに十分すぎる機能を備えた端末が多い。これ以上高機能化を実現しても、ユーザーがそれを選択基準にするとは限らず、むしろオーバースペックと価格の高さがマイナス面となってしまう恐れもある。

 両社の新モデルは、スペックを見ると十分な機能を備えているものの、そこに先進的なデザインを加えたことで、他社と差別化できる競争力を持ったものに仕上がっている。また、Ultra EditionやBlack Labelというシリーズ名を大きくアピールすることで“デザインに優れた端末”としての認知度を向上させられるだろう。HSUPAやWiMAXなど最新技術への対応のみならず、今後は両社の端末デザインにも注目が集まりそうだ。

photo HSDPA対応、DVB-H方式の携帯向けデジタル放送に対応した「SGH-P940」も、超薄型端末シリーズの一環として展示されていた
photo LG電子ブースで参考出展されていたWiMAX対応のPDA型端末。こちらもチョコレートフォンと同じデザインを採用している

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