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» 2007年02月09日 23時59分 公開

割賦販売が100%になったら、SIMロック解除も検討しうるが──ソフトバンク孫社長(2/2 ページ)

[ITmedia]
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ブランドイメージは大きく向上──量販店でのシェアも2倍以上に

 ボーダフォン時代から、auやドコモと比べて弱いとされていたブランドイメージも、好感度の高いテレビCMなどを積極展開したことで大きく向上している。CMデータバンクによれば、11月のCMブランドイメージ調査で、ソフトバンクモバイルのテレビCM「予想外 スパイ全員編」が4398作品中1位、12月のCMブランドイメージ調査でも「ブラッド・ピット インド編」が4377作品中2位を獲得しており、孫氏は「ボーダフォンジャパンの時代にはなかったことだ」と笑顔を見せた。

 また、端末の種類や色数を増やすだけでなく、量販店との強固な関係を生かして売り場を改装したことで、量販店でのプレゼンスも飛躍的に向上した。かつてフロアの片隅にあったボーダフォン端末の売り場は、今や多くの店舗で入口近くのスペースに移っており、面積も大幅に広くなって、「ソフトバンクコーナーに多くのお客様が来てくださるようになった」と孫氏。売れ筋端末の在庫も極力切らさないよう注意しているという。

 かつては十数パーセントしかなかった家電量販店店頭での端末販売数量シェアは、2倍以上に拡大した。「同じ売り場に3社が競合して入っている量販店において、半年間でシェアが倍増しているのは非常に喜ばしいことだ」(孫氏)

PhotoPhotoPhoto 好感度の高いCMなどにより、ブランドイメージは大きく向上しているとする。量販店では売り場の改善を行い、販売シェアを2倍以上に伸ばした

 さらに、2月10日には原宿に日本最大級の売り場面積を持つ旗艦ショップ「ソフトバンク原宿」をオープンすることを明らかにした。原宿の表参道沿いにあるアルテカ原宿プラザに開設されるこのショップは、ソフトバンクショップの本店になる。

3Gネットワークは計画通り4万6000局以上を開局予定

 11月8日に開催した中間決算発表では、基地局の展開スケジュールに若干の遅れが出ており、「目標達成が数カ月遅れてもあまり責めないでいただきたい」(孫氏)と、少々弱気の発言も出ていた基地局の展開は、4万6000局分の用地確保などはすでに済んでおり、「99%開設できる状態」(孫氏)になったという。

 2月8日現在、開局済みの基地局は2万6200局で、9月末の2万4539局からは1661局しか増えていない。しかし、すでに着工している基地局が1万4050局、用地を確保が済んでいる場所が5870カ所あるとのことで、すべて足すと4万6120局となり、2007年度の上期中には当初掲げた目標を達成できるとの見通しを示した。

Photo 基地局はすでに4万6000局分の“用地確保”までは終わっている

 目標達成後も、基地局の建設をやめるわけではなく、つながりにくい場所はどんどん改善していくと孫氏は話した。ネットワークの満足度は、2006年6月と比較すると17ポイント上ったという。

「Yahoo!ケータイ」導入以降はコンテンツ強化も順調

 ボーダフォン時代は、契約ユーザーが3キャリア中で最も少なかったために、提供されるコンテンツも少なかった。しかし、ソフトバンクモバイルになって、Yahoo!へのリンクを設けたことで、コンテンツの利用度合いは大きく促進されている。

 孫氏が「PC上で実現されているものとほぼ同等の体験が得られる」とうたうYahoo!ケータイは、今やソフトバンク端末のユーザーの多くが利用するポータルサイトとなっている。Yahoo!ケータイのトップページへのアクセスは、Yahoo!モバイルへのリンクがメニューリストのトップに設置される前の6月末の時点と比べると、約45倍に増えた。

 「今後もソフトバンクグループのさまざまなサービスやコンテンツを提供していく」(孫氏)。また、業界の枠を越えたさまざまな連携も推進していく考えを示した。

「SIMロック解除は通信料と端末代がアンバンドルされてから行うべき」

Photo

 また今回は、現在総務省のモバイルビジネス研究会などで議論されている販売奨励金やSIMロックについての発言も多かった。

 プレゼンテーションの中で孫氏は、「新スーパーボーナス」という割賦販売方式を導入した理由を「端末は端末で顧客に正当な代金を支払っていただき、通信料金は安くするという世界的により一般的な売り方、より正常な販売方式にしたいと考えたから」だと話した。「日本特有の、1台あたり4万円前後の販売奨励金を払う商法はあまり正常ではないかもしれないと思っている」と孫氏。携帯電話事業に参入するに当たり、従来通りの売り方でいいのか、いろいろ検討したという。

 「一部の3カ月や6カ月、1年未満といった短期間で機種変更するユーザーには、4万円近い販売奨励金を出すことで、端末を赤字で提供することになる。中には端末をコレクションのように集めているユーザーもいると聞いている。一方2年、3年と長期間使ってくださるその他大勢のお客様には、その赤字を埋めるための高い基本料金、通話料、通信料を強いるというしわ寄せが行っているのではないかと考えた」(孫氏)

 その結果導入された新スーパーボーナスは、端末代金と基本料金や通話料を分けて、その分を顧客に還元できるシステムだという。3カ月ごとに乗り換えるようなユーザーにかかるコストを減らすことで、基本料や通話料が減らせるというわけだ。

 ちなみに現在端末購入者の約8割が新スーパーボーナスを利用しているという。これによって端末販売モデルが正常化され、頻繁に買い換えるユーザーが得をするという不公正が是正された上、端末コストが確実に回収できるようになったと孫氏は見ている。また割賦販売は長期ユーザーの獲得にもつながり、解約率の改善につながることから、純増数の増加も新スーパーボーナスによる効果が一部あるとの考えを明らかにした。

 なお、単なる割賦販売ではユーザーに負担が増えたという印象を与えるが、長期間利用するユーザーには特別割引を提供していることから、「他社の販売モデルと比べても十分魅力的である」と孫氏は話した。

 一方SIMロックの解除については、「中長期的に見るとある意味正しいやり方の1つであり、そういったニーズがあるということに対しては、謙虚に耳を傾けるべきだと思う」(孫氏)としながらも、割賦販売ではない方式でソフトバンクの端末を購入するユーザーも2割程度いるため、すべてのユーザーが割賦販売を利用するようになるまではSIMロックを外すのは難しいとの考えを述べた。

 「割賦販売が10割になれば、SIMロックを外すことは可能かもしれない」と孫氏は話す。しかし、2割程度とはいえ販売奨励金を受けて端末を買っているユーザーがいる現状では、「SIMロックがなくなれば、4万円の販売奨励金によってタダ同然で端末を手に入れた顧客が、翌日それを外国に持って行って数万円で売却するといったことが起こりうる」という。

 「(現状の販売モデルのまま)SIMロックがない端末を発売したら、おそらく膨大な数が売れ、世界中に3G端末が無料で輸出されるようなことになるだろう。そんなことになれば、あっという間に携帯キャリアの経営は吹っ飛んでしまう。SIMロックをなくすためには、端末の適正なコストが顧客に認識され、割賦販売であれ何であれ、通信料と端末代金が“アンバンドル”される必要がある」(孫氏)

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