最強女性チームが磨き上げた“オンナゴコロ”の神髄開発チームに聞く「W51P」(3/3 ページ)

» 2007年03月01日 19時27分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
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でも中身は“結構カワイイ”

 W51Pのテーマの1つが女性の深層的な2面性。外観だけでなく、内部コンテンツにも“オンナゴコロ”をくすぐるものを用意した。そして、これが“……でもカワイイ”を表現するという仕掛けだ。

 「“オトナの女性というけど、実は内面は結構カワイイよ”を表現できるコンテンツを用意しました。ブランドモノを持っていたり、スーツを着ていたり。外見はオトナの女性。でもバッグの中から意外とカワイイものが出てきたり。それが内蔵コンテンツのポイントです」(パナソニックデザイン社 内蔵コンテンツ担当の宮形春花氏)

photophoto シルエット(クレマチスホワイト、カランサブラウンデフォルト)、マシュマロ、ソラの4種類を用意する。左はLipinus Pink+ジュエリー、右はクレマチスホワイト+ソラのテーマに設定した例

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●開くごとに背景イメージがランダムに変化するデジタル時計など、内蔵コンテンツにも“オンナゴコロ”が盛り込まれる

photo 4種類のテーマから好みのものを選べる。例えばシルエットは、全40パターンの中からアニメーションがランダム再生され、時間帯により色が変わる待受、開くたびに色が変わるメニュー画面を用意する

 W51Pはクレマチスホワイト、ルピナスピンク、カランサブラウンという3色のボディカラーを用意し、その中にソラ、シルエット、ジュエリー、マシュマロと計4種類のテーマを内蔵する。色によりデフォルトのテーマを変え、中と外のデザインを統一化しつつも、その内面の“……でもカワイイ”を演出する狙いがあるという。

 例えば、宮形氏が特にこだわったという“ソラ”というテーマがある。

 「きれいな写真、というオトナな感じのものの上に、落書きをした……というちょっとした遊び心を表現しました」(宮形氏)

 「男性には分かってもらえないかもしれない。“でも、ワタシがカワイイと感じられればそれでいいの……”と、多くの女性が思っていただけるような、絶妙なバランスが成り立っていると思います」(大西氏)

 待受アニメーションは端末を開けるたびにランダムで変わり、時間帯によって空の色なども変化していく。メニュー画面のデザインも待受と同様に時刻と連動して背景色が変化し、項目を移動するたびに何らかのイベント──鳥が飛んでくる、などが発生するようになっている。

 例えばこの鳥の飛び方の表現や動きも、ユーザーが“気持ちいい”と思ってもらえるようなラインを描くよう、時間をかけて微調整を繰り返しながら作成した。画面の遠近を表現するため、手前から奥へ飛んでいくように見せるにはどのような動きがよいか──などの細かい部分まで“オンナゴコロ”へのこだわりが盛り込まれている。

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 「開けるたびにランダムでアニメーションが変わります。開けた瞬間に“虹”がパァーとかかったり、“リス”がひゅっと横切ったりということもあります。とたんにハッピーになることもあるかもしれませんよ」(宮形氏)

 私など「言われなければ絶対分からない」と断言できる、とっておきの秘密も教えてくれた。

 「そう。このクローバーも、ふと“四つ葉”になったりします」(宮形氏)

 メニューの“Hello Messenger”にフォーカスを当てると、丘の上に三つ葉のクローバーが生えているアニメーションが表示される。それが、ごくたまに“四つ葉”になるという。

photophoto “四つ葉”が出たら、その日はきっとハッピーになれることでしょう

 「ちなみに待受でもごくたまに出ます。“ごくたまに”です(笑)」(宮形氏)


 これらテーマは、「固定メニュー」の設定項目から一気に変更できるようになっている。

 ダイヤルキーのショートカットだと、[3]……。えぇと……

 「ショートカットで示すと“M [3] [4] [*](1〜4)”となりますよ」(細井氏)

 「そんな“暗号”は使いませんよっ!(笑)」(大西氏)

 「そのほかの隠しイベントも、“メニューの341”とか言っているようじゃ気がつかないかもしれませんね……(哀)」(宮形氏)

 ……私はもちろん、同社男性技術陣の方らも含め、“オンナゴコロ”への理解はまだまだ修行が足らないようだ。

“オンナゴコロ”は奥が深い

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 さて、2月2日から順次発売されたこのW51P、量販店の携帯コーナーなどで真っ先に手に取る女性(ちょっとおませなお子様も含めて)をよく見かける。

 スペックとして見ると他社製2007年春モデルに搭載されるauの新機能やサービスに対応せず、1世代前のソフトウェアをベースに開発されているようだが、その云々は、同社がターゲットとし、本機を望むユーザーにはおそらく大きくは関係ないようだ。GfKによる端末販売ランキングで本機は、想定ターゲットがある程度絞られる機種にもかかわらず5位にランクインした。ここからも、いかに想定ターゲットユーザーの“オンナゴコロ”を捕らえているであろうことが伺える。

 そんな私は、最強女性チームが磨き上げた“オンナゴコロ”の神髄と奥深さを少しでも理解できたのだろうか。


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