インタビュー
» 2007年03月30日 00時00分 公開

昔懐かしの“黒電話”も再現――2画面携帯「D800iDS」でアプリはこう変わる (1/2)

2画面携帯「D800iDS」専用のアプリコンテストを開催した三菱電機。端末メーカー主催でこのようなコンテストが行われるのは珍しいことだ。コンテスト開催の狙いはどこにあり、どんなアプリが集まったのか、担当者に話を聞いた。

[遠藤学,ITmedia]

 三菱電機は、2画面携帯「D800iDS」の専用アプリを「My D-Style」(「iMenu」→「メニュー/検索」→「ケータイ電話メーカー」→「My D-Style」)で配信中だ(3月27日の記事参照)。「2画面iアプリコンテスト」の1次審査を通過した作品を公開しており、その数は30タイトルにも及ぶ。

 キャリアでもコンテンツプロバイダでもなく、端末メーカーがこのようなコンテストを実施するのはあまりないことで、コンテストとして見ても、賞を取った作品以外を公開することは珍しい。コンテスト開催の狙いはどこにあり、どんなアプリが配信されているのか。三菱電機 NTT事業部 NTTモバイルターミナル販売促進部 第二課 担当課長の石塚健彦氏に話を聞いた。

きっかけは“より多くの人にD800iDSに触れてもらいたい”との想い

photo 三菱電機 NTT事業部 NTTモバイルターミナル販売促進部 第二課 担当課長 石塚健彦氏

 「2画面というこれまでにない特徴を持つD800iDSなので、一般の人にも広く開放して、新しいハードウェア、ソフトウェアの可能性を試してもらいたいと考えました。とにかく多くの人にD800iDSを体験してもらいたかった。そこから出てきた企画です」

 石塚氏はアプリコンテスト開催のきっかけをこのように振り返る。手軽に新しさを体験してもらうという点で、取っつきやすいアプリ(ゲーム)を選んだのは正しい選択だ。コンテスト開催に当たっては、D800iDSがNTTドコモと三菱電機が共同開発した端末ということで、ドコモの協力もあったという。

 「アプリのエントリーシート応募受け付けは1月16日。これはドコモさんの2007年春モデル発表会と同じ日でした。発売もしていない端末、ましてやそのアプリのコンテストをやるのはこれまでなかったことです。普通に考えれば発売されてからやるものですが、ドコモさんの協力で実現しました」

 コンテストの開催が決定したのは「年末も年末」(石塚氏)という時期だったそうで、苦労も多かったことは容易に察せられる。ただ、どんな苦労よりも「実機がどこにもない段階で、果たしてどれだけの応募が来るのか? という不安のほうが大きかった」と石塚氏。エントリーシートの応募は63作品あり杞憂に終わったが、相当の不安を抱えていたことは想像に難くない。

 アプリとして実際に制作されたのは、1次審査を通過した30作品。約半分に絞ったが、石塚氏は「1次審査を通過しなかったものにも、こんな考え方があるのかという作品は多かった。売れるものを作らなきゃいけないという気負いがない分、笑わせてやろう、面白いものを作ろうという発想から来たものが多く、開発側にもフィードバックできるものが多かった」と話す。

 驚くべきは、この1次審査を通過した30作品すべてを公開し、ユーザーが遊べるようにしたことだ。「30作品を配信したのは、それぞれがD800iDSの可能性を示したアプリだったことと、単純に数が多いほうがうれしいかなと考えたからです。2画面アプリは、ほかに2画面携帯が出ない限りはD800iDS専用になります。D800iDSでも普通のアプリはできますが、2画面アプリを楽しめるのはD800iDSだけ。同時にたくさん出したいという気持ちがありました」(石塚氏)

photo ずらり並んだ28台のD800iDS。まさに圧巻のひと言だ

 本コンテストには、NTTドコモのコンテンツ担当部長である山口善輝氏と、モバイル&ゲームスタジオ代表取締役会長の遠藤雅伸氏が審査員として参加している。2人は普段から多くのゲームを見ており、「1発ネタというよりは、エンターテインメント性、完成度の高さが重要なポイントになった」と石塚氏は話す。

 ではこれを踏まえた上で、大賞1作品、審査員賞3作品に加え、プレイしてみて気になった作品をいくつか紹介していこう。

大賞「左右反転間違い探し」

 「総合的にバランスがよく、完成度が高い」と審査員の評価も高かった間違い探しゲームが大賞を獲得した。3回お手つきでゲームオーバーになるが、どうしても分からない時はギプアップを選べば反転解除ができるなど、細かい配慮が光る作品だ。

 通常は縦画面だが、設定で変更すれば横画面にもなる。この際、右利きの人は右手で、左利きの人は左手でタッチパネルに触れられるように、それぞれの利き手用のモードを用意。まさにユニバーサルデザインの本端末にふさわしい作品となっている。

 間違い探し自体に別段目新しいところはないものの、「横に持つことは想定しておらず、コンテストをやって初めて出てきた発想。横UIの可能性が広がりました」(石塚氏)というように、今後の展開も期待できる可能性も評価された格好だ。

photophotophoto 通常は左右が反転しているが(中央)、ギブアップから反転を解除することも可能だ(右)

審査員賞「四文字熟語15パズル」

 国語力に加え、四文字熟語が分かっても漢字のパズルを正解に並び替えなければならない――二重に頭を使うのが「四文字熟語15パズル」だ。制限時間があり、早く解くほど得点は高くなる。

 パズルを正解通りに並べると聞くと、さぞ難しいことのようにも聞こえるが、しっかりと読めるように並んでいる必要はない。文字がバラバラでも上下左右にそろっていれば正解となるのだ。しっかり並べようとすると難易度はかなり高くなるが、並び順を妥協すればそれほど難しくないと感じた。

 また、パズルも15個とそれほど多くないため、並び替えていれば勝手に正解することがある。決して四文字熟語を理解している必要はないわけだ。本末転倒のような気がしないでもないが、この方法で正解した場合、対象となる四文字熟語は“これか!”と強く印象に残る。好意的に見れば、勉強ツールとしても役に立つかもしれない。なお、一定時間が経過するとヒントも表示される。

photophotophoto 最初はそれほど難しくない四文字熟語が出題されるが、しっかりと並べようと考えてしまうとゲームオーバーになることもある

審査員賞「DAMOMO」

 発想という点で高い評価を得たのが「DAMOMO」だ。上画面には謎の生物「ダモモ」が多数おり、せわしなく動き回っている。下画面には“ダモモに当たるように塗れ”の文字。指示に従いタッチパネルに触れてみると、触ったところが水色に塗りつぶされ、上画面にはポインタが表示される。ここでダモモに何らかの反応があれば良いが、ポインタを合わせて塗ってみても何の反応もない。ただ画面が水色に塗りつぶされていくばかりだ。

 ここで必要なのは“端末を閉じる”という行為。水色に塗りつぶされた画面を閉じ、開いてみるとダモモがはり付いている。下画面に表示される水色は“糊”を表しており、端末を閉じる=ダモモを糊で貼りつける行為になるわけだ。

 一度塗りつぶしたところをもう1回塗ることはできないため、タイミングを考えて糊を塗る必要がある。また、捕まえてしまうと減点となるキャラクターもいるため注意が必要だ。この行為を数回繰り返すと、最後に得点が発表される。

 ゲーム中に端末を閉じるという、なかなか思いつかない操作を要求するDAMOMOだが、そういった説明はゲーム中に一切ない。審査員の2人もこれが引っかかったらしく、評価を下げてしまったという。ダモモは見る人によっては癒し系のキャラクターで、ゲームの発想も面白い。せめてチュートリアルがあればと悔やまれる作品だ。

photophotophoto 画面を水色に塗っただけでは何も反応はないが(中央)、端末をいったん閉じて開いてみると、たくさんのダモモがはり付いている(右)。閉じた瞬間に貼りつけるのではなく、糊を塗った瞬間、つまりポインタ表示された時にダモモがいなければならない

審査員賞「The Simpleカーリング」

 ストーンを転がし、タッチペンをブルーム(ブラシ)代わりにスウィープし、ボタン(円の中心)を目指す――タイトルの通り、シンプルにカーリングを楽しむ作品だ。知っている用語を片っ端から並べてはみたが、カーリングゲームはこれまでプレイした記憶がなく、純粋に新しいものとして楽しめた。

 先攻、後攻のコイントスもあり、表裏を選択してコインを投げたところで端末を閉じて開けば、コインの表か裏が表示される。DAMOMO同様、端末を閉じるという行為を巧みに取り入れた作品だ。奇抜な発想ではなく完成度の高さが評価されたという。

photophotophoto ストーンの前でタッチペンを左右に動かせばスウィープする。ただし、調子に乗ってスウィープし続けるとストーンが止まらないので注意が必要だ

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