「既存の事業者に一泡吹かせたい」──イー・モバイル種野社長13年ぶりの新キャリア「イー・モバイル」誕生

» 2007年03月31日 14時59分 公開
[園部修,ITmedia]
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 イー・モバイルの「EMモバイルブロードバンド」サービスが正式にスタートした3月31日、ヨドバシカメラマルチメディアAkibaに続き、ビックカメラ有楽町店でも記念セレモニーが開催された。

 ビックカメラのイベントでは、ビックカメラ常務取締役 営業本部長の塚本智明氏、イー・モバイル代表取締役社長の種野晴夫氏、シャープ取締役 国内情報通信営業本部長の高森浩一氏、マイクロソフト モバイル&エンベデッドデバイス本部部長の梅田成二氏が顔をそろえ、カウントダウンの後にくす玉を割って開業を祝った。

Photo 左からシャープ取締役 国内情報通信営業本部長の高森浩一氏、イー・モバイル代表取締役社長の種野晴夫氏、ビックカメラ常務取締役 営業本部長の塚本智明氏、マイクロソフト モバイル&エンベデッドデバイス本部部長の梅田成二氏

 冒頭で挨拶に立った塚本氏は「2月19日に他社に先駆けて設置したイー・モバイル体験コーナーでは、補充が追いつかないほど多くのお客様がカタログを持ち帰ってくださった。3月1日からは相当な件数の予約が入るのではと思っていたが、実際予想を上回る件数の予約が入った」と、順調な予約状況の推移を紹介。「1階の入口にある携帯電話コーナーが、イー・モバイルの開業によってますます活性化される。ビックカメラ全店を挙げてイー・モバイルノ販売をしていきたい」(塚本氏)と、全面バックアップする姿勢を示した。

 続いて登壇した種野氏は、「念願のサービス開始日を迎え、感激している。構想から3年ほどの間に、いろいろなことがあり、苦労もあったが、ようやくサービス開始にこぎ着けた」と感慨深げに話した。

 イー・モバイルのネットワークは、開業当初は東京23区内と愛知県名古屋市、京都府京都市、大阪府大阪市(名古屋市、京都市、大阪市付近の一部地域も含む)に限られるが、首都圏に関しては「5月末までに16号線の内側をエリア化する」(種野氏)と、当初の予定より早くエリアの展開が進むことを明らかにした。「基地局は綿密に設置してきたので、屋外ではいいサービスが提供できるのではないかと考えている。まだ屋内など課題はあるが、まずは5月末までに使いやすい形を整えていく」(種野氏)

 最後に種野氏は「ついにイー・モバイルは13年ぶりの新規参入を果たした。既存の事業者に一泡吹かせたい」とその意気込みを語った。

 またイー・モバイルのイメージキャラクターを務める松下奈緒さんもビデオレターでメッセージを寄せた。彼女自身もいち早くEM・ONEを予約しており、31日に手元に届く予定だという。

PhotoPhotoPhoto ビックカメラの塚本氏とイー・モバイルの種野氏が開業を記念して挨拶した。またCMなどにも出演するイメージキャラクター、松下奈緒さんもメッセージを寄せた
PhotoPhoto 先頭に並んでいたユーザーには記念品を種野社長自らプレゼントした。店頭に用意された予約品の受け渡しカウンターにはEM・ONEが所狭しと並んでいた

先行予約は「圧倒的にEM・ONEが多い」

 先行申し込み開始の時点では、年度内の目標である30万契約の約1割、3万件くらいの予約が取れればと希望を話していた種野氏。サービス開始日までの予約状況は約1万7000件程度(3月31日の記事参照)とのことだったが、当初の予想を上回る数が集まっているそうだ。「先行予約の受け付けは一部の店舗でしか行っていなかったが、今後はさらに受け付け店舗が増えるため、契約数はさらに伸びると思う」(種野氏)

 予約しているユーザーはほとんどがコンシューマーで、20代後半から30代の男性が多いという。EM・ONEとデータカードの比率は「EM・ONEが圧倒的に多い」とのことだったが、企業からの引き合いも多いため「今後はデータカードも伸びると考えている」と種野氏は話した。

 2008年には音声サービスの開始も予定しているが、こちらは現在よりもう少し若い層をターゲットにする。音声サービス開始後もデータサービスの安さや使いやすさは引き続きイー・モバイルの特徴として訴求していく計画だ。ただ具体的なサービス内容や料金についてはまだ検討中として多くを語らなかった。

 「他の事業者とは違ったことをやらないと我々の存在意義がない。既存の事業者にはできないことをやっていく。既存の顧客がいないのを強みに、新しい基軸を打ち出していきたい」(種野氏)

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