トップが新入社員に期待することは?──携帯/PHSキャリアの入社式

» 2007年04月02日 18時26分 公開
[ITmedia]

 携帯電話/PHSキャリア各社の社長および会長が、入社式で新入社員に対する期待と会社の現状を話した。2007年度の新入社員はNTTドコモが245名、KDDIが124名、ソフトバンクモバイルが626名(ソフトバンクショップ含む)、ウィルコムが44名となっている。

“光”と“影”の部分があることを忘れないでほしい──ドコモ中村社長

 ドコモ社長の中村維夫氏は、携帯電話市場の競争環境は非常に激しい状況にあることを説明。既存の3社間の競争に加え、3月31日にイー・モバイルが新規事業者としてサービスを開始したこと(特集:イー・モバイル誕生)や、CATVやスカイプなどの分野が出てきていることに触れ、「世界でも前例がないような、新しいものをどんどん考え出す必要がある。皆さんには新しいものにチャレンジしていってほしい」と話した。

 また、携帯電話業界は進化のスピードが非常に早く、多くの利便性、いわゆる“光”の面がある一方で、マナー問題や犯罪利用など“影”の面があることを指摘。「新しいものにチャレンジすることと同時に、ケータイの文化というもの、新しく文化を作るということに、どのように対応していけばいいのか、こういったところもぜひ考えていただきたい」と、企業としての責務を果たす必要性を説いた。

あらゆるサービスにおける「お客様満足度NO.1」を目指す──KDDI小野寺会長

 KDDI会長の小野寺正氏は、2007年度の全社方針として「あらゆるサービスにおける『お客様満足度NO.1』へ、『持続的成長』への取り組みを加速する」と表明。今後は通信事業者と異業種の事業者が協業することで、より付加価値の高いサービスを提供する時代になると予想し、「会社として成長を続けていくためには何をしなければならないのか、斬新な視点で常に考え続けていただきたい」「『お客様満足度NO.1』を志向し続け、実践することを忘れずにいていただきたい」と檄を飛ばした。

 新入社員にお願いしたい点としては、「社会人としてのルールを遵守する」「過去に囚われず志を高く持ち、自律的に意識改革を行って前進を続ける」「昨日までの自分自身を忘れず『お客様視点』を常に忘れない」の3点を挙げる。特に顧客満足度の最大化を目指した「トータル・カスタマー・サティスファクション」は“終わりのない活動”とし、「『お客様視点』から自分の担当する業務の進め方や課題を見つめ直す姿勢は、実際に配属された部署においても実践していただきたい」と話した。

近い将来、人々のライフスタイルは劇的に変わっていく──ソフトバンク孫社長

 「皆さんがソフトバンクを選んだことは、人生の分かれ道の中で重要な選択をしたといえる」──このように挨拶したソフトバンクグループ代表の孫正義氏は、コンピュータ産業は脳細胞の働きを延長させていく分野だと強調。「近い将来、いつでも、どこでも、誰とでも情報交換ができるようになり、人々のライフスタイルは劇的に変わっていく」と話した。

 また、「どんな人にも人生の中で楽しいこと、不幸なことの両方が必ず起こるもの」として、夢と現実のギャップが起こった時、つらいからと横道にそれるのではなく、問題から目をそらさずに正面突破で進むことの大切さを説き、「たった1回の人生、高い志を持ち、力を合わせて完全燃焼していきましょう」と激励した。

社長に就任して初の新入社員、改めて身が引き締まる思い──ウィルコム喜久川社長

 「社長に就任して初めての新入社員ということもあり、私自身、改めて身が引き締まる思い」と話したウィルコム社長の喜久川政樹氏は、無限の可能性を感じてほしいと挨拶した。自身が商学部出身ながら、入社時は技術系の部署に配属され、無線中継所に関わる交渉や建設の仕事を担当していたことを引き合いに出し、「向いている、向いていないは別として、その仕事で得たものは非常に大きいものであった」とコメント。これまでの人生経験や学業で学んだことから「自分は○○向き」と決めつけるのではなく、「新しいことに積極的に取り組み、自分自身の色々な面を発見していただきたい」と話した。

 これに伴い同氏は、自分が好きではない仕事をやらねばならない時や、どうしても納得がいかないような出来事などがあることにも触れ、「困難を経験することは、むしろ大きなチャンスである」と促し、「主体性を持ってこれからの生活を送ってほしい」と伝えた。

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