“快適”だからこそもっとがんばろうよ、カメラを──「EM・ONE」荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/3 ページ)

» 2007年05月17日 19時02分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 高速通信と定額制が話題のイー・モバイル「EM・ONE」。Windows Mobile 5.0を搭載するシャープ製端末ということで、ウィルコムのW-ZERO3シリーズ(カメラレビュー参照)を思い出すが、カメラは130万画素のCMOSセンサー&パンフォーカスということで仕様はほぼ同じだ。

photophoto イー・モバイルのシャープ製端末「EM・ONE」。ワイドVGA表示対応の4.1インチディスプレイとワンセグ、HSDPA、無線LAN、Bluetoothの搭載と、厚さ18.9ミリのスリムボディが特徴。カメラは有効約131万画素CMOSセンサー

 このスペックから判断すると、カメラにはあまりコストをかけていないかもというのも分かるわけだが、高速なインターネット接続機能と本格的なブラウザを積み、さらに無線LANやBluetooth機能も持つため、また違った楽しみ方が想定できる。例えば、撮った写真をその場でメール送信する、PCと連携させる、FlickrなどのオンラインアルバムやmixiなどのSNSにアップする、自分のブログサイトにその場で貼り付けるといった、撮影した“その後”もスマートに行いたいと思うのは自然なことだ。

 さらに、高精細で大きなディスプレイ(ワイドVGA表示対応の4.1インチ)を搭載するので、撮った写真も大きく見られる。そういう意味で、この手の端末のカメラ機能に求められるのは、撮影画像サイズはVGAほどでもでいいから、レスポンスよく“きれいな”絵が撮れることだと思う。

カメラは“コントロールスタイル”が撮りやすい

photo 横にスライドすると“コントロールスタイル”、縦にスライドすると“インプットスタイル”となる、EM・ONEの操作スタイル。カメラ使用時はディスプレイの裏にあるレンズを出すためにどちらかにスライドさせる

 EM・ONEのレンズは普段は隠れており見えない。ディスプレイをスライドさせると液晶パネルの裏側からカメラのレンズが表れる。

 本機の使用スタイルは、ディスプレイを閉じたままタッチないしペン操作するスタイルとQWERTYキーボードで操作する“インプットスタイル”、操作デバイスだけが現れる“コントロールスタイル”がある。

 撮影時は横向きに少しだけスライドさせる、コントロールスタイルにするとよい。撮るだけならスライドの方向はどちらでもいいが、インプットスタイルだと上に飛び出たディスプレイ部がじゃまでシャッターボタンが押しづらく、コントロールキーによる撮影はやや不安定。やはり撮りやすいのは“コントロールスタイル”の方である。


photophoto レンズ部。小さなカメラユニットで、マクロ切り替えスイッチがある(左)。本体上面の右側、右手人差し指が届くところにシャッターボタンがある(右)

 カメラの起動は、スタートメニューの「プログラム→カメラ」を選ぶか、側面の[カメラ]キーを押す。すると「表示部をスライドさせてください」とメッセージが数秒間表示されて撮影可能になる(レンズは別途、自分でディスプレイをどちらかにスライドさせ、出しておく)。

 だが、実使用時にはもう少し時間がかかる。ふだんEM・ONEは電源が切れている(というかスタンバイ状態な)ので、本体の電源をオンにするところから始まるからだ。本体の起動はだいたい4秒くらいかかる。普通のデジカメやケータイのように撮りたいときにすぐ、というわけにはいかないのがやや残念なところだ。

 しかし、準備できれば撮影は簡単だ。何より機能がシンプルだからだ。

 「設定」をタップするとカメラの設定メニューが表示される。そこにあるのは“撮影サイズ”“保存先”“画質”“明るさ(露出補正)”“タイマー機能”の5つ、そして“2倍ズーム”(デジタルズームはメニュー内にある)の項目。あとは、レンズの近くにマクロ切り替えスイッチがあるだけだ。

photophoto カメラを起動すると数秒間表示されるメッセージ(左)。カメラの撮影機能設定はたったこれだけ。非常にシンプル(右)

 シャッターを押して少し待つと、画面に「保存しました」という小さなアラートが表示される。ややもどかしいがこれで撮影は完了。ちなみに、miniSDに保存するときはその“DCIM”フォルダに「日付-時刻.jpg」で記録される仕様となっている。これはちょっといただけない。世界中のデジカメや日本のほとんどのケータイが採用するDCF規格では「DCIM」フォルダの中に「3ケタ連番+5文字」のサブフォルダを作り、その中に「4文字+連番」のファイル名を持つ画像ファイルを持つように規定されている。EM・ONEの画像保存の仕方は、一見DCFっぽいわりに合致していない。独自仕様にするならいっそのこと、全然違うフォルダ名に記録してくれる方が紛らわしくなくていいのではないかと思うほどだ。

 画像を保存したあとは、Windows Mobileの世界だ。エクスプローラや「画像とビデオ」から画像をサムネイルで表示し、それをメールやBluetoothで送信できるほか、Webブラウザなど他プログラムからファイルを使用したり、スライドショー形式で再生できる。

 撮った写真は、大型の4.1インチディスプレイで表示できるので大きく見やすい。しかし、撮影画像サイズに「800×480」のモードがないのが残念。“遊ぶ”という意味で、壁紙として使えるスクリーンサイズに合わせたモードがあってもよかったと思う。ちなみに本機のディスプレイはタッチパネルを装備するためか、屋外での視認性はそれほど良好ではない印象だ。

photophoto 「画像とビデオ」からminiSD内の撮影フォルダを表示。サムネイル表示にはちょっと時間がかかる(左)。「画像とビデオ」からはカメラ、内蔵メモリの“マイピクチャ”フォルダ、そして“外部記録デバイス”(miniSD)へアクセスでき、画像を一覧表示できる(右)
photophoto 再生画面はこのような感じ。ワイドディスプレイなので両側に空白ができる(左)。左下にある「送信」メニューからそのまま画像添付メールを作成できる。そのほかスライドショー再生や壁紙の設定、画像編集、Bluetooth送信なども可能
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