第1回 NTTドコモ 辻村清行氏──「ドコモ2.0」に込めた本当の意味石川温・神尾寿の「モバイル業界の向かう先」(1/2 ページ)

» 2007年06月01日 09時27分 公開
[房野麻子(聞き手:石川温、神尾寿),ITmedia]

 “半年先のことすらどうなるか分からない”といわれるほどトレンドが激しく移り変わるモバイル業界。はたしてこの業界はどこへ向かって進んでいくのか。その答えを探るため、業界のキーパーソンを迎え、通信ジャーナリストの石川温氏、神尾寿氏とざっくばらんに未来を語ってもらう「モバイル業界鼎談」。第1回はNTTドコモ 取締役常務執行役員 プロダクト&サービス本部長の辻村清行氏に「ドコモ2.0」に込めた本当の意味を聞いた。

PhotoPhotoPhoto 左から石川温氏、神尾寿氏、NTTドコモ 取締役常務執行役員 プロダクト&サービス本部長 辻村清行氏

「ドコモ2.0」の真意とは?

ITmedia 4月23日に開催した「904i」シリーズの発表会で、「ドコモ2.0」というキーワードを打ち出し、これからの変化をアピールされました。その“変化”という部分は、ドコモとしてどう考えていらっしゃるのでしょうか。また、ユーザーの望む携帯の変化と、ドコモが考えている携帯の変化とをどういう風に捉えていらっしゃるのか、お聞かせいただけますでしょうか。

辻村清行氏(以下敬称略) 「2in1」や「うた・ホーダイ」あるいは「直感ゲーム」は、それなりに今までよりは革新的で、あれはあれでインパクトがあると思いますが、それだけをもってドコモ2.0などとは、おこがましくも言うつもりはありません。それに、その辺りのことはよくご存知だと思うので、もう少し中長期的で幅広い話をさせていただきます。

 1つに、映像の時代がいよいよ携帯に来る、ということがあると思います。ドコモでは一部の端末が3.6MbpsのFOMAハイスピード(HSDPA)に対応していますが、これからの端末はどんどんHSDPAに対応していきたいと思っています。それから現在の下りの通信速度は最大3.6Mbpsですが、今後は7.2Mbpsに高速化していきますし、上りのスピードも上げていきます。スピードを上げていくこと自体は、ユーザーからはあまり具体的に見える部分ではないですけれども、映像のような大容量なデータがふんだんに使えるようになる、ということだと思うんですね。それが1つの大きな流れになってくるだろうと思います。

 2つ目はFeliCa。現在、おサイフケータイが2000万台強くらいになっていると思いますが、SuicaPASMOが連携し、今後はいろいろなところでFeliCaが使えるようになってくると思います。これはリアルとサイバーの融合で、自分の手のひらの上にバーチャル空間が常にあるという感じになるわけです。そこをFeliCaや携帯電話を通じて自由に行き来できるようになるので、1つの大きなリープ(飛躍)になると思います。

 3つ目は国際化ですね。国際ローミングに対応した端末がどんどん増えていきます。日本で使っている端末を、そのまま世界のどこに持っていっても使えるようにしていきたいです。

 大きくはこの3つだと思います。今までKDDIさんがやられてきた“音楽”みたいなこととは全く違う局面の時代になるのでないかということで、総称してドコモ2.0ということにしたのです。

石川温氏(以下敬称略) ドコモ2.0というのは、だいたいどれくらい先までを見ているものなんでしょうか。

辻村 はっきりとは言えませんが、3年から5年くらいじゃないでしょうか。どこかで勝手に「3.0」と言い出すかもしれません(笑)。少なくとも今までとは違う時代になっているでしょう。音声とパケットのメールと、いわゆる携帯用にチューニングしたWebの世界から、PCで見られるものはほとんど携帯で見られる世界になっていくと思うんですよ。例えば今「YouTube」は携帯で見られません。YouTubeには著作権などいろいろな問題があるとは思いますが、携帯電話で見られるようにすることも技術的には可能です。ほかの映像系コンテンツも携帯で見ることができるようになってくると思いますね。

神尾寿氏(以下敬称略) 過去を振り返ると、1999年のiモードやその後の写真付きメール、「着うた」など、個々のサービスが出てきたときにパラダイムシフトがあったわけですが、ドコモ2.0は個々のものではなくて、いくつかの要素をまとめた「集合体としての変化」と捉えている、ということですか?

辻村 そうですね。歴史的にiモードの開始は大きな変革期だったので、それ以前を1.0とし、iモード以降を2.0、今度は3.0という考え方もあるんですが、いきなり3.0といっても分かりづらいんじゃないか、ということで2.0にしたんです。でもあまり数字のことでそんなに深い議論はなくて、今までとこれからでは、使い方もちょっと違う時代になるという我々のメッセージなんです。

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