音楽再生時の機能や操作性は、P903iと大きくは変わらない。各種リピートやランダム再生が可能で、全曲一覧から再生すると、フォーマットを問わず保存してあるすべての楽曲をシャッフルして再生できる。音質設定は重低音を増強する「S-XBS」や音漏れ防止の「トレインモード」、サラウンド機能を備える。細かなイコライジング機能などはないが、音量調整も25段階と携帯としてはかなり細かく設定できる。
音楽再生中に音声着信やメール着信があると、再生が一時停止して呼び出し画面に切り替わり、音声着信なら通話、メール着信なら受信確認画面が終了すると停止位置から音楽再生を再開される。
メール着信は、メール設定で「操作優先」にしておけばメールアイコンの通知のみで済ますことも可能だ。また、マルチタスク動作は意識的に行え、音楽再生中にメニューキーを押すと音楽を再生したままメニュー画面に切り替わり、ほかの機能が利用できる。ただし一部の機能、例えば音楽を聴きながらマイピクチャ内の画像を表示するといったことはできない。
ミュージックプレーヤーは、本体側面の[プッシュトーク]キーと[上/下]キーを使って、端末を閉じたまま操作も可能だ。[プッシュトーク]キーの長押しでプレーヤーが“前回再生停止位置の一時停止状態”で起動。もう1度[プッシュトーク]キーを押すと再生。プレーヤーの起動中は[プッシュトーク]キーの短押しで一時停止/再開、長押しでプレーヤーが終了し、[上/下]キーで音量を調整できる。残念ながら、閉じたまま曲間移動はできない(どうせなら[上/下]キーの長押しにアサインしておいてほしかった)。
ちなみに、標準オプションの“ステレオイヤホンセット”か“スイッチ付イヤホンマイク”を使用すると、このスイッチでもプレーヤーを操作できる。フックキーの短押しで一時停止/再生、2回押しで1曲送り、3回押しで1曲戻しといった制御が行える。
本機はPCと接続して音楽データを転送する際のUSB動作モードを、SD-Audioの転送時は「microSDモード」に、WMAの転送時は「MTPモード」にそれぞれ切り替える必要がある。これ以外にデータ通信時やアドレス帳転送時などに利用する「通信モード」も存在する。
もっとも、どのモードになっていてもUSBケーブルでPCと接続すると、待受画面のデスクトップに「USB」のアイコンが現れ、これ選択することで動作モードを設定できる。またmicroSDモードとMTPモードに関してはPCへのドライバインストールが不要なので、PCからの音楽転送時に特に手間はかからない。ただし「通信モード」になっていた場合はPCにドライバがインストールされていないとデスクトップに「USB」アイコンが登場しないので、音楽転送のみを利用するなら、事前にmicroSDモードかMTPモードに設定しておくとよいだろう。
Bluetoothを利用したワイヤレス音楽再生に魅力を感じる人も多いだろう。この機能はP902iから、そつなくサポートされるものの、P903iまでは事前にBluetooth機器と接続作業を毎回、必ず行う必要があった。そのため、決してほめられる操作性とはいえなかった。
この点は、P904iで大きく改善された。基本的には「P903iX HIGH-SPEED」(レビュー参照)とほぼ同じ操作性を実現し、直前の出力先にBluetoothレシーバーを指定していた場合は、次回の再生開始時も自動的にBluetoothレシーバーに接続してから再生されるようになっている。これにより、再生までの手間がかなり減った。なお、Bluetoothレシーバーに接続できない場合は本体スピーカーで再生する旨の確認メッセージが表示されるので、例えばBluetooth機器の電源を入れ忘れていた場合に、いきなり本体スピーカーから音が出ることのないような配慮もある。毎回、“まずはBluetoothレシーバーとの接続作業”が必要だったことを思えば大きな進化だといえる。
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