KDDIが「au Starlink Direct」で新サービスを投入――NTTドコモ、ソフトバンクはどこまで本気で戦うつもりなのか石川温のスマホ業界新聞

» 2026年05月03日 14時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 KDDIは2026年4月23日、au Starlink Directに関する説明会を開催。この4月にソフトバンクとNTTドコモが相次いでStarlink Directを開始する中、さらなる差別化をアピールしていた。

 au Starlink Direct SOSセンターの開設、海外ローミングの対象国の追加といった具合だ。

 NTTドコモではahamo、ソフトバンクではワイモバイルでもStarlink Directが利用できるとあって、KDDIもUQモバイルにおいても手軽にStarlink Directが使えるようになった。

 もはや各社とも有償オプションとしての提供は難しく、低廉なプランでも使えるようになってしまった。となると「中身で差別化」するしかないようだ。

 KDDIにとってみれば、1年間、他社をリードしてきただけに「Starlinkといえばau」という認知を強固なものにしておきたいだろう。

 一方で、NTTドコモやソフトバンクとしてみれば、他社対抗のためにStarlink Directに対応したものの、これ以上、深入りするのは悩ましいのではないか。そもそも衛星とスマホの直接通信がほとんど儲からないなか、海外ローミングやSOSセンターの開設など手間とコストを増やすのには相当、躊躇していそうだ。

 今回のKDDIが行った説明会で、地味ながらも注目したのがStarlinkを閉域網でつなげるという法人向けサービスだ。Starlink Directではなく、専用のアンテナを使ったStarlinkになるが、官公庁や医療機関、金融機関など「衛星通信は使いたいが、インターネットには流したくない」という需要は結構、多そうだ。

 

今回のサービスを提供しようと思った場合、Starlinkの地上局からの専用回線を流用する必要がある。また、KDDIによればスペースXと「2024年から閉域ネットワークとStarlinkの直接接続に関する技術仕様の検討やグローバルな連携体制の構築を進めてきた」という。

 専用アンテナによるStarlinkもKDDIがリードする一方、他社は「対抗上、用意してきた」という感が強い。

 法人に向けた閉域網サービスは、KDDIがかなりリードを保てるのではないか。

 NTTグループやソフトバンクは今年、HAPSを始めると宣言しているが、HAPSでここまで幅広いサービスのラインナップを揃えるのは難しいのではないか。

 ソフトバンクとNTTドコモもStarlinkに本気にならないと、KDDIにリードを奪われ続けることになりはしないだろうか。

© DWANGO Co., Ltd.

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