総務省、携帯各社へ「有害サイトアクセス制限」のさらなる取り組み促進を要請

» 2007年12月10日 20時17分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

 総務省は12月10日、携帯・PHS事業者および電気通信事業者協会(TCA)に対し、青少年が使用する携帯・PHS端末における有害サイトアクセス制限サービス(フィルタリングサービス)の導入促進を図り、その取り組みをさらに強化するよう要請したと発表した。

 同省は、携帯キャリア各社は2006年11月に要請した同サービス普及促進の要請を受け、契約時の親権者の意志を確認するなどの措置をとり、この1年でフィルタリングサービス利用者が約3.3倍(約150万契約増)になるなど一定の成果を上げているとするものの、依然、インターネットにおいて青少年が出会い系サイトなどに携帯電話を通じてアクセスし、事件に巻き込まれるケースが多発していると認識。このため携帯キャリア各社とTCAに対し、フィルタリングサービスの導入促進に向けた取り組みを、より強化するよう要請した。

 要請内容は以下の通り。

  • 青少年におけるフィルタリングサービスの導入促進活動の強化を図ること。
    a)新規契約時にフィルタリングサービスの利用を原則とした形で親権者の意思確認を行うなど導入促進を図ること
    b)すべての18歳未満の既存契約者に関し、フィルタリングサービスの利用を原則とした形で意思確認を実施し、利用を望まない場合には親権者の意思確認を行うこと
    c)18歳未満の使用者に関し、親権者である既存契約者に対して、フィルタリングサービスの利用の意思確認を実施すること
    d)以上について、代理店等への指導を徹底すること
  • 上記の導入促進活動に併せて、引き続き、フィルタリングサービスに関し、効果的な周知・啓発を行っていくこと
  • フィルタリングサービス利用者数に関し、業界として定期的に公表するとともにその評価に努めること

 対して同日、TCAおよび携帯キャリア4社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、ウィルコム)は、青少年に対する有害サイトへのアクセスを制限するサービスを2003年から順次無料で提供し、2006年から「フィルタリング普及啓発アクションプラン」を策定するなどし、認知拡大と利用促進を図ってきたと告知。今後もよりいっそうの取り組み強化を図るとする。

  • (1)青少年における「有害サイトアクセス制限サービス」(以下、フィルタリングサービス」)の導入促進活動の強化
    a)新規契約者に対する取り組み(未成年者が利用する旨の申出があった場合は、親権者から不要の申告があった場合を除き、フィルタリングサービスを設定する
    b)既存契約者に対する取り組み(フィルタリングサービスを利用していない18歳未満の既存契約者に対し、十分な周知を実施し、親権者から不要の申告があった場合を除き、フィルタリングサービスを設定するなどの対応を行う。そのほかの既存契約者に対しても、申出に基づき、利用者が18歳未満であることが確認された場合は不要の申告があった場合を除きフィルタリングサービスを設定する)
    c)販売店等への指導の徹底(a、bの取り組みを確実に実施するよう、販売店などでの対応の徹底を図る)
  • (2)フィルタリングサービスの周知啓発の強化(1の取り組みにあわせて効果的な周知・啓発を図っていくこととする)
  • (3)フィルタリングサービス利用者数の定期的な公表および評価の実施(TCAから、フィルタリングサービスの利用者数を定期的に公表し、必要に応じて業界として施策の検討を行う)

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