W55Tの“プレミアム感”は、薄型ボディやステレンスパネルといった外観だけに留まらない。触れると金属特有の“ひんやり”とする感触、そしてディスプレイ開閉時のカチッとしたフィーリングが秀逸だ。ヒンジのしっかりとした剛性感とともに小気味よい音とともにカチッと操作でき、“ペラペラ”な不安はみじんも感じない。この質感は、店頭の展示機などでぜひとも試してみてほしい。
最近の東芝製携帯に採用する、薄型の液晶モジュールと、パネルと液晶を密着させることで実現するクリアスクリーン液晶も、屋外の視認性がよいメリット以外にプレムアムさを感じる箇所だ。表示面とフレームに一体感があるデザインが施され、最近の携帯としては決して大きいとはいえない2.4インチのディスプレイサイズもあまり気にならない。
ダイヤルキーはボディカラーに合わせたモノトーン調で構成され、周りのフレームは、背面パネルとは少し異なる質感のヘアライン加工で仕上げられている。なお、キーバックライト用のLEDは等間隔で配置したものではないようで、その「光り方」も意識しているのではとも思えてくる。
W55Tに限らず、極薄端末の多くに採用するシートキーの操作性がどうかということは多くのユーザーが気にするところだと思う。
本端末のシートキーはキーそのものがわずか盛り上がっており、個々のキーを触感で認識できるつくりになっている。ダイヤルキーを見ずに、指を滑らせてキーを識別することもできるだろう。
キータッチにはカコッと感じるクリック感がしっかりある。ただ、タッチそのものは少し重めに感じるかもしれない。キーサイズやレイアウト、キーピッチともに折りたたみ型の端末としては平均的で、きゅうくつな感じはない。筆者が操作した限りでは高速で入力したときの取りこぼしなどもほとんどなく、ほかの端末から移行しても大きな違和感なく使いこなせるようになるだろう。
金属質な背面パネルとともにデザインにおけるワンポイントになっているのが、7×7ドットの赤色LEDで表現するサブディスプレイだ
このサブディスプレイは、時刻や着信を7×7ドットの光で表現し、閉じるとLEDの点滅でアニメーション表示する仕掛けを備える。
時刻は横スクロールで、着信があった相手先名はカタカナ(アドレス帳に登録するヨミガナ)で表示される。待受中は裏面の[マナー/Rec]キーで、時刻やバッテリー残量、アンテナレベルを確認できる。不在着信や新着メールがある場合は、時刻表示より先に「i」(おそらく“information”の意味)をかたどったアイコンが表示される。
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デジタル時計をサブディスプレイに表示。右から左にスクロールして表示される。表示は1回のみ (このムービーをご利用いただくにはFLASHプラグイン(バージョン8以上)が必要です。ムービーはこちらからでも参照できます) |
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着信があるとこのように表示される。呼び出し中はアドレス帳のヨミガナとして登録した内容がスクロールしながら表示される (このムービーをご利用いただくにはFLASHプラグイン(バージョン8以上)が必要です。ムービーはこちらからでも参照できます) |
ディスプレイを閉じると時刻を表示してくれる。その表示前に、アニメーションをランダムで表示させる設定も可能だ。ただしこれには任意のアニメーションを指定できないのが少し残念。また、バッテリー消費を抑えるためと思うが、常時表示しておくことはできない。時刻表示(デジタル)はスクロール終了まで、ロゴ表示などは約5秒間表示される。
少し気になったのは、メール受信時に表示される相手の名前が着信音を再生する間しか表示されないことだ。つまり、着信音の再生時間が短いと相手の名前がすべて表示される前に消えてしまう(音声着信とは違い、メールの受信音の鳴動時間は短く設定する人が多いと思う)。ここは例えば30秒とか1分とか、任意の時間を設定でき、繰り返して相手先表示してくれればメール着信の確認手段としてもかなり実用的になると思う。
そのほか、メール受信時と同じ意味でアドレス帳の登録内容別に個別のアニメーションが指定できないのも少しもったいない。東芝の携帯情報サイト(Toshiba User Club Site:TUCS)でせっかくアニメーションのダウンロードデータまで用意するのに、任意のアニメーションを活用できるシーンが実はあまりない。閉じたときのアニメーションも、“なし”か“ランダム表示”だけとなるのが少し歯がゆい気がする。
ともあれ、アドレス帳の設定で個別に着信音やLEDの光りかたを個別設定するなど、重要な相手からのメール着信を識別する手段はほかにあるので致命的ではないのだが。
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