Web標準の技術で開発できる――au one ガジェットを支えるOperaウィジェットとは:ケータイサービスを支える技術

» 2008年01月15日 22時09分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 KDDIが冬のハイエンドモデルとして発表したKCP+端末に搭載される「au one ガジェット」は、PC向けウィジェットの携帯電話版ともいえる機能だ。ユーザーはメールやSNS、時計、カレンダー、ゲームなどのガジェットから必要なものを選ぶことができ、各種情報を待受画面上で確認できるようになる。

 この機能のベースとなっているのが、Webブラウザを提供するOperaのウィジェットだ。このウィジェットはOpera 9のコアエンジンを搭載するデバイス向けに提供するもので、3つの大きな特徴があるとOpera Softwareでアカウントディレクターを務める久保芳之氏は説明する。

Photo au one ガジェットのベースとなるOperaウィジェット。Operaのウィジェットサイトでは、1500以上のデスクトップウィジェットを公開している

Web標準の技術で開発でき、複数プラットフォーム展開も容易に

 1つはスタンドアロン型のWebアプリケーションである点だ。Operaウィジェットは、Operaブラウザのレンダリングエンジンを利用したミニアプリとして動作し、ゲームや電卓などのシンプルなスタンドアローン型のアプリから、ニュースや地図、天気予報のようなネットの情報を取得するアプリまで、さまざまな用途で利用できるという。

 2つ目は、HTMLやCSS、AjaxといったWeb標準に準拠した技術のみで、ブラウザの外で動作するアプリを作れるという開発のしやすさだ。「携帯電話や家電向けのアプリを開発するには、それぞれの独自のプラットフォームに合わせた言語や仕様を学ぶ必要があるが、Webスタンダードの技術を導入することでその手間が省ける。使い慣れたWebスタンダードの技術やツールの利用が開発期間の短縮につながり、Web 2.0サービスのベンダーが提供するオープンなAPIを利用したマッシュアップアプリの開発も可能になる」(久保氏)

 Operaの開発者向けサイトには、チュートリアルやサンプルコード、ライブラリが用意され、ソースコードを使うことなくウィザード形式でオリジナルのRSSリーダーやYouTubeビューワを作成できる「ウィジェタイズ」も提供している。

 3つ目は開発したアプリを複数のプラットフォームに展開しやすい点だ。Operaウィジェットは、Opera 9ブラウザのエンジンを利用して動作することから、1つのアプリを開発すれば、それがOperaウィジェットに対応するPCや携帯電話上でも実行できる。「テレビやPCなどの大画面用に開発したウィジェットを携帯電話の小さな画面で実行する場合でも、ロジックの部分は同じソースコードのまま、CSSのメディアクエリーを使って携帯用、PC用、テレビ用などいくつかのインタフェースのパターンを収録することで、複数の環境に最適化した形で動作させられる。PCや携帯、テレビ向けにそれぞれのアプリを作成する場合は画面サイズやコントローラの種類によってUI設計が変わってくるが、ここにもWebスタンダードの利点が生きてくる」(久保氏)

Photo Operaウィジェットの3つの特徴

 開発したアプリの公開は端末へのプリセットのほか、コンテンツプロバイダやメーカー経由の配信、Operaが用意するウィジェット専用サイト経由での配信が可能だ。「(Operaのウィジェットサイトでは)1500以上ものデスクトップ用ウィジェットを公開しており、Operaユーザーやコンテンツプロバイダが無料で提供するウィジェットを、だれでもダウンロードして使える」(久保氏)

 ただしau one ガジェットについては、KDDIが承認したウィジェットのみが動作するプラットフォームとして提供するため、配信方式もKDDIが持つ配信ルート経由での配信になるという。

 携帯電話や家電の世界では、キャリアやメーカーが独自のアプリケーションプラットフォームを推進する傾向があるが、OperaはWeb標準の技術を採用するウィジェットがさまざまな環境下で動作することを目指して、Web標準化団体のW3Cと共同でウィジェットの共通規格の策定を推進している。「これは開発したウィジェットを、よりシームレスにエンドユーザーに利用してもらおうという、オペラなりのこだわり」(久保氏)

Photo OperaウィジェットはWeb標準技術のみで構成され、テキストエディタやZIP圧縮ソフト、画像作成ツールがあれば開発できる。開発者向けサイトには支援ツールが用意される

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