検索もアンケートもおサイフケータイで――ビーユージー IC CARD WORLD 2008

» 2008年03月06日 20時55分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 「顧客の携帯に情報を送りたいが、どうしたら?」――販促やマーケティングに携帯電話を使おうと考えるリアル店舗にとって、顧客の携帯にいかに情報を送り込み、携帯サイトへ誘導するかは、以前から大きな課題となっている。

 QRコードを撮って空メールを送ってもらう、あるいは直接URLを入力してもらう――こういった方法が“伝統的”だ。しかしこれらの方法は難しかったり煩雑だったりして、なかなか利用率が上がらないのが現実だった。

 そこで数年前から注目を集めているのが、おサイフケータイを使った販促やマーケティングだ。FeliCa用リーダー/ライターには「三者間通信」※という機能がある。三者間通信とは、リーダー/ライターからデータをFeliCaチップに送り、そこから携帯に働きかける(アプリを起動するなど)機能だ。店頭に三者間通信機能があるリーダー/ライターを置いておけば、顧客がそこに“かざす”だけで、おサイフケータイへ情報を送りこめる。

※三者とは、FeliCaチップ、携帯端末、リーダー/ライターを指す。

 NTTドコモの「トルカ」(参照記事)や、KDDIの「auケータイクーポン」(参照記事)は、まさにこの三者間通信機能を使い、リアル店舗でおサイフケータイに直接クーポンや携帯サイトのURLを送り込むための仕様だ。

 しかしトルカやauケータイクーポンには、対応機種が少ないという問題点がある。事業者側としては、できるだけ多くの人に使ってほしいという気持ちがあるため、3キャリアのおサイフケータイすべてで対応できるようなサービスを模索することになる。例えば、ぐるなびが加盟店の店頭に配布中の「ぐるなびタッチ」(参照記事)や、紙の自動販売機「ドコデジ」(参照記事)などがそうだ。

 ぐるなびタッチやドコデジに採用されているのは、ビー・ユー・ジー製のFeliCa用リーダー/ライター「ピットタッチ」。ビー・ユー・ジーのブースでは、集合型のFeliCaリーダー/ライター「ピットタッチ・オクトパス」ほか、最新のFeliCa用リーダー/ライターが展示されている。

ピットタッチを20個並べて簡単検索

 ピットタッチは、上述のトルカやauケータイクーポンにも対応する、おサイフケータイ用のリーダー/ライターである。電子マネーや交通乗車券のように決済を行うのではなく、主に販促支援のための情報配信を目的としている。例えばおサイフケータイにクーポンや来店ポイントを送ったり、携帯サイトのURLを送ったり、という使い方だ。

 会場にはピットタッチを胸から下げた女性がおり、ピットタッチに手持ちのおサイフケータイをかざしてルーレットを回す、というデモを体験できる。

手に持っている白い箱が「ピットタッチ」(左)。来場者のおサイフケータイをかざすと、三者間通信を使ってブラウザが起動し(中)、自動的にルーレットが回り始める(右)

 ピットタッチが三者間通信を使っておサイフケータイに送りこめる情報は、基本的に1種類だ。相手によって何種類も、違う情報を送りたいという場合には、複数のピットタッチを置くことになる。

 ピットタッチ・オクトパスは、ピットタッチを縦4×横5=合計20台ぎっしり並べたもの。「通常、複数のFeliCaリーダー/ライターをこのように並べると、電波が干渉してしまう。そこをうまく制御したのが本製品のポイントです」(説明員)

 リーダー/ライターをたくさん並べることで、アンケートや検索の細かい条件付けを可能にしよう、というのがピットタッチ・オクトパスのコンセプトだ。

 ブースでは、ピットタッチ・オクトパスを使って「欲しい中古車の条件を入れて、携帯サイトで検索する」というデモが行われている。「メーカー」「予算」「ボディタイプ」などそれぞれの選択項目の裏にピットタッチが1つずつ入っており、おサイフケータイをそこにかざして選んでいく。

 選び終わると、暗号化されたURLが届く。そこをクリックすると、「メーカー=ホンダ、場所=東京、ボディタイプ=ミニバン、予算=50万円以内」などの検索条件が設定された状態で、中古車サイトにアクセスできるという仕組みになっている。

 なお、ピットタッチ・オクトパスは、すぐ近くにあるmoppa(モバイル決済推進協議会)ブースにも設置されている。こちらは手持ちのクレジットカードを選択した上で簡単なアンケート(性別・年齢)に答えると、選んだカード会社のQUICPay用アプリダウンロードページにアクセスできるというものだ。

中古車サイトへアクセスするデモ。おサイフケータイをかざして条件を選ぶと(左)、auケータイクーポンやトルカの形で暗号化されたURLが送られてくる(中)。アクセスすると、ピットタッチ・オクトパスで選んだ条件が含まれた形で検索ページが出てくる(右)
moppaブースにある、QUICPay用アプリのダウンロードコーナー(左)。おサイフケータイをかざして接続すると、自分が選んだカード会社のダウンロードページにアクセスできる(中)。ピットタッチ・オクトパスの裏側(右)

ピットタッチの次世代版も

 ビー・ユー・ジーブースでは、開発中のピットタッチも2種類展示されている。1つはFeliCaだけでなく、ISO/IEC 14443のType AやType Bのカードも読めるもの。もう1つは、ドコモのFOMA 903i以降、auの2007年春モデル以降の機種で採用されている、第二世代モバイルFeliCa ICチップ(Favor 2.0)に対応したリーダー/ライターだ。

 具体的には、トルカ・auケータイクーポンへの完全対応がポイントとなる。トルカやauケータイクーポンは、FeliCaリーダー/ライターからは情報量の少ないシンプルなクーポンを受け取り、その後携帯の通信機能を使って、詳細な内容のクーポンに書き換わるという仕組みになっている。

 しかし新しいピットタッチを使うと、シンプル版を省略し、携帯にいきなり詳細版のトルカやauケータイクーポンを送り込める。「まだFavor 2.0に対応したリーダー/ライターはあまり出回っていません。今後はこちらのタイプが増えていくと思います」(説明員)

第二世代モバイルFeliCa ICチップ(Favor 2.0)対応のピットタッチ。かざしたおサイフケータイに、トルカ詳細が送られている

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年05月15日 更新
  1. サイゼリヤは“折りたたみスマホお断り”なのか? セルフ注文画面が話題、真偽を実機で確かめた (2026年05月13日)
  2. なぜ? マクドナルド「巨大セルフ注文端末」に批判殺到の理由 UI/UXに価格表示まで……直面している課題とは (2026年05月14日)
  3. ドコモ、5G速度で首位も「一貫した品質」でなぜ最下位? auが10部門で受賞 Opensignal調査 (2026年05月14日)
  4. 大幅刷新の「iAEON」「AEON Pay」アプリは何が変わった? 使い分け方や便利な機能を解説 (2026年05月12日)
  5. KDDI松田社長「povoを楽天モバイルの副回線に」――自らアイデア例示 ローミングは26年9月で一区切り (2026年05月13日)
  6. 「駅のQRコードが読み取れない」――ネットに落胆の声 なぜ“デジタル時刻表”が裏目に? (2025年12月25日)
  7. IIJ谷脇社長、ドコモ回線問題について「キャリアとMVNOの原因切り分けが難しい」 IIJmioの値上げは予定なし (2026年05月14日)
  8. 楽天G三木谷氏「(モバイル)ユーザーに迷惑かけない」――KDDI側も理解 気になる2社ローミングの行方は (2026年05月14日)
  9. スマホ“最大規模の値上げ”はいつまで続く? 「1円スマホ」が存続危機、一方で影響を免れる中国メーカーも (2026年05月14日)
  10. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年