タッチレガートセンサーとモーションセンサーで実現した“新しいUI”開発陣に聞く「FULLFACE 2 921SH」(2/2 ページ)

» 2008年03月17日 12時00分 公開
[園部修,ITmedia]
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モーションセンサーでどんな向きでも同じ使い勝手を実現

Photo

 さらに921SHでは、タッチレガートセンサーに加えて、モーションセンサーを搭載し、端末をどの向きに持っても操作できるようになっているのが大きなポイントだ。サイクロイドスタイルの920SHなどでは、ユーザーがディスプレイを縦向きで使っているのか、横向きで使っているのかを容易に検出できるため、ディスプレイの回転に合わせて機能を起動したり、UIの見た目を変える機能を備える。921SHのモーションセンサーは、これに近い操作感をスライド端末で実現する。

 モーションセンサーは、上下、左右、前後の3軸の加速度を検出するセンサーだ。つまり、端末がどの方向に動いているかと、どの向きになっているのかを検出できる。921SHは、初期設定で端末を閉じた状態で回転させると画面がそれに合わせて回転するようになっており、横向き、縦向き、さらには逆さまにしても操作ができるという非常にユニークな機能を備える。

 このモーションセンサーのおかげで、タッチレガートセンサーのボタンは一は常に一定になるのも921SHならではだ。モーションセンサーで端末の向きを検出しているため、その向きに合わせてソフトキーの位置を変更してくれるため、ユーザーは操作で迷うことがない。

 「右利きの人も左利きの人も、使いやすい向きにし構えて操作していただくことができます」(後藤氏)

 さらに、端末を閉じて待受画面を表示した状態から、本体を振ることであらかじめ設定しておいた機能を起動する“クイックショートカット”も利用可能だ。上、左、右の操作を2つ組み合わせて9種類の動作に割り当てておける。

 初期設定では、左に2回振るとカメラが起動するほか、右に2回振ってワンセグを起動したり、右→左と振ってメールメニューを開いたり、左→右とふってピクチャーフォルダを表示したりできる。

 後藤氏は、ボーダフォン時代に日本で初めてモーションセンサーを搭載した「V603SH」も担当していた。しかし「当時は技術的にこんなことができます、という見せ物的な扱いに終わってしまっていました」と振り返る。だが今回の921SHは違うという。

 「921SHを開発するにあたり、センサーの消費電力が落ちてきたこともあって、ユーザーに本当に使っていただきたいと思い、購入時の初期状態から機能をオンにしています。以前はキーを押したりアプリを起動したりして、何らかのトリガーを引いていただいてからモーションセンサーが動作するようになっていましたが、921SHでは待受の状態からデフォルトで使っていただくことを想定しています」(後藤氏)

 このため、端末を手に持ってくるくる回すと、すぐに回転するディスプレイ表示を確認できる。しかし、機能によっては画面が動かない方がいいこともあり、誤動作が起きないよう、どのタイミングでセンサーをオフにするのがいいか、といったこともかなり研究して組み込んでいる。

余計な装飾を排し、よりスタイリッシュに

 このように、さまざまな機能を搭載した921SHだが、ボディサイズはディスプレイのフルワイド化にともなって若干長くなったものの、幅は50ミリで913SHと同等で、厚さは913SHより0.9ミリ薄くなっている。高機能化を果たしながらも、持ちやすいサイズは維持しているわけだ。

PhotoPhoto FULLFACE 913SHと並べたFULLFACE 2 921SH。ディスプレイがフルワイドVGA担ったため、高さは若干伸びているが、幅は同じ50ミリで、厚さは0.9ミリ薄くなっている

 ボディのデザインは、リフレクトバリアパネルを採用したディスプレイ面が真っ黒なので、かなり締まった印象を受ける。さらに、ディスプレイの周囲にはボディカラーと合わせた金属調のフレームを配してスタイリッシュなイメージに仕上げた。このディスプレイ周りのフレームは、側面にくぼみを設けて指輪のような締まったデザインにしている。

Photo 裏面もすっきりしたデザイン。ホワイトとブラックは、表面がテクスチャー仕上げになっている

 側面には不要な装飾をなくし、パーティングラインなどの余計な線が極力入らないように配慮した。バッテリーカバーは、裏面の大部分を覆う形にして側面まで回り込ませ、裏面の線を目立たなくしている。

 「913SHでは、バッテリーカバーの形がはっきり分かる形状だったので、921SHではあまり目立たないように改善しました。側面までカバーを回り込ませることで、裏面もすっきりしたデザインになっています。またディスプレイも、表示が消えるとほぼ真っ黒な画面になるリフレクトバリアパネルを採用したため、表面全体が顔になるようなデザインとしています」(後藤氏)

 ボディの質感は、カラーに合わせて一部変えてある。921SHはライトブルー、ゴールド、ピンク、ホワイト、ブラックの5色展開だが、ブラックとホワイトにはややテクスチャーっぽい仕上げをしている。

 またスライド端末は、折りたたみや回転2軸、サイクロイドと違って、見やすい角度に端末を固定することが難しいため、ワンセグが見やすい角度で保持できる充電台を同梱している。もちろん充電台に固定した状態で[SENSOR]キーを押せば、ボリュームやチャンネル変更などの各種操作が可能だ。

PhotoPhoto 921SHには、ワンセグが見やすい角度で固定できる充電台が同梱されている

 UIのエフェクトなども、今回はユーザーに心地よく使ってもらうために、3Dグラフィックスを用いたメニューや遷移画面を取り入れた。例えばメインメニューで項目を選択すると、選んだアイコンが大きくて前に飛び出してきて、選択した機能の世界に入っていくような演出をしている。

 メニューだけでなく、画面を遷移するときに今の画面が広がりながら奥から次の画面が出てきたり、クリアキーを押すと元に戻るような動作をしたりする。画面を回転すると、一度画面が奥まってから回転し、また手前に出てくるほか、マルチジョブ機能を使って機能の入れ替えをする際には、裏側で動いていた機能がくるっと回って前に出てくるなど、なかなか凝っていて見ているだけでも楽しい。

 「今までは、メニューを表示するのも素っ気ない動きだったのですが、ユーザーが持っている操作イメージに沿った形のエフェクトを入れることで、できるだけイメージに沿った心地よい操作を実感できるように配慮しました。もちろん、キーのレスポンスを最重視するユーザーさんのために、この機能をオフにすることもできます。こういった機能はバランスが重要で、あまり動作が重くなってしまっても使いにくくなってしまうので、我々の“楽しんでほしい”という思いはあるのだですが、やりすぎて独善的になってしまわないよう配慮しました」(後藤氏)

「ひとり旅録」、AE-2によるサラウンドなど、細かな部分も強化

 解像度が3.2Mピクセルに向上したカメラ機能には、名刺リーダーやパノラマ撮影、スキャナ撮影機能といったシャープ端末では今やおなじみとなりつつある機能に加えて、「ひとり旅録」という変わった機能も搭載した。

 ひとり旅録は、メインカメラで撮影した画像に、サブカメラで撮影した自分の姿を合成する機能。風景と自分を別々に撮影して、記念撮影をしたかのような写真が作れる。撮影方法は簡単で、まずメインカメラで風景を撮影し、その後自分の姿をサブカメラで撮影するだけ。自分の姿は、背景のコントラストなどを検出して自動的に切り出してくれる。自画像の配置場所は左下、下中央、右下の3カ所から選択でき、大きさも13段階から選べるので、片手でカメラを持って自分撮りするのとは違った雰囲気の写真が撮影可能だ。

 このほか、ワンセグ録画は従来microSDにのみしかできなかったが、本体メモリにも約30分くらいまで録画可能になった。microSDをうっかり差し忘れていても、短時間なら録画が可能になっている。さらに、microSDの空き容量が足りなくなった場合も、自動的に本体メモリに録画してくれるので、予約しておいた番組を撮り逃す心配が少なくなる。

 ソフトバンクモバイルが新たにサポートした「PCメール」に対応するのも興味深い。Yahoo!メールなどのメールもそのまま携帯電話でチェックできるので、メールを活用しているユーザーには便利だろう。細かな点では、メールの自動返信機能が復活したことにも触れておきたい。PDC時代のシャープ端末には用意されていた機能だが、あらかじめ設定しておくと、会議中や運転中などすぐに返信できないときに、特定のメッセージを折り返し返信してくれる。メッセージは自分で設定しておける。


 タッチレガートセンサーとモーションセンサーという2つの新機軸を採用し、機能面でも913SHから大きく進化した921SH。後藤氏は、開発側の“こうしたい”という思いとユーザーの使い勝手のよさをどうバランスさせるかで非常に悩んだそうだが、結果的にはいいものができたと振り返る。

 「携帯電話は、片手で使えるという点に良さがあると思います。閉じた状態でも、片手でも、いろいろな方向で自由自在に操作できるのが921SHの利点です。携帯のUIの良さを踏襲し、片手で使える良さを盛り込みつつ、センサーなどを追加して新しい操作ができる機能を乗せました。ユーザーの方には是非この新しい操作感を楽しんでいただきたいですね」(後藤氏)

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