4月初めから、韓国にも“EXILIMケータイ”が登場する。LG Telecom(以下、LGT)は、個性派携帯電話をラインアップする「canU」シリーズの8機種目として、カシオ計算機製の「canU801Ex」(以下、801Ex)を4月上旬に発売すると発表した。
801Exは、“EXILIMケータイ”「W53CA」を韓国向けにカスタマイズした端末。手ブレ補正機能付きのAF付き515万画素カメラ、回転2軸型のワイドVGA(480×800ピクセル)表示対応のの2.8インチIPS液晶ディスプレイ、micro SDカードスロットなど、主なスペックはW53CAと同様だ。
韓国独自の機能としては、地上波DMBに対応している点と、LGTの3Gデータサービスである「OZ」に対応している点が挙げられる。801Exは別名「OZ専用フォン」と言われており、インターネット機能を強化した携帯電話という位置付けだ。
LGTが4月から開始する予定のOZは、EV-DO Rev.A(以下、Rev.A)によるフルブラウジングサービスの名称だ。名前は「Open Zone」の頭文字から取っているという。また古代ヘブライ語で「力」「権能」という意味でもあり、「顧客の力になる、実用的サービスを提供する」(LGT)という意味も込められている。
OZは、他社のHSDPAサービスのようなテレビ電話中心のサービスから抜け出し、メールやWebアクセスを携帯電話で利用する、モバイルインターネットの普及を目指すという。「Webブラウジングフォン、高機能カメラフォンに特化している」(LGT)ためか、テレビ電話機能は搭載していない。
フルブラウザソフトには「LGT独自のブラウザが使われている」(LGT)という。LGTではOZを通じて積極的な網開放を行い、これまで料金的な負担感や携帯電話の画面の小ささなどから低調だった、モバイルインターネットの利用率を上げて行きたいようだ。
801Exの価格は50万ウォン(約5万円)台後半。テレビ電話が非対応とはいえ、HSDPAに対応し500万画素カメラが搭載されていることを考えれば、比較的安い部類に入る。色は、ブラック、ホワイト、レッドの3種類だ。
LGTは「(W53CAは)EXILIMケータイということで、日本でも話題になったと聞いている。そうした話題性も含め、大画面、高画素カメラの携帯電話を求めたところ、W53CAの導入に至った」と、801Ex発売の経緯を説明した。
“高速なモバイルインターネットが可能だが、テレビ電話機能がない低価格端末”というのは、実用的なサービスで会員を増やしてきたLGTらしい端末といえる。LGTによると現在、canUのユーザーは約10万人程度だという。LGTの戦略が功を奏するのかどうか、801Exが発売され、OZサービスもスタートする4月上旬が楽しみだ。
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