Verizon、281億ドルでAlltelを買収

» 2008年06月06日 08時06分 公開
[ITmedia]

 米携帯電話会社Verizon Wirelessは6月5日、同業の米Alltelの買収で合意に達したと発表した。Alltelの持つ負債額を加味すると、実質的な買収金額は約281億ドル。Alltelは、先に投資会社TPG CapitalとGS Capital Partners(GSCP)に買収されており、今回の買収取引は、VerizonがAlltelの全株式を、両投資会社から約59億ドルで買収する形で行われる。取引は年末までに完了する見通し。

 Alltelは米国34州でサービスを提供しており、Verizonが事業を行っていない地方の57市場などに1300万人以上の顧客を持つ。買収によりVerizon Wirelessは、年間売り上げ527億ドル(2007年ベース)、顧客数8000万人の米国トップの携帯キャリアとなる。

 Alltelの社長兼CEOのスコット・フォード氏は、買収完了まで現在の職を務める。

 AlltelとVerizonは共通のネットワーク技術を使用しているため、両社ネットワークの統合や規模拡大による運営効率向上などが容易に見込めるほか、Alltel顧客は新サービスにシームレスに移行できるという。Verizonは、資本支出および営業経費の削減など、買収による相乗効果として90億ドル以上のコスト削減(買収関連費用除く)を見込んでいる。うち10億ドルのコスト削減が、取引完了後2年目に可能な見通し。

 Verizonは、この買収により「サービス提供エリアや周波数、カスタマーケアの面で、強化したプラットフォームを創造できる」とし、両社の顧客へのサービス強化につながるとみている。また、Alltelの顧客は、Verizonが今後数年にわたり展開予定の次世代通信規格LTE(Long Term Evolution)のサービスを利用できるとしている。

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