第2回 広州で“小霊通”契約──意外にあっけなく完了徹底解説 ウィルコムのPHSを中国で使う方法(1/2 ページ)

» 2008年06月11日 18時48分 公開
[山根康宏,ITmedia]

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住所いらず、パスポートのみで契約できる広州

photo 中国電信の人民中営業所

 中国小霊通PIMカードを契約するため、最初に訪問した広東省の広州市。

 広州市では中国電信が固定電話事業を展開しており、小霊通も中国電信の店舗で契約する必要がある。ちなみに街中の携帯ショップなどで小霊通を扱うところはほとんどないようで、広州在住の中国人に聞いてもやはり「中国電信に行くのがよい」ということであった。

 広州市の中国電信営業所の場所は、中国電信の広東市支店(広東電信)のWebサイトで検索できる。今回は地下鉄 西門口駅そばの「人民中営業所」(人民中路沿い)を訪問した。

 店内に入ると、整理番号受付端末の横に立つ店員が「ご用件はなんですか」と中国語で聞いてくるが、とりあえず小霊通の契約ができるかどうかをまずは見てみようと考えていたので、笑顔で何も答えずそのまま店内に入ってみた。

 店内をぐるっと眺めると、右側に携帯端末らしきものを展示しているブースがあった。ここが小霊通販売コーナーのようだ。さっそくブースに向かうとここでも店員が「どれにしますか?」といったことを中国語で聞いてくる。今回は中国語のできる現地の友人と同行していたが、とりあえずカウンターの上に小霊通端末のモックアップが置いてあり、ショーケース内の端末に値段が表示してあるので、特に会話を交わさなくても「いくらなのか」は理解できることだろう。

 展示される小霊通端末のモックアップを手にしてみると、裏に中国語となんらかの数字が書いてあるが、これが「端末に通話料込みでいくら」と示す記述のようだ。今回は小霊通の契約だけを行うことが目的だが、例えば最も安価なモノクロ液晶タイプの端末は「通話費300元分(約4500円)込みで390元(約5800円)」とある。すなわち端末の代金はわずか90元(約1300円)ということだ。これは、いわゆる「新規契約なら端末は格安」という販売方法のようである。このくらいの価格なら一緒に小霊通端末も買ってみようと思ってみたくなる価格かもしれない。

 ここで、店員に「小霊通のPIMカードを買いたい」と身振り手振りで伝えてみる。今回は同行してくれた現地の友人にも通訳をお願いしたが、こちらが外国人でも変わらず親切に対応してくれる。「これは一番安い、こちらはカラー液晶、こちらはメーカーがいいので高い」など、中国語だが言われていることが何となく分かる。

photo 小霊通コーナーには端末が多数並ぶ。手前の機種が安いモノクロ液晶型端末で、奥へ行くほど高い。左の紙は電話番号一覧表

 25機種くらい並べてある端末の価格をチェックしてみると、いずれの価格にも300元の通話費込みで、モノクロ端末が350から400元(約4800円から5500円)、カラー端末が500から900元(約7400円から約1万3300円)といったところ。いかにも質の高そうなモデルはさらに高いようだ。それらの中から手ごろなサイズでカラー液晶のUTStarcom「X50」という端末を選んだ。こちらは580元(約8500円)とやや根が張るが、300元の通話料が含まれているので悪くはない選択だろう。

 端末を選ぶと、店員が電話番号が書かれた一覧表を出してきた。ここから好きな電話番号を選ぶ。適当に選んで「これ」と指示すると、あとは領収証のような紙に何かを書き込み、それが渡された。支払いは、そもそも品物はどこか、と思っていたら「向かいのカウンターへ行ってくれ」とのこと。見ると、すぐ向かいのカウンターの店員が手招きしてくれている。後で聞いた話では、店内が込んでいるときはあらかじめ整理券番号をもらっておくのがよいそうだ。

 カウンター越しに座り、先ほど受け取った紙を渡すと「フージャオ」──すなわち「パスポートを出してね」と言われる。やはり契約には身分証明書が必要となる。

 店員はパスポートのコピーをとり、あとは淡々と契約作業を行ってくれる。途中でテンキーだけのキーパッドが差し出される。これで自分のパスワードを設定するようだ。6ケタの数字を打ち込み、確認のためもう1度同じ番号を押すよう求められる。

 さて、固定電話を契約するのだから住所が必要なはず。こちらはホテルの住所をいつ見せるものかと思っていたが、10分ほどで印刷された紙が渡された。これが契約書のようだ。内容を見ると自分の名前やパスポート番号が印字されている。住所欄は空欄だ。広州市では、小霊通の契約に住所はいらないようだ。これならばプリペイド感覚で気軽に契約できるだろう。

 ここで店員が「This is your Number...」と契約書の説明を、英語で語りかけてくれるではないか。これならある程度は安心。「全員英語ができるの?」と聞くと「若干できる人もいるが、そんなにできるわけではない」とのこと。広州市の属する広東省は「世界の工場」として各国からの企業の事務所や工場が多数集結しているが、小霊通を契約する外国人もいるのだろう。住所は不要、パスポートだけで契約できたこと、中国の固定電話会社の営業所で、若干ながら英語が通じたことにちょっと驚いた。

photophoto 慣れた手つきで契約作業を行ってくれる(左)。テンキーを出されたらパスワードを入力する(右)
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