7月11日はアップル「iPhone 3G」の発売日だ。そこで、筆者は同日午前7時から先行販売が行われるソフトバンクモバイルの旗艦店「ソフトバンク表参道」で「iPhone 3Gを誰よりもはやく入手するぞ行列」に参加した。結果はともあれ、まずはその一部始終をお伝えしよう。
7月10日午後3時15分、ソフトバンク表参道の最寄り駅である明治神宮駅に到着。待ち合わせた友人と連れだって、お店に向かう。しばらく歩いて最後尾を見つけ、そこに並ぶ。行列はまだ85メートルほど。スタッフによるとおよそ125人目という。
ソフトバンクモバイルのスタッフが人数を把握しながらチェック。横はいりは禁止、場所取りも禁止、食事やトイレなどで列を抜けるときは、最寄りのスタッフか警備員から「トイレチケット」を受け取り、そこに記された時刻から30分以内に戻ることと厳命を受ける。そこまで厳密に適用されることはないものの、遅れて来たヤツは列の最後尾へ行け、場所だけ取っておいて途中で抜けて家でゆっくりなんて許さん、といわんばかりである。
平日の午後ということもあり、行列の伸びは鈍いものの、午後6時半あたりから目に見えて人が増え、歩道橋を越え、五輪橋を越えると、あとは山手線に沿って南へと並ばされる。
午後9時過ぎになるとソフトバンク表参道が閉店し、その場で大改装が始まる。7月11日から13日までの3日間はiPhone 3G販売専門に切り替わるためだ。まずは足場が組まれ、中が見えないようにシートで覆われ、その中で模様替えが進んでいく。
外装が終わると内装に取りかかる。スタッフに聞くと、契約するためのカウンターを100台用意しているとのこと。
一方、待ち行列は午後10時あたりで500人を超え始め、その後、着々と列が長くなっていく。翌11日午前0時には電力館前まで列が伸びていたという。距離にして約800メートルだ。車の出入り口などは避けて2列に並ばされるので密度はさほど高くないが、1000人は超えていたろう。
深夜の午前1時過ぎ、ソフトバンクモバイルのスタッフが並んでいる人々にクリアホルダーを配り始める。中にはiPhone 3Gのパンフレットのほか、購入にあたっての詳細な注意事項や、契約内容の確認を行うための書類が入っている。
朝までの長丁場で退屈するかと思いきや、入れ替わり立ち替わり、我々を冷やかしに来る友人や知人、業界人に恵まれ、それなりに退屈せずに過ごす。
そして午前3時半ごろ、「本日の受け付けは終了しました」の看板が登場。それ以降に並んだ人は、2日目(つまり7月12日)の購入となる。それでも並ぶ人はいたという。
夜が明けると、スタッフが行列に声をかけはじめ、午前5時には列を詰めさせられる。立って半畳、寝て一畳という感じで、列の長さが半分以下に短くなる。
いよいよである。大量のスタッフがマンツーマンで、深夜に配布した書類について詳細を説明しつつ、iPhone 3Gが使えるPCを持っているか、どの端末をどのように買うか、新規か機種変更か、支払いはどうするか、オプションサービスはどうするか……つまり購入のために必要な情報をチェックする。
なかなか賢い方法だ。入場する前に最低限必要な説明を済ませ、購入に必要な情報を用意させることで、手続きをスムーズに済ませようという意図である。携帯電話の購入には必要な手続きが多々あり、少しでもスムーズにこなさないと大量の販売はできないからだ。
やがて報道陣が集まり、オープニングセレモニーが始まって(もちろん遠くからしか見えないが)盛大なスモークがたかれる。
そして午前7時、最初の客が中に入る。やがて購入手続きが完了した客が出てきて、メディアのインタビューを受けて、それでやっとオープニングイベントが終了だ。その間、約35分。ひとりあたり30分程度かかる計算だ。筆者が店内に案内されたのはおよそ8時。行列に加わってから約18時間が経過した。頭上にいつのまにかiPhone 3Gの垂れ幕がぶら下がっている。
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