左からNECモバイルターミナル商品戦略本部 チーフクリエイティブディレクターの佐藤敏明氏、小西真奈美さん、NECモバイルターミナル事業本部 副事業本部長 兼 モバイルターミナル商品戦略本部長の小島立氏NECは8月12日、「見やすさ」「使いやすさ」「楽しさ」にこだわったというドコモ向けの最新端末「N706ie」の発表会を開催。会場にはCMキャラクターに起用が決まった小西真奈美さんも来場し、その魅力をアピールした。
N706ieは、NTTドコモが新たなスタンダードとしてラインアップした「ie」シリーズの1機種。ieシリーズは、大きく押しやすいキーや見やすい大きな文字、音量の自動調整機能、通話品質向上機能など、携帯電話としての使い勝手を重視するユーザーをターゲットにしたモデルで、NEC、パナソニック モバイルコミュニケーションズ、シャープ、LG電子がそれぞれに工夫を凝らしたモデルを展開している。
中でもN706ieは、心地よい使いやすさを目指して開発されたモデルで、FOMAハイスピード(3.6Mbps)やワンセグ、長時間駆動が可能なバッテリー、デザインの美しさなど、ケータイにさまざまなものを求めるユーザーでも満足できる仕様を満たしつつ、使いやすさ、見やすさに配慮した機能を用意し、“携帯電話には慣れ親しんでいる中高年層”をターゲットにする。
NECモバイルターミナル事業本部 副事業本部長 兼 モバイルターミナル商品戦略本部長の小島立氏は、N706ieを「ユニバーサルデザインの要素を訴求した端末」だと紹介。「ベーシックな携帯として、今ユーザーが求めている、長く使える携帯を目指して企画した」(小島氏)という。
2008年のNECの端末ラインアップの中で、N706ieは「ユニバーサル(Universal)」と「高機能(Functional)」の軸に位置づけられる製品となる。より「革新的(Innovation)」な「N906iL」や「N906i」「820N」などと比べると、使い勝手に大きく配慮したユニバーサルデザインに近いものだが、機能では妥協しておらず、「N706i」や「821N」のように、「感情的(Emotional)」なモデルというわけではない。これまでのラインアップにはなかった端末だ。
小島氏はN706ieの「拡大もじ」「メニュー」「メインディスプレイの時計」「サブディスプレイ」「ハイパークリアボイス」「ワンタッチオープン」「大きなボタン」「バッテリー」「ワンセグ」「歩数計(ウォーキングカウンター)」といった機能を1つ1つ紹介しながら、小難しくない、心地よい使い勝手を目指したことを説明した。


拡大もじを採用しており、メニューのすべての領域の文字が大きくなっている(写真=左)。もちろんピクト表示や機能メニュー、ソフトキーのガイドなども大きな文字で表示する。メニュー構成は1画面に納まるシンプルな構成にして検索性を向上(写真=中央)。項目も整理して分かりやすくグルーピングし、利用頻度が高いものを上の方に配置している。メインディスプレイの時計も、従来のモデルより4倍大きくしてあり、開けば一目で時間が分かる(写真=右)

サブディスプレイは1.6インチと大きめのSTN液晶で、時計や歩数計の文字が見やすいデザインとしている(写真=左)。時計の文字はN705iと比べると最大で約4.5倍のサイズになっているという。音声の聞きやすさを実現する「ハイパークリアボイス」は、本体のマイクで検出した騒音レベルに応じて、相手の声の音量アップなどの処理をして聞き取りやすくする(写真=中央)。スタジアムなど、大きな歓声の中で電話をしても話が聞こえやすいという。パナソニック モバイルコミュニケーションズ製端末ではおなじみの、ヒンジ部のボタンで端末が開ける「ワンタッチオープン」も新たに搭載した(写真=右)

ダイヤルキーや発話/終話キーなどはサイズを大きくした上で、文字や数字も大きくコントラストが高いものにした(写真=左)。快適に使うためには必須のバッテリーの持ちにも配慮し、FOMA最長の連続通話250分を実現(写真=中央)。連続待受時間700時間、ワンセグ視聴時間300分もFOMAでは最長クラスとなっている。ワンセグはアンテナ内蔵で搭載しており、使いやすい(写真=右)。ワンセグ視聴中にメールなどの着信があると、画面上にテロップを表示して知らせる

新たに歩数計(ウォーキングカウンター)も搭載し、健康管理も行える。専用のアプリを用意しており、歩数は補講時間、歩行距離、消費カロリーなどを表示してくれるほか、記録をグラフ表示してくれたりもする。待受画面には、消費カロリーに応じて相当するカロリーの食べ物や飲み物を表示する機能も用意したNECモバイルターミナル商品戦略本部 チーフクリエイティブディレクターの佐藤敏明氏は、「2年前にクリエイティブスタジオを作ったときに、『イノベーション』と『ユニバーサル』というキーワードを掲げ、今までの価値を、どういう風に新しい価値につなげていくかを考えてきた。その1つの課題がN706ie」と、ずっと温めてきた企画であることを紹介した。
佐藤氏は、「ユニバーサルというと『簡単』『安心』という感じがあるが、メインターゲットは50代のアクティブな人」と話し、富士通が開発している「らくらくホンV」や「らくらくホン ベーシック」のような端末とは位置づけが異なると説明した。
「40代から50代のアクティブな人は、デザインなどにも感度が高い。小さいときから技術革新の波で周りのいろいろなことが豊かになってきた時代を生きてきた人だ。ファッションや音楽、ライフスタイル、自動車、あるいは他の趣味の世界も含め、いろいろなところで時代を謳歌してきた人。バブルの時代も経験しており、海外の情報も持っている。そういう人に対して、どのように製品を表現したらいいかを考えた」(佐藤氏)
そんな中で佐藤氏が至った結論は、「小難しいくないものを作る」ということだった。小難しいことはなるべく省きつつ、でも機能はしっかりしている。搭載する機能は、デザインや仕組みで配慮して、ハードルを低くする──。こうした配慮を随所で行い、できあがったのが「日常的に使ってもらえ、かつデザインなどでも満足していただける端末」(佐藤氏)だった。
ボディカラーも食べ物や貝、ワインなどがイメージできる色(Truffle Brown、Shell White、Chianti Red)とし、リッチな感じで日常生活に入っていく、身近に感じてもらえる色合いを選んだという。
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