ケータイのアドレス帳をiPhone 3Gに移行してみた(2/2 ページ)

» 2008年08月18日 23時35分 公開
[大滝啓也,ITmedia]
前のページへ 1|2       

アドレスデータのインポートにも一工夫が必要

 次は、このCSVファイルを手持ちのPCのアドレス帳にインポートする必要がある。Windows Vistaなら「Windowsアドレス帳」、Windows XPなら「アドレス帳」、Mac OS Xなら「アドレスブック」を起動して、CSVファイルを読み込む。

 ただし、Windows VistaのWindowsメールやWindows XPのOutlook Express、Mac OS Xのメールなどを使っている場合は、常時使用しているメーラーのアドレス帳と携帯のアドレス帳が混ざってしまうと困ることもあるだろう。もしこれらのメーラーを使っているなら、先にアドレス帳をバックアップ(エクスポート)の上、内容をいったんすべて削除してしまってから、携帯から出力したCSVファイルをインポートし、作業が終わり次第元の状態に戻した方がいいかもしれない。

 それではCSVファイルをインポートする方法を、Windows XPの場合で見てみよう。「アドレス帳」では、CSVファイルを読み込むと、「インポートするフィールドの割り当て」という作業が発生する。実は、携帯メモタツで出力されたCSVファイルの項目名とアドレス帳の項目名はほとんど一致しておらず、自動設定では「メモ」しか同期できないからだ。そのため手動で携帯メモタツ側の項目とアドレス帳側の項目の対応を指示してやる必要がある。

 携帯メモタツのCSVデータとアドレス帳の項目の対応は、筆者の調べた限りでは下記のようになっていた。

携帯メモタツとアドレス帳のデータの対比
携帯メモタツ アドレス帳
メモリNo. 該当なし
名前(「姓;名」と出力) 姓名合わせて「名」
ふりがな 引き継ぎ不可
電話番号1〜10 自宅電話番号(1のみ)
メール1〜10 電子メールアドレス(1のみ)
メモ メモ(自動割り当て)
グループ名 該当なし
グループ名読み 該当なし
シークレット 該当なし
郵便番号 自宅郵便番号
住所 自宅住所

 「割り当ての変更」が終了したら「完了」をクリックすると、アドレス帳にデータがインポートされる。この段階で携帯の絵文字は「・」に文字化けする。

PhotoPhoto 「アドレス帳」にCSVファイルをインポートする場合、途中でテキストフィールドとアドレス帳フィールドの割り当てを指定する必要がある。初期状態では「メモ」のみが割り当てられているので、1つ1つ修正しなくてはならない

 アドレス帳のほか、Outlookのアドレスデータとも同期ができるので、Outlookを持っている場合はこちらを使ってもいい。なお、この作業が終わった時点で、取り込めなかったふりがなはアドレス帳上でふり直しておくといいだろう。そうしないと、後々かなりひどい目に遭う。

iTunes経由で同期させて完了

 最後に、アドレスデータをiPhoneに転送するわけだが、これにはiTunesが必要になる。iPhoneユーザーなら、すでにiTunesはセットアップ済みだと思うが、もしまだの場合はこちらの記事を参照してほしい。

 iTunesとiPhoneを初めて接続した場合は、最初に表示される「iPhoneを設定」の画面で「アドレスデータ、カレンダー、メールアカウント、およびブックマークを自動的に同期」にチェックを入れ、「アドレスデータを同期」の選択肢から「Windowsアドレスブック」を選べばいい。すでにiPhoneの設定が完了している場合は、iTunesを起動した状態でiPhoneを接続し、画面左の「デバイス」から自分のiPhoneを選択して、「情報」タブを開いてアドレスデータを同期にチェック、「Windowsアドレスブック」を選択して「適用」ボタンを押せばいい。これで無事iPhoneに携帯のアドレス帳が取り込まれ、全ての作業が完了となる。

PhotoPhoto iPhone購入後、初めてiTunesと接続すると、左の設定画面が表示される。この時点でアドレス帳データを「アドレス帳」や「Outlook」にインポート済みであれば、「アドレスデータを同期」の設定を選ぶだけで主な情報はiPhoneに転送される。初期設定後であれば、「情報」タブを開いて「アドレスデータ」の項目で「アドレスデータを同期」にチェックを入れればいい

 なお、ここでiPhoneに取り込んだアドレスデータを確認すると、対応していない絵文字が文字化けしているのはもちろん、アドレス帳でふりがなを振っていなかった場合は、漢字のアドレスデータがすべて「#」(記号)扱いになっている。ひらがな、カタカナは50音順に分類されるが、漢字の姓名がすべて同じ項目に分類されてしまっていて検索性が悪い。iPhoneへ取り込んだ後、自力でふりがなを入力すればもちろん50音順に表示できるが、数百件もあるアドレスデータに1件1件iPhoneでふりがなを入力するのはあまり現実的でない。前述のとおり、CSVファイルをアドレス帳に取り込んだ段階でふりがなを振っておくべきだろう。

PhotoPhotoPhotoPhoto Windows上では「・」と表示されていた“元”絵文字は、iPhone 3G上では「□」になった(写真=左)。ひらがなやカタカナの氏名は正しく分類されるが(写真=中央左)、ふりがなのない漢字の氏名はすべて「#」の項目に分類されてしまう(写真=中央右)。CSVファイルの対応項目をきちんと指定してやれば、電話番号とメールアドレス、URL、住所などは転送できたが、実用的に使える状態にするにはいろいろと修正が必要だろう

 このように、アドレス帳を音声端末からiPhoneに移転するのはなかなか面倒で手間がかかる。アドレス帳コピーの手順を、事前にしっかり理解して、作業に取りかかった方がいいだろう。なお、「携帯メモタツ」に同梱されている説明書では、CSVファイルを「Windowsメール」や「Outlook」に取り込む方法が簡単に書かれているのみで、iPhoneとの同期方法はAppleのサポートサイトを見るようにとしか案内がない。やはりOEMとしてキャリアに端末を納入している他の端末メーカーとは、いろいろと対応が異なるようだ。いっそ、ソフトバンクモバイルがアドレス管理アプリのようなものを開発してくれるといいのではないかと思う。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年