“壁のない”Windows Mobileはどう変わるのか――マイクロソフト:CEATEC JAPAN 2008

» 2008年10月01日 07時00分 公開
[園部修,ITmedia]

 マイクロソフトは9月30日、CEATEC JAPAN 2008の基調講演で、Windowsファミリーの新たなコンセプトを発表した。そのコンセプトとは“Life Without Walls”。これまでWindows Vista、Windows Mobile、Windows Liveと、それそれ別々に展開してきたソフトウェアとサービスを統合し、シームレスに使えるようにするのが狙いだ。

Photo 米Microsoftコーポレートバイスプレジデント Windows コンシューマー プロダクトマーケティング担当のブラッド・ブルックス氏

 基調講演の冒頭で登壇した米Microsoftコーポレートバイスプレジデント Windows コンシューマー プロダクトマーケティング担当のブラッド・ブルックス氏は「最近のマイクロソフトは法人ユーザーにフォーカスしたオフィスアプリケーションソフトやサーバなどの事業の印象が強くなっているが、もともと20年前に創業した当時はコンシューマ向けのアプリケーションソフトを開発していた会社。今回の新コンセプトには、Microsoft全社の戦略のとして、もう一度コンシューマ向けのブランドに立ち戻ろうという意図がある」と話し、自らが統括するオンラインサービス&Windows部門が一丸となって、現状のコンシューマー向けWindowsファミリー間にある“壁”を取り去り、コンシューマーが楽しく便利に使える製品群をリリースしていく決意を示した。

Photo “Windows Life Without Walls”を掲げ、Windows間の「壁」を取り払うと宣言
Photo マイクロソフトの代表執行役副社長 コンシューマ&オンライン事業部担当の堂山昌司氏

 マイクロソフトの代表執行役副社長 コンシューマ&オンライン事業部担当の堂山昌司氏は、PCとWebがシームレスに使えるだけでなく、日本で特に大きな進化を遂げている携帯電話との融合が非常に重要だと話した。「それぞれのプラットフォームを、マイクロソフトとパートナー企業でこれから作るサービスによって、シームレスにつないでいきたい」(堂山氏)

 それを実現するためにマイクロソフトが掲げるのが「ソフトウェア+サービス」という考え方だ。

 「それぞれのメディアやプラットフォームの壁を取り除いて、それらをサービスでつなぐ。こうしてユーザーにシームレスに楽しんでもらえるようにする。マイクロソフトはOSやプラットフォームを持っているが、ユーザーはどんなサービスがあったらそれらをより楽しく使ってもらえるかを常に考えていく」(堂山氏)

HTC Touch Diamond向けにフォトシェアリング用アプリを用意

 Windows Mobile上で、このソフトウェア+サービスを実現する機能の第1弾が「フォトシェアリング」だ。マイクロソフトが提供する無料のオンラインストレージ「Windows Live SkyDrive」に、「HTC Touch Diamond」で撮影した写真を1タッチもしくは2タッチ程度でアップロードできるアプリケーションを提供し、簡単に写真を人に見せたり、Webに公開したりできるようになるという。アップロードした写真は、PC上では「Windows Liveフォトギャラリー」を活用することで、ローカルディスクにある写真と同じように、SkyDrive上の写真の管理ができる。

PhotoPhoto 基調講演では、HTC Touch Diamondで撮影したブルックス氏の写真を、即座にWindows Live スペースのブルックス氏のページにアップするデモを披露した
Photo マイクロソフト モバイルコミュニケーション本部 本部長の越川慎司氏

 基調講演では、堂山氏は「今、まさにケータイとPCのつなぎ込みをやっているところ。年内にはもしかしたら何か発表ができるかもしれない」と話すにとどめたが、ブースで話を聞いたマイクロソフト モバイルコミュニケーション本部 本部長の越川慎司氏は「年内にHTC Touch Diamond向けにこの機能をリリースする」と明言した。

 写真をアップロードできるアプリケーションは、CABファイルでの配布になる模様で、まずはHTC Touch Diamondのみの対応になるが、発売予定の「HTC Touch Pro」でも利用できる可能性が高いという。その後も順次対応機種を増やしていく考えだ。将来的には、PCを介さずに、ソニーのCanvas Online「CP1」のような通信機能を持つデジタルフォトフレームとの連携も図る。

 越川氏は「今年のWindows Mobileは、『ソフトウェア+サービス』とHTC Touch Diamondのような『魅力的なデバイス』の2本柱で攻めていく。期待してほしい」と自信を見せた。

PhotoPhoto HTC Touch Diamondで撮影した写真を簡単にWindows Life SkyDriveにアップロード。写真はWindows Liveフォトギャラリーで簡単に閲覧・管理できる(写真=左)。会場にはHTC Nipponのデビッド・コウ社長も来場し、Touch DiamondとTouch Proの魅力を紹介した(写真=右)

 Windows VistaとWindows Mobileは、同じWindowsと名の付くOSだが、実際にその上でできることには大きな違いがある。その違いをあまり意識することなく、写真などのデータを気軽にどのデバイスでも扱えるようにするために、Windows Liveの機能をそれぞれのOSから簡単に利用できるようにする「ソフトウェア+サービス」という考え方は、今後の携帯端末のあり方を変えるだけのポテンシャルを持つと言えるだろう。

 ネット上のサービスと連携したアプリケーションや携帯端末の機能にとどまらず、PCともシームレスに連携する機能をいち早く提供できるのは、マイクロソフトならでは。現状、ユーザーが目にできるのはまだ1つのサービスのみだが、第2弾、第3弾も用意されているとのことなので、楽しみに待ちたい。Windows Mobileの“未来”の一旦は、CEATEC JAPAN 2008のホール3にある同社のブースで垣間見ることができる。

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