KDDIは9月30日、同日開催した「CEATEC JAPAN 2008」にてソーラーパネル搭載ケータイのコンセプトモデル3機種を発表した。市販化の予定はなく、さらに現在の性能のソーラーパネルを搭載しても発電量が少ないため、あくまで補助的な充電手段としてしか使えないという。そのためか、3モデルとも実用目的というより“ケータイを太陽で充電する”という行為を楽しむためのデザインになっている。
スライドボディの「SOUP」は、背面のカバーを開けるとソーラーパネルが現れる端末。量子論で語られる“SOUP”(時空の区別がなくあらゆる物質が解け合った超高温・超高密度の世界)や、仏教の“空”(ものの実体がなくあらゆる事象が相互に依存し溶け合った状態)という考え方をもとに、特定の機能を抽象化することなく純粋な美を追究したという。ソーラーパネルによる補助充電機能はもちろん、通話やメール、カメラ、音楽プレーヤー、Webなどの機能を感じさせる要素を廃し、ディスプレイやスピーカー、赤外線ポートなどの境目を消すといったシンプルさが特徴だ。
背面に観音開き型のソーラーパネルを搭載するのが、ストレートボディの「voyage」。発電面積を稼ぐためにカバー内面も太陽電池として利用しているほか、ソーラーパネルを広げたときのスタイルや、ゴールドのボディカラー、そして名前からも分かるように人工衛星(宇宙機)をモチーフにしている。さらに、充電時にはディスプレイに“月から見た地球”を表示するなど、宇宙に浮かぶイメージを徹底させたという。
タブルヒンジを持つ「gem」は、ちょっと変わった折りたたみ型の端末。宝石(gem)の原石である鉱石をイメージしたデザインで、折りたたむ側にソーラーパネルを配置。充電時に端末を開くと鉱石のカット面のようにソーラーパネルが現れる。
ディスプレイと十字キー、ダイヤルキーが露出しているため、折りたたんだ状態でもほとんどの操作ができるのも特徴だ。十字キーとソフトキーは側面に配置され、ビデオカメラのように持って操作できるという。またボディ全体はラバーで覆われており、ソフトキーやダイヤルキーはバックライトによって浮かび上がるように照らし出される。

ケータイは普通、カメラやスピーカー、ディスプレイなど、機能を感じさせるディティールをデザインに盛り込んでいる。「SOUP」はそうして機能ごとの抽象化を廃し、あらゆる存在が溶け合ったようなデザインを求めたそのほかに、au design projectのコンセプトモデル「ガッキトケータイ」「PLY」の展示も行われている。
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