数年前は海外のメーカーと合弁、提携を行うなど、中国の家電、端末専門メーカーにはかなりの勢いがあった。しかし最近は中国国内でもNokiaやSamsung電子など、全世界で展開する海外メーカーにシェアの大半を奪われるなど、すっかり元気をなくしている。
対して、端末のみならず、インフラやサービスまでを手がけるHuaweiやZTEといった総合通信メーカーの躍進が著しい。同社らは3Gの開発にも早期から着手し、中国国内だけではなく海外にも積極的に進出ている。今や各国の通信事業者にMade in Chinaの3G端末がOEM供給されているほどだ。このほかOEMに徹した輸出メーカーも着実に力を付けてきていることが伺え、中国メーカーの3G端末が今後世界中の市場でシェアを拡大しそうな勢いをひしひしと感じた。
Huawei(華為、ファーウェイ)は、イー・モバイル向けに複数の製品を納入することから、日本でもその名前は少しずつ認知されるようになっているメーカーだ。同社ブースには音声端末とデータ通信端末が並べられ、豊富にラインアップできる製品力を特に強くアピールしていた。ほとんどの製品には各国の通信事業者のロゴ入っており、Huaweiのメーカー名こそは表示されてなくとも同社の製品が世界中に受け入れられていることを物語っていた。
データ通信端末は、イー・モバイル端末として日本でもおなじみのUSB外付け型やUSBスティック型のモデルがずらりと並べられ、その多くがHSDPAやEV-DOに対応した高速タイプだとなっている。
このほか、HSUPAに対応する「E270」というモデルや、国内ではKDDIが採用するEV-DO Rev.A対応モデムも用意する。E270はすでに市場に投入されており、ヨーロッパやアジアの通信事業者で採用例が増えている。日本へのEV-DO対応モデム投入は「通信事業者さんから話があれば、真剣に検討したい」(メーカー説明員)とのこと。今のところ、(少なくともこのような展示会で公示できるほどの、という意味における)KDDI側からの打診はないようだが、W-CDMA/HSDPA以外にEV-DO対応モデルとしても、同社の製品が日本で発売される可能性はなきにしもあらずであろう。
一方音声端末は約10機種を展示。このうち3G対応端末はVodafone向けやイー・モバイル向けの「H11HW」がかなり目立つ位置に置かれていた。世界中で事業を展開するVodafoneと、海外メーカーの参入にはハードルが高い日本市場向けに製品を納入できることが海外通信事業者のバイヤーなどから注目を浴びていたようだ。製品のスペックはベーシックタイプが多いが、その品質は大手メーカー製品と比較しても遜色がないレベルに達しており、ひと昔前の中国製品にありがちだった安っぽい製品は皆無である。
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