ゴージャスケータイ「VERTU」、2月に日本市場に参入――ドコモのMVNOで

» 2008年12月02日 15時04分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 ラグジュアリー携帯電話の製造・販売を手がけるNokia傘下の英Vertuが、NTTドコモの回線を利用したMVNOとして携帯電話事業に参入すると発表した。

 2009年2月19日に日本の第1号直営店となる「Vertu銀座フラッグシップストア」をオープンし、同日からVERTUブランド端末の予約販売を開始する。

 Vertu銀座フラッグシップストアで取り扱うのは、高級素材のみを使って専属職人が組み立てた「シグネチャー」、スポーツカーからヒントを得て素材やデザインを追求した「アセント・ティー・アイ」の2つのコレクション。アセント・ティー・アイについては、端末に自動車メーカー、フェラーリの“跳ね馬”の紋章をあしらった限定特別モデル「アセント・ティー・アイ フェラーリ」の販売も予定している。

 同社は2009年第2四半期(2009年4月から6月)をめどに、プレミアムメンバーシップサービスの「VERTU Club」を開始する予定で、予約した端末は同サービス開始後に届けられる。なお、希望者には、3Gに対応したSIMロックフリー端末を先行販売するとしており、VERTU Clubがスタートするまで音声通話のみを利用できる。

 VERTU端末向けのサービスは、VERTU Clubを通じて提供する予定で、EメールやWeb、コンシェルジュなどのサービス概要については、別途発表するとしている。

 端末価格は、シグネチャーの「ステンレススチール」が121万円、「イエローゴールド」が335万円、「ホワイトゴールド」が370万円。なお、同コレクションの「プラチナ」は価格未定となっている。

Photo Signature Collectionのイエローゴールド(左)。フロントを覆うサファイヤクリスタルは、2000℃の溶鉱炉の中で2週間以上かけて生成したもの。ダイアモンド刃先の工具のみで切削・研磨加工できる硬度を誇り、傷つく心配がほとんどないという。右はNew Signature Collectionのステンレススチール、イエローゴールド、ホワイトゴールド

 W-CDMA/GSMに対応し、オートフォーカス対応の300万画素カメラを搭載したアセント・ティー・アイは、「レッドレザー」「ブラックレザー」「ブラウンレザー」がそれぞれ67万円、「メタリックグレー・レザー」「パープルレザー」が80万円。

 アセント・ティー・アイ フェラーリは、ボディにブラックフィニッシュチタンを採用し、側面にナールラバーとチタンを採用した限定モデルの「ブラックレザー」が110万円。スペシャルモデルは、側面にレッドレザーをあしらった「アセント・ティー・アイ フェラーリ ロッソ」、イエローレザーを採用した「アセント・ティー・アイ フェラーリ ジャッロ」の2モデルが用意され、価格は94万円。

Photo スポーツカーからヒントを得てデザインされたアセント・ティー・アイ(左)。自動車メーカー、フェラーリとのコラボレーションモデル「アセント・ティー・アイ フェラーリ」の販売も予定している

富裕層向け市場に可能性――英Vertu

 英Vertuが手がける携帯電話は、最も安いモデルでも68万円という高価なモデルで、海外ではコンシェルジュなど付加価値の高いサービスと合わせて、富裕層向けに展開している。

 ラインアップする端末も、素材やデザインにこだわっており、シグネチャーはフロントフェイスを「サファイヤの海」と呼ばれるサファイヤクリスタルで覆い、ダイヤルキーに合計4.75カラットのジュエルベアリングを採用するなど、厳選した素材のみで作られている。

 アセント・ティー・アイは、スポーツカーからヒントを得て開発した端末。ダッシュボードの計器を連想させるオンスクリーンクロノグラフや、ダイヤルキーのオフセット照明を端末に取り入れ、ボディの素材にはスポーツカーのエンジンに使われるハイパフォーマンスチタンを採用した。

 アセント・ティー・アイ フェラーリは、フェラーリ最新モデルの内装に使われたレザーとステッチを端末にあしらった特別モデル。バッテリーカバーにはフェラーリ特有のスィーピングボンネットのディテールを反映させ、端末側面にエンジン上部のルーバーを思わせるメッシュ状のスリットをレイアウトするなど、フェラーリの世界観を携帯電話のデザインで表現している。着信音はミュージシャンのデイヴ・スチュワートが手がけ、フェラーリのエンジン音をミックスした曲も用意するなど、コンテンツにもこだわった。

 こうした従来の日本にはなかった端末・サービスの提供で、新規参入する英Vertuだが、日本市場では、端末の出荷台数が冷え込む傾向にあり、11月27日には英Vertuの親会社にあたるNokiaが、日本市場向け端末の開発・販売を終了すると発表している。

 市場環境が良好とは言えない時期に参入することについて、Vertuは「数年にわたる市場調査を行った上で日本市場への参入を決めた。(マス向け端末を提供するNokiaとは)顧客もビジネスモデルも戦略も異なり、富裕層に向けた携帯電話サービスは、日本市場でも可能性があると見ている」(Vertu広報)としている。

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