931SHは[0]〜[9]のダイヤルキーに割り当てられたショートカットも多い。まずはアドレス帳の時短検索。待受時に[1]キーを長押しすると「あ」行、[2]キーを長押しすると「か」行のアドレス帳が起動する。なお、[*]キーの長押しで「S!ともだち状況」の一覧表示、[#]キーの長押しでマナーモードの切り替えが可能だ。
ちなみに、「904SH」や「AQUOSケータイ 912SH」などソフトバンクモバイルの過去のシャープ製端末や、NTTドコモとauのシャープ製端末は、ショートカット登録した機能をダイヤルキーの長押しで呼び出せる機種が多い。個人的には、アドレス帳の時短検索よりもショートカット呼び出しの方が便利だと思うが、931SHはキーショートカット設定で6つの機能を登録できるので、これで“ダイヤルキー長押しショートカット”をカバーできる(数は4つ少ないが)。
もう1つ覚えておきたいのが「クイックオペレーション」だ。これは従来のシャープ製端末でも利用できる機能で、待受時にダイヤル入力して十字キーやソフトキーを押すと、アラームやスケジューラ、電卓を起動できるというもの。
例えば「1210」と入力すると、「12時10分」に設定するアラーム、「12月10日」を選択したカレンダー、「1210」を入力した電卓を呼び出せる。筆者がよく使うのは電卓で、割り勘の計算をするときに活躍している。
このほか、[0]〜[99]キー+発話キー/メールキーで簡単に電話発信/メール作成ができる「スピードダイヤル/メール」もある。この機能はアドレス帳のメモリ番号「0」〜「99」(または「9」)に登録した人あてに利用できる機種が多いが、931SHのスピードダイヤル/メールは、アドレス帳のメモリ番号とは個別に設定できるので、アドレス帳を編集し直す必要がなく便利だ。
また、スピードダイヤル/メールに登録した番号を待受時に押すと、その番号に登録した人の名前が画面に表示されるので、間違えて発信してしまう心配がない。これは923SHには搭載されていない仕様で、細かいが進化した部分だ。
ここまで説明してきたとおり、931SHでは実に多彩なショートカットを利用できる。主なショートカットは下記の8つだ。
ここで問題となるのが、これらのショートカットをどうやって使い分けるかだ。特に、デスクトップアイコン、キーショートカット設定、通常のショートカットの3つは「待受画面からさまざまな機能を呼び出す」という用途は同じなので、意外と使い分けが難しい。
まず、「特定のS!アプリ」と「外部メモリ内のピクチャフォルダ/ムービーフォルダ」「特定のアドレス帳データ」「特定の電話番号/メールアドレス」「特定のワンセグチャンネル」はデスクトップアイコンにしか登録できないので、これらの機能は優先的にデスクトップアイコンに登録したい。
筆者は「jigブラウザ9」「TETRIS BLACK R」と(外部メモリ内の)ピクチャーフォルダを登録している。あとは付せんのように使える「ちょこっとメモ」も待受画面に登録し、備忘録として活用している。
キーショートカット設定は、“利用頻度の高い機能”を登録している。先述のとおり、上キーにはカレンダー、Yahoo!ケータイキーにはYahoo!ケータイメニューを設定し、メールキーはS!メール新規作成のままにしている。また、外出先でよく使うメモ帳を左キーに、赤外線通信を右キーに設定している。931SHの赤外線通信は、メインメニューの「設定」→「外部接続」という少々分かりにくい場所にあるので、何かしらショートカット設定をしておきたい(そもそも「外部接続」を第1階層に設けてほしいと思う)。
通常のショートカットには、利用頻度の高い機能のほか、“マルチジョブとして使いたい機能”を登録している。ソフトバンクのシャープ製端末で2つの機能を同時に立ち上げる「マルチジョブ」を利用するには、ショートカットメニューを経由する必要がある。
例えば、受信メール閲覧中にWebサイトを見たければ、ショートカットキーからYahoo!ケータイやブックマークにアクセスすればよい。ショートカット一覧には「メニューリスト」もあるので、ショートカットからメニューリストをたどればすべての機能にアクセスできるが、ショートカットからの方が当然早い。
筆者の場合、メールを見ながら天気予報や乗換案内、予定を確認したり、ブラウズ中に検索やメモしたり、といったことが多いので、「カレンダー」「検索」「ブックマーク」「メモ帳」を通常のショートカットに登録している。
このように、各ショートカットの特性を見極めて機能やデータを割り当てれば、より効率よくショートカットを活用できるだろう。
931SHはソフトバンクの機能やサービスをフルに利用できる1台としても魅力的だが、タッチパネルや物理キー、モーションセンサーなどを使ったショートカット機能の完成度も非常に高く、まさに“最強のショートカット端末”といえる。目立つ部分ではないが、使うほどにその便利さを体感できるはずだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.