今回はつるんとして丸っこいボディがなんとも手になじむ、富士通製のタッチパネル+スライド端末「F-03A」を試そう。わずかに湾曲し、ボディの丸みを際だたせているディスプレイは、実はタッチパネルである。ディスプレイ面がフラットでなく、なおかつタッチパネルというところが斬新だ。
カメラ機能は、横に構える新しいタッチパネルスタイルとともに、ディスプレイを開くとタッチパネルがオフになり、普通のというか、おなじみの“F”のカメラにもなる。その2つの対比が面白い。もう全然違うカメラになるという感じである。なお、F-03Aは傾き検出センサーを内蔵するので、どの向きに構えて撮ってもOK。閉じたまま横向き+タッチパネル操作で撮るか、開いてダイヤルキー操作で撮るかはそのときの気分次第。使いやすい方を使えばよいのである。
まずはタッチパネルスタイルで撮ろう。カメラの起動は側面にある[カメラ]キーの長押しで行う。
撮影画面はシンプルで、「シャッター」ボタンしかない。タッチパネルを生かし、指で触れた点にフォーカスを合わせてくれる。撮影メニューは、側面の[iウィジェット(W)]キーで開く。フォトライトの点灯やマクロモードの切り替えもここから行える。
さて、「フルオート撮影」機能を有効にするか否か。これをどちらにしようか、当初はかなり迷った。
前述のとおり、F-03Aは指で触れたところにフォーカスを合わせられる。このときフルオート撮影機能が“有効”だと、ピントが合ったと同時にそのままシャッターも切る仕様になる。一方、そのままシャッターボタン操作すると、画面の中心(顔認識をしていれば認識した顔)にピントを合わせてから撮影する。
フルオート撮影が無効だと、もう少しややこしい。画面のタッチでそこにピントが合う……までは同じだが、その後、別途シャッターボタンを再操作するという流れになる。このとき、AF動作を行わないで(つまり、ピントを合わせたい位置をタッチしないで)シャッターボタンを押すと、ピントを合わせないまま、即シャッターを切ってしまうのだ。被写体が近いと、多くの場合ピンボケしてしまうことになる。
うーん。自分のタイミングで撮りたいが、失敗写真の可能性はできるだけ減らしたい。むずかしい選択なのである。
もちろん、触れたところにピントを合わせられるおかげで、メインの被写体を必ず真ん中に置く必要がないのはいい。被写体を中心から少しずらして構図を決めるとグッと雰囲気のある写真に仕上がることが多いし、フォーカスロックして構図を決め直す作業も必要ないからだ。
もう1つ注意したい点がある。指を左右にスライドする操作でデジタルズームが機能するが、ふと画面に触れて、ちょっとでも動くとズームが動作してしまうようだ。これは何度もやられました。手のひらなどが意図せず画面に触れていたためか、予想外にズームされた写真がたくさん撮れていた。ちなみに写真の保存時間は、最大サイズでmicroSDに保存して7秒くらい。保存時間がやや遅めなのは、そのほかの操作性がなかなかサクサクなだけに少し残念である。
再生はさらにややこしい(笑)。画面にサムネイルが並ぶのはいいが、よくあるタッチ端末のようにサムネイルを直接タッチしても再生できないのは残念だ。ここでは、画面上の仮想回転ダイヤル「タッチセレクター」で操作しなければならないのである。
一方、ディスプレイを開くとタッチパネルは無効になり、いつものダイヤルキー操作で撮影できる。詳細の撮影設定にアクセスして細かくセッティングするなら、こちらの方がショートカットも使えて便利だったりする。おなじみの“F”端末のスタイルなので「あれれ。ちょ、ちょっと」と思ったら、すかさずディスプレイを開けば慣れた方法で操作できるというわけだ。
では写りはどうか。作例をどうぞ。
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