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» 2010年01月13日 11時00分 公開

東京各地に「物語の芽」――エアノベル後日談を“中の人”が語る(2/3 ページ)

[ITmedia]

セカイカメラで「国土が2倍になった」

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井口 東京ってすごく広いですし、大晦日とはいえものすごい人間がひしめいているわけですよね。その中で、わずかなヒントのみで参加者が「男」を捕獲できたことは、ゲームオーガナイザーである新城さんの力技のなせる技だったのでしょうか?

新城 むしろセカイカメラをはじめとする個人通信、表現メディアのおかげだと個人的には感じました。とにかく、エアタグなどで「“今”“ここ”のワタシ」を発信することの凄さというか、速さというか、便利さというか……。あとはやはり井口さんの「寒いからJRの路線とか特定店舗だけにしましょうよ」という、非常に理性的なアドバイスのおかげです(笑)。当初の新城は、本気で皆さんに東京中走り回ってもらおうかな、とか悪魔のようなことを考えてましたからね。

井口 寒さ以外にも、電波やWi-Fi、GPSが及ぶ範囲かどうかといった視点からも、行動範囲をある程度限定するのは有効だと感じました。「ゲームを遊ぶ」以前に、機能的なハードルが高いとそもそも楽しむこと自体が厳しいので。

新城 理性と感性のバランスですね。

井口 ちなみに、頓智・のメンバーは新宿オフィスで参加者が打ったエアタグをひたすらカウントするという裏方に徹しており、シナリオや裏ストーリー、ワナなどの情報はほとんど知りませんでした。こうしたゲーム進行は、臨機応変に組み替えたのですか? あるいはかなり狭い範囲で一定の道筋が用意されていた……?

新城 ほぼすべて「臨機応変」でした。こういうタイプのイベントは何も決めておかない方がうまくいくことを(この20年くらいの経験で)知っていたので。最初から決まっていたのは「『男』は本当に男性で、1人だけ」「JRで移動している」くらいでしたね。途中で「どうせなら頓知・さんのオフィスをラスボスの居場所にするってのも面白いかなあ」とも思いましたが(笑)。そういう悪巧みを実行する前に、大団円となりました。

井口 本当ですか? 大団円手前に舞台が新宿方面に移りましたよね! 正直すごくドキドキしながら見守ってました。心の準備がまったくなかったので。

新城 ひょっとしたら頓智・が「#15a24」の悪の巣窟になっていたかも?

井口 さて、Twitterという時間共有メディア、そしてセカイカメラという空間共有メディア――これらをエアノベルの道具立てとして使おうと思ったきっかけは何だったのでしょうか? セカイカメラはサービスインして3カ月そこそこで、新バージョンをリリースして約1カ月と、まだまだ使い方が見えていない部分もあるのですが、新城さんが「#15a24」を通じて感じ取られた潜在的可能性についてお聞かせいただけますか?

新城 これは以前からツイッターでつぶやいたりしてるのですが、セカイカメラは日本の国土を実質的に2倍(以上)に増やしてくれた、とんでもないシステムだと思ってまして……。とにかく今日になっても「あ、こういう遊び方あるぞ」「こんな機能が増えたらもっとすごいぞ」と妄想が止まりません。

井口 そういう新城さんのつぶやきに、こちらも物語脳を刺激されて、新しい仕様を考えていたりするわけですが(笑)。

新城 エアノベルに取り組むきっかけも、Twitterでセカイカメラのハッシュタグを追いかけはじめて「こんなエアタグあったらなあ」みたいな夢想をつぶやいていたら、井口さんと相互フォローするようになって……というところからで。

井口 確かにTwitterのタイムラインが取り持つ仲でしたね、そもそも。

新城 そこで井口さんから頂いた「エアノベル」という言葉の響きにビビビッと来たのが、最初のきっかけだったわけです。

井口 12月のSUKIYAKI発表直前にひらめいたアイデアですから、本当に思いつきだけで進んでいるという恐ろしさです。

新城 でも、電子空間は本当に未踏の沃野(よくや)だし、それが現実の場所と関連づけられて認識できるというのは、ゾクゾクしちゃいますね。なんていうか、「現実を空気投げできる」感覚といいますか。しかもエアタグは通行中の皆さまのじゃまにならないし。子供のころに夢想してたいろんな遊びが、大人の本気度で実現できちゃうんですよ。こんな凄いことはない。

井口 ドラえもん的想像力が真面目によみがえっている感覚がありますね。

新城 で、今回はケイドロ/おにごっこ系でしたが、ほかにも秘密基地づくりとか、宝探しとか、怪獣退治とか、少年探偵団とか、地底探検とか……。

井口 遊びのタネは尽きませんからね! 得体の知れない巨大怪獣と地球防衛組織との長期戦なんて、凄くシビれてしまいます。使徒襲来的な。

新城 ですので、ぜひ皆さんも御自身の夢想・妄想をネットにアップしましょう(笑)。もしかしたら、(エアノベルに)実装されるかもしれません。

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